インターネットやSNSの発達で情報拡散速度が増している昨今、いわゆる"ブラック企業"は淘汰され始めている。とはいえ、いまだにパワハラやセクハラ、過重労働はなくならない。
元営業職の30代男性は、「営業職として入社したのに『現場を覚えろ』と長期間の現場研修に行かされた」と嘆く。今回はブラック企業のリアルに迫る。(文:中島雄太)
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「当たり前のように残業代もありません」
入社後まもなく「営業も現場を理解する必要があるから」と言われ、現場に配属された男性。
「数か月の期限付きという話だったし、『現場を知ることは大切だな』と納得しました。でも実際には、無期限での配属になってしまいました」
会社の仕打ちはそれにとどまらない。男性は建設業界未経験にもかかわらず、公共工事の主任技術者にさせられた。会社が経歴を詐称したのだ。また、「休みは日曜日しかありませんでしたが、書類上では週休2日になっていました。当たり前のように残業代もありません」という始末。その後、会社は行政処分を受けたという。
「調査が入ったときにも『真実はしゃべるな』と言われました。でもすべて話しました」
男性はその後、退職代行を利用して会社を辞めている。
「目の前でパワハラ行為があっても、社長は見て見ぬふりをしていた」
事務員の40代女性は、職場で何度もパワハラを目撃。「目の前でパワハラ行為をしている人がいるのに、社長はそれを黙認していました」と打ち明ける。
「パワハラをしている人に何も指導がないので、パワハラを受けている人はすぐに辞めてしまうのです」
パワハラを黙認するような職場は、居心地が悪く働きづらいに違いない。女性は「パワハラを目撃した周りの人まで体調を崩してしまい、何人も退職が続く職場でした」と思い返す。
マーケティング職の30代の男性が以前勤めていた会社では、とにかく人事担当者の態度が悪かった。入社初日、指示を受けた男性が人事担当者に書類を持っていくと「あとで連絡する。今こんなに持ってこられても困る」と吐き捨てるように言われた
後日、人事担当者から「改めて書類を持って来てほしい」と連絡を受けた男性。言われた通りに書類を持参すると、「これだけの量を持ってこられても困ります」と再度告げられ困り果てた。
「そのほかにも、パソコンが支給されなかったり、社員同士であいさつをしなかったり、首をかしげる出来事が続きました」
不信感を抱いた男性は、その会社を退職。現在は別の会社で活躍している。
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