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《5億円覚せい剤密輸事件》容疑者夫妻、SNSでのインチキすぎる「有名人交際商法」

2021年02月03日 05:00  週刊女性PRIME

週刊女性PRIME

左から沙姫容疑者、健容疑者、加藤茶の妻・綾菜

「“今の世の中、商売をするなら芸能人に帽子をあげて身につけてもらい、SNSで流すのが一番”と言ってました」

 そう証言するのは、覚せい剤密輸で逮捕された容疑者夫妻の知人。

覚せい剤約8キロ・5億円相当を密輸

 1月22日、警視庁と東京税関は群馬県みどり市の自称自営業・星野健(けん・42)と、妻で会社役員・沙姫(さき・29)両容疑者を覚せい剤取締法違反(営利目的輸入)の疑いで逮捕したことを発表。

「1月10日にタイから国際郵便で成田空港に届いた段ボールにヘアワックス容器16個が入っていたが、上げ底になっていて、覚せい剤約8キロが隠されていました。

 約27万回分、末端価格にすると5億円相当もする大量の密輸で、前に住んでいたみどり市のマンションに送ろうとしました」(捜査関係者)

 前の住居に送って、どう受け取るつもりだったのだろうか……。マンションの関係者はこう説明する。

「星野夫妻は2部屋借りていて、3階の1LDK家賃4万円の部屋は去年の夏ごろ解約。3LDKで家賃8万円の4階の部屋は契約を続けていたようです。荷物の受け取り先として借りていたのかも」

 沙姫容疑者はこのマンションで「ケン・ジャパン」というキャップなどを製造、販売するアパレル会社の社長を務め、健容疑者はそのデザイナーだった。

「3歳ぐらいの女の子と3人暮らし。昼間からフラフラと、何をやっているのかわからない不思議な夫婦でした。

 旦那は腕に入れ墨があって、チャラ男で、とてもカタギには見えない。高級外車を乗り回して、2年で3、4台も乗り換えていました」(別のマンション関係者)

 事務所解約後、一家はこのマンションから遠くない家賃14万円ほどの一軒家に引っ越していた。

 しかし、その生活ぶりは奇妙なものだった。

「引っ越してきても、表札は出さず、近所にはほとんど挨拶なし。町内会にしぶしぶ入会すると“山口茂”と偽名を名乗っていたことが今回、わかりました」(近所の主婦)

 沙姫容疑者らしき人物のおかしな行動も目撃されていた。

「去年の夏に、近所の男性専用の理髪店に、ヨロヨロと千鳥足で目がイッている女が、ろれつが回らない口調で染髪を頼んできました。もちろん、店は断ったそうです」(同)

インスタにはキャップをかぶった有名人がズラリ

 覚せい剤の密輸だけではなく使用もうかがわせる証言だが、“本業”の経営は軌道に乗っていたのだろうか──。

「『ケン・ジャパン』のキャップは通販のオーダー制で、料金は1万円から。別料金で、スワロフスキーや刺しゅうなども追加できました。インスタグラムには、そのキャップをかぶった有名人がズラリです」(捜査関係者)

 オートレースにも入れあげていて昨年、女性オートレーサーとの結婚も話題になった鈴木圭一郎選手(26)のスポンサー的存在にもなっていた。

「鈴木選手のヘルメットには星野さんの会社の名前が入っています。鈴木選手の横断幕も作って飾っていました。オートレース場には星野さんのブランドを身につけた20人ぐらいの応援団が来たこともありました」(冒頭の知人)

 オートレース振興協会は、鈴木選手と容疑者夫妻の関係について、「プライバシーに属することはお答えできません。ノーコメント」と回答。

 ほかにも多くの有名人が星野容疑者のキャップをかぶっている姿が公開されているが、どんな関係だったのか?

 加藤茶(77)や仲本工事(79)が所属するイザワオフィスは、

「キャップをかぶるようになったきっかけや交際などはまったく聞いていないので、わかりません。金銭授受などはないと思います。もちろん、覚せい剤の取引も……」

 黒沢年雄(76)が所属するプロダクション・クロは、

「写真は(容疑者が)コンサートに来られて、物販を購入されたときに一緒に写ったもの。キャップ自体、持っていませんし、“交際や取引などはいっさいない”と本人は言っています」

 インスタでキャップをかぶる芸能人たちと並べて、黒沢もそのひとりと錯覚させるつもりだったのだろうか……。

 格闘家の角田信朗(59)の代理人である堀井亜生法律事務所は、「一切関知しないもの」との回答。

 容疑者夫妻の手口としては、有名人たちのインスタグラムのDM(ダイレクトメッセージ)を通じてキャップを送り、それを身につけた画像を自分たちのインスタにアップ。彼らが気に入っているように見せかけるものだった。

「写真を勝手に使用しているようです」

 ものまね芸人の原口あきまさ(45)が所属するケイダッシュステージは、

「(原口の)SNSへDMが届きましたが、直接の面識はいっさいありません。(金銭の授受や覚せい剤の取引も)一切ありません」

 misono(36)が業務提携をするフラリッシュエンタテインメントは、

「インスタのDMで連絡があって、帽子を2つ郵送してきました。知人やファンからのプレゼントととらえています。実際に会ったことは1度もなく、金品授受や覚せい剤もありません」

 マイケル富岡(59)が所属するアンソニープロモーションも、

「インスタで連絡してきたあと、帽子を2つ送ってきました。でも、その後はいっさい連絡をとっていませんので、金銭などのやりとりはありません。写真はマイケルがアップしているものを、勝手に使っているみたいです」

 河本準一(45)、堤下敦(43)、井上裕介(40)が所属する吉本興業は3人にヒアリングを行ったうえ、次のような回答だった。

「帽子などのアパレルグッズを提供しますというDMが送られてきたことがきっかけ」

「夫婦との個人的な付き合いは一切なく、やりとりはDMのみ。(金品や覚せい剤の授受は)ありません」

 誰とでも気軽に連絡がとれ、情報や画像を共有できるSNS時代ならではの方法を利用した星野容疑者夫妻。

 キャップの次は、クスリを持ちかける計画でもあったのだろうか──。