TFスポーツはELMSヨーロピアン・ル・マン・シリーズで2台のクルマによるプログラムを行うため、アストンマーティン・バンテージAMRをエントリーに追加し、同選手権でのプログラムを拡大させる。
2020年のル・マン24時間レースでLM-GTE Amクラス優勝を飾ったTFスポーツは、ジョン・ハーツホーン、オリー・ハンコック、ロス・ガンとともに欧州シリーズのGTEクラスに参戦する計画を発表した。
同チームは、サリ・ヨルック、チャーリー・イーストウッド、マツダDPiドライバーのハリー・ティンクネルがトリオを組み、“レーシング・チーム・トルコ”の形態でELMSのLMP2クラスにエントリーすることを発表済み。今回発表された計画は、このプロトタイプ・プログラムに追加されたかたちだ。
近年はWEC世界耐久選手権を戦ってきたチームは、全6戦で争われるELMSのGTEクラスにエントリーすることで2017年に先代のバンテージGTEを使用してシリーズを戦って以来、初めて同カテゴリーに復帰することになる。
また、ブロンズドライバーのハーツホーンは、シリーズのLMP3クラスに最後に参加してから5年ぶりに復帰を果たす。このイギリス人は2012年にLMPCクラスのタイトルを獲得。2005年にはTVRでル・マンにも出場している。
そのハーツホーンとハンコックは昨年、ミシュラン・ル・マン・カップでフェラーリ488 GT3 Evoをシェアしていた。ブロンズランクのドライバーは、ル・マンのグリッドにふたたび戻るという目標を持っており、それを実現させるための一環としてGTEカテゴリーへのステップアップが実現した。
彼らは今週末、ドバイ・オートドロームで開幕するAsLMSアジアン・ル・マン・シリーズでも、イーストウッドとともにTFスポーツのバンテージGT3をドライブする予定だ。そんな彼らをELMSではアストンマーティン・ワークスドライバーの若手、ガンがサポートする。
「ここ数年間GT3で過ごしてきて、そろそろ次のステップに移りたいと思っていた」とハーツホーンは語った。
「僕の目標を念頭に置き、昨シーズンのル・マンでTFスポーツが伝統のレースを制したことを考えると、彼らと一緒にステップを踏めることは理にかなっている」
「イギリス人のチームメイトと一緒に、イギリスのクルマで、イギリスチームとともにヨーロッパ中でレースができることに興奮しているんだ」
TFスポーツは現在、WECとヨーロッパ、アジアの両ル・マン・シリーズでアストンマーティンを走らせることになっている。
チーム代表のトム・フェリエは「ELMSのパドックに戻り、2021年シーズンに3台目のアストンマーティンを走らせることができるのは素晴らしいことだ」とコメント。
「前回の参戦ではタイトル獲得まであと一歩だったので、今回の目標は両クラスで勝利を勝ち取ることだけだ。それは確かにチャレンジになるだろう。しかし、我々にとってそれは充分に可能性があると信じている」
「昨シーズンはWECでロス(・ガン)と対戦したので、彼が私たちのチームに加入してラインアップをさらに強化できたことをうれしく思うよ」