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カシオとアシックスがランニングの新サービス開始、ランニングフォームや課題をアプリで可視化

2021年01月27日 18:12  Fashionsnap.com

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カシオ計算機樫尾和宏社長、アシックス廣田康人社長 Image by: カシオ計算機
カシオ計算機とアシックスが、スポーツを通して健康で活気ある社会の実現を目指した共同事業を本格スタートさせた。第1弾としてランナー向けパーソナルコーチングサービス「ランメトリックス(Runmetrix)」を1月27日の今日から提供している。

 カシオ計算機とアシックスはスポーツやヘルスケアの分野で新事業を展開するため、2019年5月に提携を発表。カシオのセンシングやAIアルゴリズムによるIT技術と、アシックスのスポーツ工学の知見およびデータなどの両社の強みをいかし、スポーツ・ウエルネス領域におけるパーソナライズされたユーザー体験を提供する。
 ランメトリックスでは、専用のモーションセンサーを腰部分に装着して走ることで、腰の動きを高精度に測定。アシックススポーツ工学研究所のデータに基づいた独自のアルゴリズムによって、「左右非対称性」「スムーズな重心移動」「安定した姿勢」「動きの力強さ」など6つの項目からランニングフォームをスコア化し、特徴や課題を可視化する。専用のスマートフォンアプリでは、フォーム分析や適切なペース配分といったランニング時の注目ポイントをはじめ、中長期的な目標として筋力や柔軟性を高めるための「からだづくりプログラム」、全身持久力を向上させるための「ランニングプログラム」などのコンテンツを用意。3Dアニメーションを用いたランニングフォームのフィードバックや、日々のランニングデータを数値化することで設定した目標に対して、傾向分析とアドバイスを行い、ランナーのモチベーションの維持向上をサポートする。スマートフォンアプリは無料でダウンロードでき、オンラインでコーチからのアドバイスが受けられる有料オプションなどを展開。現在は、一部機能のみの先行リリースとなっている。

 モーションセンサーはGPS機能と9軸センサー搭載で、走行距離やペース、ピッチ、ストライドに加えて、体幹の傾き、骨盤の回転、接地衝撃などランニングフォームに関する指標を算出する。重量は約40gで、連続使用時間は約20時間。クリップによってワンタッチでランニングウェアに装着できる。また、GPS機能と心拍計を搭載した専用の「Gショック(G-SHOCK)」と連携することで、リアルタイムで心拍数やペース、移動距離などを表示するほか、フォームの乱れを検知して通知することも可能。1月28日に予約受付を開始し、3月4日から販売する。価格はモーションセンサーが税込1万4080円で、Gショックとのセットが5万7200円。このほか、ランメトリックの提供開始を記念して、ランニングシューズ「ノヴァブラスト(NOVABLAST)」からカシオとアシックスの両社のブランドイメージを表現したスペシャルカラーモデル(1万7000円/税別)を3月4日に発売する。
 サービス開始時は国内限定で運用し、将来的には海外での展開も計画している。5年後の2026年にはアプリのユーザー数500万人、有料オプションのみで年間100億円規模の売り上げを目指す。今年10月にはランメトリックスのセンサーや技術を活用したウオーキングの新サービス「ウォークメトリックス(Walkmetrix)」の導入を予定。なお、両社は同領域でのスピーディーな事業展開と拡大を目的に、2021年中に合弁会社設立を検討しているという。
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