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火事に気付いた飼い猫、一家を救い自ら犠牲に 家族は「まだ迎えて1か月だった」(米)

2021年01月31日 22:02  Techinsight Japan

Techinsight Japan

火事を女児に知らせたものの、自らは犠牲になった猫(画像は『INFORUM 2021年1月28日付「10-year-old girl, kitten save Pembina County family from burning homes」』のスクリーンショット)
米ノースダコタ州で今月20日早朝、住宅が全焼する火災が発生した。火災にいち早く気付いたのは生後10か月の飼い猫“セージ(Sage)”で、一家は火が勢いを増す直前に逃げ切ることができたものの、セージは混乱の中で犠牲になってしまった。『INFORUM』『Metro』が伝えた。

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米ノースダコタ州クリスタルに住むキャシディ・ギャラウェイちゃん(Kassidee Gallaway)は20日午前6時頃、飼い猫“セージ”に顔を引っ搔かれて目を覚まし、家の中の様子がいつもと違うことに気付いた。

キャシディちゃんは「焦げたピザの匂いがしたの。部屋がものすごく熱くて、息をするのも苦しかったから部屋から出てみたら、家が燃えていたの。それで慌てて両親と弟を起こしにいったわ」と当時を振り返る。

キャシディちゃんの義父コーディ・セガーさん(Cody Saiger)によると、キャシディちゃんは家族3人を起こした後、一番先に玄関まで走って全員が揃うのを待ったという。そしてキャシディちゃんがドアを開けた瞬間、全ての窓が吹き飛び、家の中は一気に炎に包まれたそうだ。

コーディさんは「キャシディはドアを開けたら炎が燃え広がるということをきちんと覚えていて、私たちのことを待っていてくれました。逃げるのがもう少し遅かったら、きっと手遅れになっていたでしょうね。ただ火事を知らせてくれたセージは、キャシディから離れて犠牲になってしまったのです」と肩を落とした。


一方のキャシディちゃんは「正直、もう逃げきれないのではないかと考えていたの」と語っているが、母シャーロット・レイリーさん(Charlotte Reilly)は「あの子は落ち着いていたわ。私なんかよりもずっとね…」とパニックの中でもキャシディちゃんが冷静に対処していたことを明かしている。

またシャーロットさんは亡くなったセージについて「1か月前に我が家にやってきたばかりのメス猫で、週末に埋葬されました。こんな結果になってしまいましたが、今は『セージとたった1か月だけでも一緒に過ごせて良かった』と思うようにしています。セージはこれからは私たちの“ヒーロー”としてずっと心の中に生き続けるでしょう」と複雑な心境を吐露した。

なお消火にあたったフープル消防署(Hoople Fire Department)は火事から数日後、キャシディちゃんの落ち着いた行動や勇敢さを称えるとともに、セージの名前入りの消防隊のヘルメットを寄贈し、次のようなメッセージ付きのカードを送った。

「セージは私たち消防隊の一員です。家族を救った友人でありヒーローであるセージを、決して忘れないでください。」


ちなみに2016年には米ペンシルベニア州で、火事を知らせ家主の女性に覆いかぶさって命を救った犬が、米メリーランド州でも同年、生後8か月の赤ちゃんを炎から守った犬がヒーローとして称えられた。

画像は『INFORUM 2021年1月28日付「10-year-old girl, kitten save Pembina County family from burning home」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)