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「家族がいじめるんだ。引き取って!」子供の手紙とともに保護された犬に“第2の人生”(メキシコ)<動画あり>

2021年02月03日 21:52  Techinsight Japan

Techinsight Japan

公園のベンチに繋がれた犬と子供が書いた手紙(画像は『Mascotas Coyoacán 2020年11月23日付Twitter「Hoy, domingo 22 de noviembre」』のスクリーンショット)
大好きな飼い犬がいじめられているのに耐えられなくなった子供が、家族の目を盗んでそっと犬を連れ出した。その子は「お願いだからこの子を世話して欲しい」と置き手紙を残して、見ず知らずの人に飼い犬を託した。子供の思いやりはしっかりと受け継がれ、その犬は“第2の人生”を歩み始めたという。切なく温かいニュースを『The Dodo』『Bored Panda』などが伝えている。

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メキシコの首都メキシコシティにある動物保護施設「マスコタス・コヨアカン(Mascotas Coyoacán)」に昨年11月22日、「犬が鎖でベンチに繋がれていて動けないようだ」と連絡が入った。

同施設のマルセラ・ゴールドバーグさん(Marcela Goldberg)が急いで駆けつけると、犬は怯えて目を合わせようともせず、人が少しでも近づくとうなり声をあげて威嚇した。近所の人たちが水や餌を持ってきて気を引いたが全く効果はなく、マルセラさんは鎖を外すまで2時間を費やした。

マルセラさんは「それは生後7か月の子犬で、明らかに人を恐れていました。私はその場で犬の訓練士に電話をして対処法を指示してもらい、首に輪縄を巻くことでやっとその犬に近づくことができたのです。犬は鎖を外されると少し落ち着いたようでした」と当時を振り返る。

マルセラさんによると、犬のそばには子供が書いたスペイン語の手紙が置いてあり、飛ばないように石の重しが載せられていたそうだ。

そして手紙には、

「こんにちは。どうかこの犬を引き取って。犬の名前は“マックス(Max)”よ。お願い。この小さな犬を迎え入れ、世話をしてあげて欲しいの。私の犬をここに置き去りにするのは心が痛いわ。でも私の家族はいつもマックスをいじめるから、私は決めたの。だってマックスが苦しむのを見るのは悲しいから。だからお願いよ。もしあなたがこれを読んで心を動かされたなら、どうかマックスをおうちに迎えて可愛がってあげて欲しい。もしそれができないのなら、この手紙を元の場所に戻してくれる? 他の人がこれを読んでマックスを引き取ってくれると思うから。ありがとう。」

と子供の切ない気持ちが綴られていた。


事情を察したマルセラさんはまず、つらい過去を持つマックスに“ボストン(Boston)”という新しい名前を付け、その夜を一緒に過ごした。

マルセラさんは「ボストンと最初の1週間を一緒に過ごしてわかったことは、女性よりも男性に恐怖心を抱いているということでした。誰が虐待していたのかはわかりませんが、きっとつらい過去があったのでしょうね。それでもボストンは少しずつ心を開き『この世の中には敵意や痛みだけではなく、愛情があるんだ』ということを理解していったのです」と嬉しい変化があったことを明かした。


その後、ボストンは犬の訓練学校で6日間を過ごし、「お座り」や「待て」などの基本的なしつけを学んだ。するとすぐに「引き取りたい」という申し出があったものの、その家の他の犬たちに馴染めず、24時間を待たずに返されてしまう。

マルセラさんは「引き取った女性にはすぐになついたボストンですが、他の犬が近づくと威嚇したそうです。ボストンは長い間の虐待で愛情に飢えていたのでしょうね」と語ると、ボストンのその後の変化について次のように述べた。

「ボストンが戻された後、私たちはボストンに他の犬とのかかわりを学ぶ訓練を受けさせました。そうして今は、14頭の犬を飼う男性の家に住んでいます。最初の頃の怯えたボストンはすっかり影を潜め、とても人懐っこくなりました。また遊ぶことが大好きで、じっとしていることがないようですよ。」

「引き取った男性はボストンのことをとても気に入ってくれて、ボストンもその男性が大好きなようです。ただ今の住処はあくまでも一時的なものなので、私たちはボストンを受け入れてくれる家族を募集しているところです。今でも幸せいっぱいのボストンですが、たくさんの愛情を注いでくれる家族が早く見つかることを祈っています。」

こうして小さな子供の思いやりから、愛に溢れた“第2の人生”をスタートしたボストン。このニュースには「ボストンに新しい家族が見つかるといいね」「ボストンの表情が全然違う。愛情って大切だね」「保護施設の手厚さに胸を打たれた」「子供の手紙が切ないね。この子も虐待を受けていないことを祈るよ」「温かくて、切ないニュース。ボストンを助けた子供も幸せでありますように」といったコメントがあがっている。



画像は『Mascotas Coyoacán 2020年11月23日付Twitter「Hoy, domingo 22 de noviembre」』『Bored Panda 2021年2月1日付「Child Leaves His Puppy On A Park Bench With A Heartbreaking Note Because His Parents Abused The Dog」(Image credits: mascotascoyoacan)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)