F1のCEOを務めるステファノ・ドメニカリは、グランプリのプラットフォームの利点を“理解したいと強く望んでいる”新たなマニュファクチャラー数社とF1が、話し合いを行っていると述べている。
前回F1に参入、というよりも復帰した自動車メーカーは、2015年のホンダだ。一方ではルノーが2016年にロータスを買収してワークス参戦を決め、エンジンサプライヤーとしての存在感を高めていた。F1チームでは、今のところハースがグリッドに加わった最後のチームであり、2016年にF1での大きな冒険を始めた。
2021年はアストンマーティンが戦線に加わる。伝説的なイギリスのスポーツカーメーカーである同社は、会長のローレンス・ストロールが所有するF1チームにそのブランド力を与えることになる。
自動車産業における電動化へのパラダイムシフトは、メーカーがF1に参入する際の障壁として現れるかもしれない。しかしF1はその認知度とグローバルなプラットフォーム、そして2022年に新たな時代が始まることが約束されていることで、外部のメーカーの関心を引き続き集めているとドメニカリは述べている。
「自動車メーカーが今日抱えている最大の挑戦のひとつは、若さを感じることだと思う」とドメニカリは『Sky F1』のマーティン・ブランドルに語った。
「伝統的なOEM(Original Equipment Manufacturers)と、モビリティ側に入り込んできている新しいタイプのOEMとの間で争いのようになっている」
「だがOEMは、将来必要とされるかもしれない新鮮なイメージを作るために、このプラットフォームを活用できると私は考えている」
「私に言えるのは、他のメーカーと話し合いをしているということだ」
「今のところ、彼らは沈黙することを望んでいる。だが良いニュースとしては、非常に重要な複数の企業が、F1のプラットフォームを使用して得られるものの価値は何であるかということを理解したいと、強く考えているということだ。それは技術面だけではなく、F1が自動車メーカーにもたらすことのできる価値についてもだ」
F1は2022年より新しいテクニカルレギュレーションを導入するが、将来のパワーユニットの定義と、そのコストについては、2025年か2026年に導入される。これにより、外部のマニュファクチャラー候補の関心に大きな影響を与えることになりそうだ。
「F1のパワーユニットのコストは、今日かかるコストと同じにはなり得ない」
「エンジンついては大きな余裕を取るだろう。我々の予定のひとつとして、チームとOEMを巻き込んで、新しいエンジンをレギュレーションの定める時期に先駆けて着手することがある。こうしたことが確実にスケジュールに組み込まれるようにするつもりであり、我々にはそれが可能だと考えている」