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復職後、"第一線の仕事"から外れてモチベーションが上がらない

2021年01月31日 10:41  マイナビニュース

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画像提供:マイナビニュース
●今回のモヤモヤ「第一線の仕事から外れ、モチベーションが保てない」
連載「ワーママのモヤモヤ整理します」は、託児付きランチサービス「ここるく」の経営者で、育休復帰・働き方改革のコンサルティングも手掛ける山下真実さんが、ワーママが抱えるモヤモヤに寄り添い、気持ちを整理していく企画です。

12回目となるモヤモヤ整理の相談者は、損保会社で代理店営業をしているみさきさん(30歳)。現在、2人目のお子さんの育休中ですが、春から戻る予定の職場でモチベーション高く働けるのか不安を感じているといます。
○今回の相談者さんのモヤモヤはこちら

「新卒からずっと働いてきた会社なので、"やりたい仕事ができないから転職したい"とは思っていません。今は踏ん張りどころだと自分に言い聞かせて、子育ての制約がなくなったときに第一線で活躍できるようがんばろう、と思っています。ただ、モチベーションが保てず困っています」とみさきさん。

同じようなモヤモヤを抱えているワーキングマザーの方、本当に多いと思いますが、このモヤモヤとどう向き合ったらいいでしょうか?

●山下さんからのアドバイスは……?
○山下さんからのアドバイスは……?

今まで関心の持てなかった仕事について学べるチャンス。サポート職でも、アグレッシブな業務で培ったスキルや着眼点を持っているみさきさんだからこそできる仕事が、必ずある。

山下さん: 「今は踏ん張りどころ、自分がやりたい仕事ができる日までがんばる」。これってとっても力強い言葉です。そんな風に思える人ばかりじゃないし、「いやだいやだ」しか目に入らなくなってしまって、現在の仕事を続けられなくなる人も多いので、その強い気持ちを応援していきたいなって率直に思いました。

もちろん産前のような仕事ができないことに対して、残念な気持ちはありますよね。ただ、業務内容は変わっても、「実際に人と会って話しながら、営業戦略を考えていく。自発的に行動していく」のが得意だからこそ、できる仕事は絶対にあります。

今の仕事は「どうサポートしてもらったら営業としてのパフォーマンスが出しやすいのか」「保守的な代理店さんがどういう思考回路で仕事をして、成果を出しているのか」を知るチャンス。みさきさんならではの着眼点で、今の仕事を腐らずにやれば必ず評価されるし、次のステップへ進むときに自分の意見が通りやすくなります。

みさきさん: "私ならではの着眼点を持って仕事を"と言う言葉にハッとしました。出産を経験しなければ、絶対に今のような仕事はしなかっただろうと思うと、今のポジションになったことにがっかりせずに済みそうです。

山下さん: “現状維持”の仕事をしている人には、見方を変えれば成果を継続的に出し続ける“いぶし銀の技”があるのかもしれませんから、そこを紐解いていけば、きっとみさきさんの糧になります。それは、嫌だなぁと思いながら目の前の仕事をしている人にはきっと持てない観点。"このポジションでがんばってみよう"と思えるからこそ、得られるものだと思います。

●前向きに仕事に取り組むために必要なこと
○前向きに仕事に取り組むために必要なこと

みさきさん: 一人目の育休から復帰した時は、毎日がいっぱいいっぱい。仕事に対するモチベーションが上がらず「今日も一日が始まる、嫌だなぁ」と思って毎日過ごしていました。でも振り返ってみると、迷うことなく目の前の仕事をがんばっていきたいと思っていた自分にびっくりしています。

山下さん: しんどいときもあるし、嫌だなぁって思いながら電車に乗って出勤する日もある。本当にそうですよね。でも株価と一緒で、一週間や三日ごとにやる気や成果の様子を追っていたら、疲れてしまいます。半年や一年スパンで振り返って、ちょっとでも上がっていればそれでOK。デイトレーダーではなく、バフェットのような気持ちで構えていましょうよ。

ただ、もし何年か働いていく中で「やっぱり全力投球で仕事をしたい」と気持ちが変わったら、それはそれで臨機応変に対応していけばいい。自分で自分の方向性に対して、自分にできることを粛々とやっていく。その覚悟だけ出来ていれば、みさきさんは今後もそんなにモヤモヤすることはないんじゃないかと思います。

みさきさん: 今年の春に復職予定なのですが、1年後の春、少しでも右肩上がりに成長していけるよう、がんばろうと思います、ありがとうございました!

○山下真実

株式会社ここるく 代表取締役・社会起業家・2児の母。
米国留学によるMBA取得、米系投資銀行・金融コンサルを経て、ママになったことをきっかけに子育て支援という全くの新領域へ。人気レストランから選べる託児付きランチサービス「ここるく」を2013年にスタート。サービスを通じて集まる働くママのインサイトと、MBA・コンサルで得た専門知識の両面から、ママ向けサービス開発や育休復帰・働き方改革コンサルティングなども手掛ける。『第14回女性起業家大賞』、三菱UFJ銀行主催『Rise Up Festa』最優秀賞受賞。

○比恵島由理子

イラストレーター、2児の母。早稲田大学を卒業後、一般企業に就職するもデザインの道を志し、東京デザイン専門学校で学ぶ。編集制作プロダクションで実用書を中心とした書籍編集・イラスト制作を経験した後に独立。現在はWebメディア向けに活動中。自身の出産体験や子育てについてnoteに掲載している。