2020年シーズンのロードレース世界選手権MotoGPで、ペトロナス・ヤマハSRTのファビオ・クアルタラロとフランコ・モルビデリが3勝ずつ、モンスターエナジー・ヤマハMotoGPのマーベリック・ビニャーレスが1勝と14戦中7勝を記録したヤマハ勢。
シーズン再開直後はクアルタラロがチャンピオンシップをリードするも、優勝したレースでは強さを見せたものの、優勝以外の表彰台がないなど、成績に波があり、最終的にランキング8位でシーズンを終えることとなる。
ビニャーレスも1勝に留まりランキング6位、バレンティーノ・ロッシは新型コロナウイルスに感染したことによる2戦の欠場もあってランキング15位。サテライトチームのモルビデリがランキング2位で最上位となった。モルビデリは2019年型ベースのマシンながら、ファクトリースペックのマシンに対して、シーズン中の仕様変更が少なく、同じ仕様のマシンのセットアップを煮詰めていくことに集中したことが結果となって表れた模様だ。
それでもヤマハYZR-M1は2020年シーズン、最多勝を収めているというのは事実。2021年に向けては、クアルタラロがファクトリーに昇格し、ビニャーレスのチームメイトになる。ロッシはサテライトのペトロナスSRTに移籍し、モルビデリのチームメイトとなる。
2021年シーズンのクアルタラロとビニャーレスは成績の波をなくすことが課題となるだろう。ロッシはサテライトに移籍となるものの、2020年はようやくマシンのフィーリングが自分に合って来ている。2戦の欠場があったため、ランキングでは下位に沈んだが、転倒に終わったものの、第9戦カタルーニャGPで見せたトップを追う走りは存在感を示した。そして、MotoGPクラス初表彰台、初勝利を含んでランキング2位を獲得したモルビデリは、一躍チャンピオン候補に名乗りを上げた。
マシンの速さは証明しているヤマハ勢。これに安定感が加われば、2021年はタイトル奪還の年となるだろう。モンスターエナジー・ヤマハMotoGPは2月15日(月曜)に今季の体制発表を行う。