帝国データバンクは2月12日、「コロナ禍におけるクリーニング業者」に関する調査結果を発表した。調査は1月に実施し、2015~19年度決算の収入高が判明したクリーニング業者1833社にデータを抽出、分析した。
2019年度の収入高を規模別にみると、最多は「1億円未満」(59.0%)だった。次いで「1~10億円未満」(37.3%)、「10~50億円未満」(3.4%)、「100~500億円未満」(0.2%)、「50~100億円未満」(0.1%)などと続いた。
2020年6~9月期の収入は「平均14.9%減」
全体の収入高合計は、2019年度までは右肩上がりで推移。増減については「50億円以上」の5社は減収がなく、2社が増収。「10~50億円未満」の3割も増収だった。一方で「1億円未満」では増収が6.7%で、横ばいが約8割だった。
新型コロナの影響が本格的に表れたとみられる6~9月に決算する企業で、2018~20年の収入高が比較可能な432社をみると、20年6~9月期に「減収」とした企業は81.7%だった。19年の同時期(17.4%)に比べて64.3ポイント増加していた。テレワークが定着しつつあり、ワイシャツやスーツなどのクリーニング需要が減少していることが背景にある。
収入高の増減率平均をみると、19年6~9月期は平均1.0%増だったものが、20年6~9月期は平均14.9%減にまで落ち込んでいる。
月ごとにみると、20年7月期は平均15.8%減、同8月期は平均16.9%減、同9月期は平均19.7%減にまで減少幅が拡大。新型コロナの影響を長く受けるほど、収入高の減少幅も拡大している。
次に、20年6~9月期の収入高規模別で動向をみたところ、「1億円未満」(282社、構成比65.3%)の8割強が減収だった。また「1~10億円未満」においても、8割弱が減収、「10~50億円未満」の7割強も減収だった。
1833社の業歴別では、「50~100年未満」(55.4%)が約半数。以降は「30~50年未満」(29.0%)、「10年~30年未満」(11.5%)などと続いた。一方で「10年未満」は1.4%にとどまり、新規参入は少なかった。今後については、
「中堅以上の業者については、新規出店や廃業したクリーニング業者からの店舗の譲り受け、価格改定による値上げなどにより、需要の伸び悩みをカバーし、収入高を維持することが可能とみられる」
と推察している。