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ビームスやアローズ、シップス、ステュディオス…主要セレクトショップ1号店の姿は様々 現在も存続しているところは?

2021年02月09日 13:22  Fashionsnap.com

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ベイクルーズが手掛ける「エディフィス(EDIFICE)」の1号店「エディフィス トウキョウ(EDIFICE TOKYO)」が1月31日に閉店し、業界内外で大きな話題になりました。27年間、渋谷のファッションを作り続けてきた有名店の閉店に「年に何度も行っているのでかなりショック」「思い出の店なので寂しい」などの声も多く寄せられています。今では様々な場所で目にするようになった有名セレクトショップですが、1号店はどうなっているのか?調べてみました。 関連記事 エディフィス渋谷店が27年の歴史に幕、パリ・サンジェルマン公式ショップ1号店も同日閉店

■もともと八百屋だった跡地に出店したビームス1号店 

 1976年2月に1号店「アメリカンライフショップ ビームス」を神宮前3丁目に開業した「ビームス(BEMAS)」。ファンからはタラちゃんという愛称で呼ばれている代表取締役社長の設楽洋氏が「アメリカのライフスタイルを売る店」としてスタートし、当時からネズミ捕りやお香キットといったユニークな商品も用意するなど現在のビームスの特徴である生活に関するあらゆる物の提案がすでにされていました。1号店を構えた場所は元々、八百屋だった建物。そのため面積はわずか21.5平方メートル(6.5坪)とかなりの小規模店舗でした。内装はUCLAの男子学生の部屋をイメージソースに店作りをしたそうです。ちなみに1号店の初代店長は、後にユナイテッドアローズを創業する重松理氏が務めていました。1号店はその後店舗面積を拡大し、現在は「ビームス 原宿」として同じ場所で営業を継続しています。ちなみに店内の床に打たれたビスは、当時の名残としてそのままになっているところがビームスらしいです。
住所:東京都渋谷区神宮前3-24-7 1階・2階営業時間:11:00~20:00
インタビュー(2014年掲載) 【トップに聞く】ビームス 設楽洋「"モノからヒトへ" ハッピーを提供する集団に」
■十貨店を目指して店舗づくり、ユナイテッドアローズ1号店

 ビームス、シップスと並び3大セレクトショップとして数えられるユナイテッドアローズは、ビームスの創業に携わり、ビームス1号店の初代店長を務めた重松理氏(現・名誉会長)が立ち上げました。ユナイテッドアローズという社名は、毛利元就の「三本の矢」の「束矢理念」精神からきており「矢=ARROW」、「束ねる=UNITED」を組み合わせた名前というのはとても有名な話。2003年には大手セレクトショップとして初の株式上場を果たしました。1号店の渋谷明治通り店はビームスと同じく神宮前エリアに1990年7月にオープンし、1号店では「十貨店」を目指して百貨店の10分の1の商材を厳選。オリジナル服飾商品や和食器をセレクトしていました。2007年に残念ながら閉店し、現在は加熱式たばこ用デバイス「プルーム(Ploom)」のショップが入居しています。なお、ユナイテッドアローズは1号店オープンから約2年後の1992年に旗艦店の原宿本店を開業。原宿本店は25周年のタイミングでリニューアルを実施するなど、現在もユナイテッドアローズの旗艦店として営業しています。
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■渋谷人気台湾料理店の近くに出店、シップス1号店

 「シップス(SHIPS)」のルーツは1952年に創業したアメヤ横丁の三浦商店。1975年に三浦義哲氏が家業を継承する形で輸入カジュアル衣料品の販売をスタートさせ、憧れのアメリカを形にしたショップとして、シップスの前身となる「MIURA&SONS 渋谷店」をオープンしました。75年と他のセレクトショップに先立ってオープンしたことから元祖セレショとも呼ばれることが多いです。意外なことに、三浦氏は巣鴨の本郷高校で7年間教師として働いていた経験があるそう。シップスとしては1977年にメンズ1号店、1980年にウィメンズ1号店をそれぞれ銀座3丁目に出店。メンズは営業を継続しており、ウィメンズは2014年から新業態のコンセプトショップ「シップス プライマリー ネイビーレーベル(SHIPS Primary Navy Label)」として運営しています。MIURA&SONSは渋谷の台湾料理店「麗郷」の近くに店を構えていましたが、1989年頃に閉店。MIURA&SONSではアメリカ西海岸の要素を取り入れたカジュアルさ、銀座のシップスでは東海岸をイメージしてかっちりとした印象の店作りを意識したそうです。渋谷エリアではこのほか、大型店のシップス渋谷店が1986年から営業しています。
住所:東京都中央区銀座3-4-15 菱進銀座ビル 地下1~3階電話番号:11:00~20:00
■社員の一言がきっかけでスタート、アーバンリサーチ1号店 

 ジーンズカジュアルショップとして開業した大阪発のセレクトショップ「アーバンリサーチ(URBAN RESEARCH)」は、代表取締役社長の竹村幸造氏が「おしゃれな店をやりましょう」という社員の一言をきっかけに構想をスタート。当時1番おしゃれだと感じていたアパレルのショップスタッフが買いに来てくれるような店を目指し、1997年に1号店「URBAN RESEARCH アメリカ村店」を出店。以降、セレクトショップ事業を拡大しています。1号店のアメリカ村店はすでに営業を終了しており、現存する店舗で最も古い店舗は2000年に開業した堀江店。2020年2月時点では派生ブランドを含め全国で266店舗を運営しています。2002年には東京進出1号店として「URBAN RESEARCH 渋谷店」がオープンし、2017年12月に閉店。現在は「デサント(DESCENTE)」の旗艦店「デサントトウキョウ(DESCENTE TOKYO)」が入居しています。
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■ラグジュアリーブランドの品揃えが際立つエストネーション1号店

 「オンやオフで本当に着たい服を、楽しみながらショッピングできる、大人のためのストア」をコンセプトに掲げる「ESTNATION(エストネーション)」は、サザビーリーグの子会社「サザビーリーグ エストネーションカンパニー」が運営。六本木や銀座といった一等地に店舗を構えるラグジュアリー路線で展開しており、「ロエベ(LOEWE)」「ザ・ロウ(THE ROW)」「サカイ(sacai)」などハイエンドなセレクトアイテムを取り揃えています。また、メンズ・ウィメンズのウェアだけではなく、コスメやフレグランス、バスグッズ、フードといったライフスタイル全般の販売にも注力。1号店は有楽町に2001年にオープンし、現在も営業を継続しています。なお、国内3店舗目として2008年にオープンした銀座店は昨年、オフプライスストアに業態を変更。2~3階はシーズンアイテムを継続して展開し、1階で会員限定のオフプライスストアとして営業しています。
住所:東京都千代田区有楽町1-10-1 有楽町ビル1~2階営業時間:11:00~20:00
■もともとは伊勢丹子会社として展開、バーニーズ ニューヨーク1号店

 「バーニーズ ニューヨーク(BARNEYS NEW YORK)」の日本展開を手掛けるバーニーズジャパンは、1989年に三越伊勢丹ホールディングスの完全子会社として設立し、翌年に日本1号店を新宿に開業。日本最大規模のアメリカ発スペシャリティストアの初上陸として注目を集めました。2013年にはクリスピー・クリーム・ドーナツ・ジャパン出身の上田谷真一代表取締役社長のもと、全館のリモデルを行い、ハイストリートカジュアルブランドの展開を拡充。2015年からはセブン&アイ・ホールディングスの完全子会社となっていました。近年は売上高が減少し、回復の見込みが立たないことから2月28日をもって閉店予定。長い間、新宿のファッションスポットとして支持を集めていましたが、約30年の歴史に幕を下ろします。今後首都圏では銀座、六本木、横浜の店舗での購入を促しており、公式オンラインストア内の商品拡充も進めていくとのことです。
住所:東京都新宿区新宿3-18-5営業時間:11:00~20:00(当面の間は19:00まで)
■アパレル史上最年少上場、ステュディオス1号店

 ステュディオスは、谷正人代表がデイトナインターナショナル在職時に立ち上げた新規事業として2007年にスタート。新卒2年目という若さで「東京ブランドに特化したセレクトショップ」を事業化しました。2008年にMBOを実施し、ステュディオス事業を行う新会社を設立。2015年9月にアパレル業界史上最年少で東証マザーズ上場を果たし、翌年からは社名をTOKYO BASEに変更しました。2007年にオープンした1号店の原宿本店は現在も営業を継続しており、10周年のタイミングでリニューアル。リニューアルオープン前日に顧客150人を招待した販売会では1日で1100万円を売り上げたそうです。また、2017年に海外1号店を香港にオープンして以降海外進出を加速させており、今年2月には中国国内5店舗目となる新店舗を武漢にオープン。上海店の初日売上は1000万円、北京店では1750万円を突破するなど海外事業も好調です。現在掲げている目標売上高は1000億円。ステュディオス谷代表は関係者を招いた納会挨拶で、ファストリ会長の柳井正氏に「世界を目指して仕事をするなら1000億以下は遊び」、「あなたは若いから上を目指してください」と言われたエピソードを披露。それから1000億円を目標に据えていると語っています。
住所:東京都渋谷区4-26-32 1階営業時間:12:00~20:00
昨年のインタビュー STUDIOUSのオリジナル廃止、中国での出店加速、アスレジャーの新業態......TOKYO BASE谷正人代表が語るコロナ禍の"攻めの経営"
 今では誰もが知る企業になった有名セレクトショップ達。現在でも同じ形、場所で営業しているところもあれば拡張したところ、撤退してしまったところなど事業が拡大することでその後の展開は様々です。昨今はコロナの状況やEC化率の高まりから、実店舗を減らしてECに注力する企業も増えています。今回紹介した1号店はこれからどうなっていくのか、注目です。