トヨタGAZOO Racingは2月2~4日、スペインのモーターランド・アラゴンにおいて、WEC世界耐久選手権のハイパーカークラスに今季から投入する新型ル・マン・ハイパーカー(LMH)、『GR010ハイブリッド』の開発テストを行なった。
2020年10月のポール・リカール、12月のポルティマオに続く3回目のテストとなった今回のアラゴンでは、全日本スーパーフォーミュラ選手権出場のため過去2回のテストを欠席した中嶋一貴と小林可夢偉も、初めてGR010のステアリングを握っている。
このほか、マイク・コンウェイ、ホセ・マリア・ロペス、セバスチャン・ブエミ、ブレンドン・ハートレーという、レギュラードライバー6名全員がマシンをドライブした。
3回目のテストは本来、マシンの正式発表日となった1月15日の直前までアラゴンで行なわれるはずだったが、雪のため中止となっていた。
チームによれば、今回のテストではGR010ハイブリッドでは初となる夜を通した走行も行なわれ、雪によってキャンセルされた前回分の走行距離をカバーすることができたという。
■「可夢偉と一貴の意見を聞くことは有益だった」とパスカル・バセロン
「先月アラゴンへ来た時よりも、はるかにポジティブなテストとなった。水曜に夜通し走ることができ、かなりの走行距離を取り戻すことができた」とテクニカル・ディレクターのパスカル・バセロンは語っている。
「これによって、シーズン開始前までの目標走行距離を達成するための軌道に戻ることができた。これは朗報だ」
「可夢偉と一貴はGR010ハイブリッドの初ドライブまで辛抱強く待たなければならなかったが、ついにその機会が巡ってきた。彼らの意見を聞くことも、我々にとっては有益だった」
「新車のすべての詳細を理解し、セットアップを微調整していくプロセスはまだ初期段階にあり、チームの全員が奮闘を続けているが、それは新車になる際には普通のことだ」
2021年シーズンにハイパーカークラスにおけるトヨタのライバルとなるアルピーヌ・エンデュランス・チームとスクーデリア・キャメロン・グリッケンハウス(SCG)も4月にポルティマオで開幕するシーズン最初のレースに向けて、準備を進めている。
アルピーヌは来週、オレカ製シャシーにギブソンエンジンを搭載するLMP1マシンを走行させる予定で、SCGも2月にノンハイブリッドのLMHマシンをロールアウトする予定を明らかにしている。