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リヤウイングに問題発生。マツダのデイトナ24時間初優勝を阻んだもの/IMSA

2021年02月03日 12:41  AUTOSPORT web

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55号車マツダRT24-Pのリヤセクション 2021IMSA公式テスト”ロア”
1月30~31日に開催された2021年IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権開幕戦デイトナ24時間レースにおいて、マツダモータースポーツが走らせる55号車マツダRT24-Pは優勝争いの一角となるも、総合3位でチェッカーを受けた。

 ジョナサン・ボマリートと、日本のスーパーGTでも活躍したオリバー・ジャービスとともに長丁場のレースを戦ったハリー・ティンクネルは、マツダRT24-Pのリヤウイング・アッセンブリーに問題があったため初優勝のチャンスを逃してしまった、と語っている。

 カナダのマルチマチックが運営するチームが走らせるマツダのDPiカーは一時、トップグループから3周遅れとなったが、これを挽回し優勝車と6.5秒差の総合3位でフィニッシュした。

 電気系統のトラブルで出遅れた55号車は、レース開始4時間目にエアジャッキのトラブルと、さらにハンドリングの問題にも見舞われ早々にワンラップダウンとなった。その直後、テールランプが切れかかっていることを指摘されたチームはマシンをピットに呼び戻す。この際、ロックピンが破損したことでリヤテールとウイングのアッセンブリーのラッチが外れたことを確認。問題の根本的な原因は解決された。

 この時点で3周遅れとなったチームは戦略を練り、コーションのタイミングを利用して徐々にギャップを縮め、レース終盤にはリードラップに復帰させることに成功する。総合2番手までポジションを回復させたのだ。しかし、終盤の優勝争いの最中にふたたびロックピンの不具合が発生してしまい、最後はひとつ順位を落として3位フィニッシュとなっている。

「僕たちの計画はリスクを負わず、リードラップをキープして最後まで走り切ることだった」とティクネルは説明した。

「だが、トップグループのペースがとても速く、想定していたウインドウの外に出てしまっていた」

「序盤の周回遅れからリードラップに戻ってきたところで、イエロー下でピットインしリヤデッキを交換したが、それがうまくいかず3ラップを失ってしまった」

「このような状況になったときにできることは、トラックに戻って最速のクルマになることだ。そうすることでチームの皆が頭を上げ続けることができるからね。だから僕はそうしたんだ」

■「チームスタッフの諦めない姿勢に感謝」

「登らなければならない山があることは知っていたが、そこにとどまった」と彼は続けた。

「次のドライブ時に転機が訪れた。コース上でラップリーダーを交わした直後にイエローが出て、すぐにもう1周ラップバックすることができたんだ」

「僕たちにとって大きなポイントのひとつは、レース中に接触がなかったことだ。3.5マイルのコースに約50台のマシンが走っていて、そのなかにはアマチュアドライバーもいることを考えると無傷でいられることは驚くべきことだ」

「このような結果にはなったが、翌朝を迎えればチーム全体が成し遂げた仕事に誇りを感じるだろう」

 マルチマチックのエグゼクティブ・バイスプレジデントであるラリー・ホルトは、レース序盤での後退からリードラップに戻った復活劇を考慮すると、この結果は印象的なものだと付け加えた。

「最後にふたたびウイングの問題がなければ、結果はさらに印象的なものになっていたかもしれない」と同氏。

「しかしそれがレースであり、クルー、エンジニア、ドライバーの誰もテーブルに何も残さなかった」

「少しネガティブにみえたタイミングもあったなか、彼らがみせてくれた諦めない姿勢に本当に感謝したいと思っている」

「リヤテールマウントについては、これまで何年も使用してきたのと同じ構造を維持しつつ、少し作業を行う必要がある。だが残りの車体、エンジン、ギアボックスは申し分のないものだった」