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82年前に図書館で借りた本が返却 延滞料金は約24万円だった可能性も(カナダ)

2021年02月03日 04:11  Techinsight Japan

Techinsight Japan

「1939年」と書かれた貸出カード(画像は『Cape Breton Regional Library 2021年1月27日付Instagram「A resident of Sydney recently made a surprising discovery in his home when he found a library book that was overdue」』のスクリーンショット)
このほどカナダの図書館で、82年前に貸し出された1冊の本が返却された。「ドリトル先生の冒険(The Adventures of Doctor Dolittle)」というタイトルのこの本が貸し出されたのは、1939年に遡る。延滞料金の制度はすでに廃止されているものの、仮に計算してみると約24万円になっていた可能性があるという。本を返却した人物は借りた本人ではなかったため現在、図書館は本人の家族と連絡が取れるか試みている。『CTV News Atlantic』などが伝えた。

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カナダのノバスコシア州シドニーにある民家で、82年前に図書館で借りたままになっている本が見つかった。発見者でミュージシャンとして活躍するジョーダン・ミュジシャンさん(Jordan Muscyscyn)は、当時の様子を次のように明かしている。

「築100年の我が家のバスルームに、シーリングファンを取り付けようと天井裏で1週間ほど作業していたんです。そこには断熱材があり、その下に何冊か本が置いてあることに気付きました。下に持っていって確認してみると、どれもかなり古い本でしたが、特に今回の本が一番古そうで目立っていましたね。その本には1939年と書かれた貸し出しカードが挟まっていたんです。」

この本が貸し出された1939年は、図書館の延滞料金の制度がちょうど廃止された年だったという。ジョーダンさんは「このことに気付いたときは面白いなと思いましたね。それと同時に、82年も延滞した料金なんて怖くて知りたくなかったので良かったと思います」と語る。


同州ケープブレトンにある地域図書館によると、この本は同地域のシドニーにある図書館から貸し出されたものだった。しかしこの図書館は1959年に火災によって約8万冊の本が焼失しまったそうで、現在は新しく立て直された図書館になっている。

火災の被害に遭わなかった本が見つかり、図書館のスタッフたちは「私達にとって本当に貴重な本です」と喜んでいるという。


同図書館のスタッフ、ニコル・マクギボンさん(Nicole McGibbon)は「82年前に貸し出されていた本を、今まで見たことがありませんよ。面白いのでもし延滞料金の制度があった場合、いくらになるのかをスタッフみんなで計算してみると、約3,000カナダドル(約24万円)になりました」と明かした。

今回の騒動をInstagramでシェアした同図書館はプライバシー保護のため借りた本人の名前を伏せたが、“1920年代生まれのV.M.さん”とだけ明かしており「心当たりがある人は連絡して欲しい」とInstagramで呼びかけている。

画像は『Cape Breton Regional Library 2021年1月27日付Instagram「A resident of Sydney recently made a surprising discovery in his home when he found a library book that was overdue」』『CTV News Atlantic 2021年1月28日付「「Only 82 years late, N.S. library welcomes back book as if it’s a long-lost treasure」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 iruy)