働いている人の中には「もう辞めたい」と頭をよぎった経験のある人も多いだろう。パワハラやセクハラ、そして過労死などが社会問題化し、働き方改革の実施や各社社内制度の整備など働く環境は変わりつつある。
しかしまだまだ厳しい状況の会社も多くある。今回は会社をやめようと思った瞬間について、キャリコネニュース読者から寄せられた声を紹介する。(文:中島雄太)
「自分の思うように行かないと、嫌味を込めた言い方で注意される」
事務職で働く25歳の女性は、経理業務を行っている。女性が働く会社は、同族経営の小さな会社。「公私混同が酷く、また繁忙期に上層部からの強制参加の飲み会がある」と不満を募らせる。
それでも女性は働けるだけありがたいと、しばらく我慢をしながら働いていた。しかし、上司から告げられた言葉で女性は考えを変えた。
「決定的だったのは、『毎月何かしらの業務(監査や内部統制等)がある。それによって休日出勤となる可能性があるから、休日に予定は入れるな』と言われたことです。さらに『独身だから問題ないよね』と婚活をしていることを知っているのに、そう言われたことも不信感になりました」
女性は給与にも不満があったが、私生活にも関与されたことでより会社をやめたいと考えるようになった。
同じく事務職の30代女性も一族経営に頭を悩ませる。女性が働く会社には4人の従業員がいるが、女性以外の3人は家族だ。「自分の思うように行かないと、嫌味を込めた言い方で注意されるし、取引先に対しても傲慢な態度をとります」と告白する。
翌日の業務を考えて、30分ほど残業をしたところ、「無駄な残業代稼ぎをするな」と怒られたこともある。しかし、どうやっても残業が発生する仕事量だったため、女性は働いていられない、と退職を決意した。
「男尊女卑の考え方が一般化してしまった。雑用はすべて女性社員の仕事に」
事務職の40代女性はパワハラに悩み、辞めようと考えた。
「いまの職場には、男尊女卑の考え方をする男性社員がいます。雑用や掃除はすべて女性がやらされ、その間自分たちは談笑をしています」
女性は話し合いの場を設けようと、何度も話を持ちかけてみたものの取り合ってもらうことはできなかった。それどころか、
「他の男性社員がそれを見て、真似をするようになりました。そのため社内には女性を卑下する社員ばかりになり、最終的には女性からの意見は何も聞かないという会社になってしまいました」
という。仕事量も増える一方だったため、女性は退職を決意した。
技術職を担当する30代の男性は、劣悪な労働環境を語る。
「残業時間を含め、毎月360時間の労働でした。当然のように割増賃金が払われることもなく、肉体的にも精神的にも限界でした」
疲労も限界に達した男性は、通勤時に事故に遭ってしまった。「会社からは休業をするように告げられたので、その通りにすると、なぜか退職したことになっていました」と不当な解雇をされたと語る。
※キャリコネニュースでは引き続き「会社辞めよう」と思った瞬間や「テレワークで快適なこと・つらいこと」などのアンケートを実施しています。