"2021年の覇権アニメ"とも呼ばれる『PUI PUI モルカー』(テレビ東京系)。羊毛フェルトでできたモルモットのキャラクターのストップモーションアニメで、プイプイと鳴きながら行列で走行するなど、その愛らしさと不思議な世界観からネット上で人気を博している。
ブームを受けネット上では「モルモット飼いたい」という声が多く挙がる一方、「ちゃんと生態調べてから飼って欲しいよな」「無責任な人間にお迎えされて苦しい思いをするモルを増やさないで欲しい」といった心配の声も寄せられている。
「こっそり飼うことは難しい。鳴くのは本来可愛い点なんですけど」
小動物専門店Andy(千葉県八千代市)の担当者は、モルモットの特徴について「うさぎと違って声帯を持つので鳴きます」と話す。モルカーでも"声優"として実際のモルモットの鳴き声が使用されており、「プイプイ」と鳴く。しかし、時には緊急地震速報のような大声をあげることもある。
「モルモットは大声で鳴くこともあるので、こっそり飼うことは難しいですね。鳴くのは本来可愛い点なんですけどね」
そもそもペット禁止の物件だと、小動物でも違反になることもある。事前の確認が必要だ。ペット可の物件だとしても、病気になったときのことも考える必要がある。近くに小動物も対応している動物病院はあるかなど事前に調べておいたほうが賢明だろう。
また、飼い主側についても「モルモットのアレルギーになりやすいので、迎え入れる前に血液検査を受けることをおすすめしています」とも話す。
「責任を持って迎え入れてほしいです」
モルモットの魅力について、ペット専門店コジマの広報担当者は「鳴き声でコミュニケーションが取れるところですね」と話す。
「ごはんを食べたり興奮したりしている時は『キュイキュイ』と鳴きますし、モルカーの『プイプイ』は機嫌がいい時の声ですね。ほかにも『グルグル』と鳴くこともあります。モルモットは感情が豊かなんです。恐怖心の強い子が多いので、いきなり触らず、少しずつ距離を縮めていってください」
モルモットはトイレのしつけは難しいと言われているものの、「きれい好きのため習性である程度まとまった場所にするので、そこに合わせてトイレを設置する飼い主さんもいますね」とのことだ。
ただ、「飼いやすい」という基準でペットを迎え入れようとする人もいる。同店では、種類によって異なるがモルモットは1匹5000~2万円(ただしスキニーギニアピッグは3万円以上)、と比較的安価に購入できる。ケージやごはんなどの初期費用も約3万円程度だ。細かい温度管理が必要になるなど、飼育が難しい生き物でもないとした上で、
「個人的に、特に小動物は人間側が100%合わせないと飼えないと思っています。ペットと暮らすことは幸せなこととは思うのですが、『飼いやすいから』ではなく、責任を持って迎え入れてほしいです」
とコメントした。
昨今、アニメやドラマ、インフルエンサーなどの影響を受けて動物を飼う人もいる。一度飼うと決めたペットを生涯愛し続ける人もいるが、中には「ブームが去った」と安易に手放そうとする人もいる。
アニメは1クール3か月だが、ペットとなると年単位の付き合いになる。モルモットの寿命は4~8年。モルカーブームでモルモットの飼育を考えている人は、飼育環境や自身のライフスタイルと併せて考えるべきだろう。