2021年02月08日 10:32 弁護士ドットコム
「ママ活でお金をもらっていましたが、返してほしいと言われています」。弁護士ドットコムに、男性からこのような相談が寄せられている。
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相談者は約2年ほど前、先輩の母親と「ママ活」をしていた。相手女性からは会って性行為をするたびに5万円をもらっていたほか、「お小遣いがほしい」と言えばお金をもらえることもあった。こうして受け取ったお金は、合計250万円ほどになるという。
関係を続けているうちに、相手女性は相談者に恋愛感情を抱くようになった。相談者はこのまま関係を続けることを良くないと思い、何度も関係を終わらせようとしたという。
しかし、そのたびに女性からは「(相談者の)会社に今まであなたがしてきたこと、お金を返済してほしいことを言いますからね」と言われ、ズルズルと関係が続いた。相談者に好きな人ができたことを機に、女性からの連絡はこなくなった。
これで関係を終わらせられると思っていた矢先のこと。女性から会社に電話がかかってきた。相談者がママ活していたことは、会社の人たちに知られることになったという。
相談者は、女性にお金の返済を迫られており、頭を抱えている。女性に受け取ったお金は返さなければならないのだろうか。小沢一仁弁護士に聞いた。
ーー相談者は、女性からもらったお金を返さなければならないのでしょうか。
今回のケースの場合、女性からもらったお金は贈与にあたると思います。贈与された金銭は返す必要はありません。
ーー女性からは「払わなければ会社にまた電話する」「会社にいられなくしてやる」などの連絡があるそうです。このようなメールが「脅迫罪」にあたる可能性はありますか。
脅迫罪は、生命、身体、自由、名誉又は財産について、一般人が畏怖(怖がる)に足りる程度に害を与える旨の告知をすることで成立します(刑法222条1項)。
そのため、たとえば、「払わないなら殺す」「払わないなら家(あるいは会社)まで行く」「払わないなら、ママ活をし、体の関係を持ったことをインターネット上で公表する」などのメールが送信されてきたり、電話がかかってきたりするようであれば、脅迫罪が成立することになると思います。
なお、女性が男性に恋愛感情その他の好意の感情を持ち、または、それが満たされなかったことに対する怨恨の感情を充足する目的で、無言電話をかけたり、拒んだのに連続して電話やメールの送信をするような場合や、男性の名誉を害する事項を告げるような場合は、ストーカー規制法に違反する可能性もあると思います(ストーカー規制法2条5号、7号)。