中神は1979年広島県出身で、バンタンデザイン研究所のパターン科を卒業後にパタンナーとして萩島商事(現:アイア)に入社。3年後に渡英し、語学留学中に「ピーター イェンセン(Peter Jensen)」でインターンシップを経験した。帰国後は、リクルートの営業職として2年間勤務。2007年から2010年までは「サカイ(sacai)」のパタンナーを務め、2013年春夏シーズンに広島を拠点とした自身のブランド「ウェイ(Wei)」を立ち上げた。ブランド運営のノウハウを蓄積した約6年目の2019年春夏シーズンに、新ブランドとして自身の名前を冠したナカガミをスタート。現在ウェイでは、香取慎吾とスタイリストの祐真朋樹がディレクションを手掛けるショップ「ヤンチェ_オンテンバール(JANTJE_ONTEMBAAR)」とのコラボレーションアイテムのみを展開しており、ナカガミでコレクションを製作している。
年を重ねたことで1着の服を長く大切に着るようになったという中神自身の体験をもとにナカガミでは、メンテナンスをしながら経年変化を楽しめる服を展開。シグネチャーアイテムのプリーツスカートにはラバープリントが施されており、着用することでプリントがひび割れし、徐々に雰囲気が変化していくという。最新の2021年春夏コレクションでは、「PROTECT ME from the Big Brother」をテーマに掲げ、「AIによって管理される社会がくるのではないか」という恐怖心をカラーナンバーやバーコードなどのモチーフを用いてポップに表現した。価格帯はニットが2万9000~3万9000円、シャツが3万2000~4万2000円、ワンピースが3万5000~4万5000円、カットソーが1万2000~1万9000円、スカートが3万~3万1000円。中が三(ナカガミ)を表現したモチーフとして、ほとんどのアイテムには「三」の文字を四角で囲ったデザインがあしらわれている。