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「私の900円を使って」家の購入のため小遣いを両親に渡した10歳娘 売主の心も動かす(豪)

2021年01月28日 23:02  Techinsight Japan

Techinsight Japan

10歳の娘が両親に書いた手紙と、11.75ドル分のコイン(画像は『Bec Touzel 2021年1月24日付Facebook「A bit of background:」』のスクリーンショット)
オーストラリア在住の2児の母が今月24日、親切な行いをシェアするFacebookグループ「The Kindness Pandemic」に、1枚の手紙とコイン約935円分の写真を投稿した。手紙は女性の10歳の娘が両親宛てに送った心温まるもので、『Straight News Online』などが紹介して拡散中だ。

オーストラリアで暮らすタウゼルさん(Touzel)一家は昨年1月、ニューサウスウェールズ州のシドニーから約450キロ西に位置するウォガウォガという町に越してきた。一家は「ゆくゆくは家を購入したい」と考えており、新しい土地に慣れるまでの1年間は家を借り、その間に家族4人にぴったりの家を探すことにした。

そうして数か月が過ぎた頃、ウォガウォガの町にも新型コロナウイルスの影響が押し寄せ、タウゼルさん一家の生活は一変した。夫婦は自宅で仕事をするようになり、なかなか家が決まらないまま時間ばかりが過ぎていった。

2児の母であるベックさん(Bec)は、難航していた家探しの様子をFacebookに次のように綴った。

「私たちが住む地域では、家の売り出し広告が出されるのは8~10日間だけです。家を見学し、申し込みをした先着順で契約が決まるため、私たちは10軒の家の申し込みをしたものの、全て先約がいて契約には至りませんでした。そのうちに賃貸の契約満了日が近づいてきて、家主は『あなたたちが退去したら家を売却します』と言うので、焦りばかりが募りました。」

「そんな時でした。今住んでいる家の通りに、素敵な家を見つけたのです。その家は私たちの予算を少しだけオーバーしていましたが、とにかく申込みだけすることにしました。」

「すると家探しに協力的だった10歳の娘が、『もしかしたら今回もダメなのではないか』と心配し、私たちに素敵な手紙を書いてくれました。さらに娘は『これを使って!』と、(10歳にとってはかなりの額である)11.75豪ドル(約935円)を私に渡してくれました。娘の気持ちが嬉しかった私は、家の申込みをする時、売主に娘の手紙とコインを渡したのです。」

その手紙には、

「親愛なるママとパパへ。

このお金はあなたたちのものよ。家を買うのに使ってね。必要なら他の物でもいいわよ。私には返さなくていいの。これはもうあなたたちのものなんだから。

愛をこめて。○○より。」

と黄色いペンで書かれ、ピンクのハートが描かれていた。

ベックさんによると、手紙とお金を受け取った売主はとても感動し、「実は私たちにも2人の娘がいてね。初めて家を買った時を思い出したよ」と告げると、一家が希望する価格で家を売ってくれたそうだ。

売主の優しさに心を打たれたベックさんは、投稿の最後にこう綴っている。

「私たちがこの美しい家に住むようになって1か月になります。売主が寛大な心で対応してくれたことを心から感謝しています。」

そしてこの投稿には、次のような温かいコメントが多数寄せられた。

「飼い主の優しさもそうだけど、娘さんの美しい心に感動したよ。」
「初めて購入した家で、素敵な思い出をいっぱい作ってね。」
「愛をいっぱい感じるよ。」
「10歳の女の子の気持ちが嬉しいね。」
「この子から学ぶことがたくさんあると思う。」
「ビジネスって結局は人と人とのやり取りなんだよね。こんな売主こそ大切にしたいね。」

画像は『Bec Touzel 2021年1月24日付Facebook「A bit of background:」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)