2021年02月02日 12:21 リアルサウンド
第42回吉川英治文学新人賞の候補作が発表された。
芦沢央『汚れた手をそこで拭かない』(文藝春秋)
加藤シゲアキ『オルタネート』(新潮社)
武田綾乃『愛されなくても別に』(講談社)
辻堂ゆめ『十の輪をくぐる』(小学館)
寺地はるな『水を縫う』(集英社)
野﨑まど『タイタン』(講談社)
同新人賞は、2020年1月1日から2020年12月31日までに新聞、雑誌、単行本等に優秀な作品を発表した作家の中から、最も将来性のある新人作家に贈呈される。
芦沢央(あしざわ・よう)は、『罪の余白』で第3回野性時代フロンティア文学賞を受賞しデビュー。候補作『汚れた手でそこを拭かない』は先日行われた第164回直木三十五賞にもノミネートされた。同賞へのノミネートは、短編集『許されようとは思いません』以来4年ぶり2度目となる。
加藤シゲアキ(かとう・しげあき)は、アイドルグループNEWSのメンバーとして活躍する一方で、作家活動を続ける。候補に選ばれた『オルタネート』は、第164回直木賞、2021年本屋大賞の候補作に選出されている。同賞へのノミネートは初。
武田綾乃(たけだ・あやの)は、2013年にデビュー後発表した『響け! ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部へようこそ』が京都アニメーションによりテレビアニメ化され注目を集めた。同賞へのノミネートは、『その日、朱音は空を飛んだ』以来2年ぶり2度目。
辻堂ゆめ(つじどう・ゆめ)は、学生時代に第13回『このミステリーがすごい!』大賞優秀賞を受賞しデビュー。同賞へのノミネートは、初めてとなる。
寺地はるな(てらち・はるな)は、2014年に『ビオレタ』で第4回ポプラ社小説新人賞を受賞しデビュー。2020年には『夜が暗いとは限らない』で第33回山本周五郎賞候補に。同賞へのノミネートは初。
野﨑まど(のざき・まど)は、第16回電撃小説大賞「メディアワークス文庫賞」の最初の受賞者である。今回候補に選ばれた『タイタン』は日本SF大賞候補作品にも選ばれている。同賞へのノミネートは初めて。
「吉川英治文学新人賞」は、過去に和田竜『村上海賊の娘』、辻村深月『ツナグ』、柳広司『ジョーカー・ゲーム』、佐藤多佳子『一瞬の風になれ』など、数々のエンタメ作品が受賞している。
第42回の受賞作発表は3月2日に予定されている。同時に、第6回吉川英治文庫賞、第55回吉川英治文学賞、第55回吉川英治文化賞の発表もあわせて行われる。