トップへ

JUVENILE×May'nがセッションアルバム『INTERWEAVE』コラボ曲誕生秘話を語る

2021年01月13日 18:02  マイナビニュース

マイナビニュース

画像提供:マイナビニュース
●今まででもっとも”一緒に作った”感が強くなった、「AWESOME」の裏側に迫る
RADIO FISH「PERFECT HUMAN」の作編曲をはじめ様々なアーティストに楽曲を提供する、DJ/アーティスト・音楽プロデューサーのJUVENILE(ジュブナイル)。昨年12月に☆Taku Takahashi、TeddyLoid、福山潤、藤森慎吾などのアーティストらを迎えた自身初のセッションアルバム『INTERWEAVE』をリリースした。

その中に収録された「AWESOME」をともに生み出したのが、アーティスト・May'n。これまで「恋しさと せつなさと 心強さと」カバーアレンジや「涙の海を東へ」の作曲など、もともと楽曲制作でも関わりをもっていたふたり。今回は、そんなふたりの交友関係や楽曲誕生秘話など、たっぷり語ってもらった。

○●元々は世に出ることを想定されていなかった「AWESOME」

――おふたりが制作のなかで一緒にやり取りをされたのは、最初のカバー楽曲のときですか?

May'n 最初はそうです。……あれ? でも会ったのはそれより前だっけ?

JUVENILE 「よろしくお願いします」みたいな挨拶ぐらいはあったと思うよ。「恋しさと せつなさと 心強さと」のカバーのときも、アレンジだけだったのでそんなにやり取りはなく。

May'n そうそう。特にあの曲は「ストリートファイター 30周年日本版テーマソング」としての公式カバーだったので、そのときは密なやり取りはそんなにない状況だったんです。

JUVENILE 今回の『INTERWEAVE』はめちゃくちゃ自由だったけど、あのときはつつがなくといったら変だけど、間違いはしちゃいけないというか。

May'n 逆に今回は、初めてジュブさん(=JUVENILE)と一緒に曲作りをさせてもらえたような感覚があって、同世代のアーティストとしてすごく刺激にもなりました。

――それ以前にも、お互いの曲を結構聴かれていたんでしょうか?

May'n はい。ジュブさんの作品を最初に認識したのはRADIO FISH。逆に、ジュブさんの存在を知ったあとで「えっ!? あのRADIO FISHの人だったんだ」みたいな感じで認識したんですよ。そのあともOOPARTZとして出された、いろんな曲も聴かせていただいています。

JUVENILE 僕は、結構初期に武道館のDVDをもらったのが最初で。名前だけはその前から知っていたんですけど、ちゃんと曲を聴かせてもらったのは、そのライブDVDが最初でした。今でこそ僕も速いテンポの曲も作るんですけど、最初の印象は「速いし声高いし、うまっ!」みたいなもので。

May'n あはは(笑)。

JUVENILE 今までの自分の音楽遍歴にあまりない音楽をやられていたので、すごく新鮮でしたね。

――今回タッグを組まれた「AWESOME」は、まさにJUVENILEさんのフィールドであるクラブミュージックです。

JUVENILE 元々、そういう系の曲も好きだという話をしていたんですよね。

May'n そう。まず「音楽の好み、めっちゃ合うね」みたいな話で盛り上がっていたんですよ。

JUVENILE それで、ごはんに行ったときに、普段好きな曲とかについての話をする機会がありまして。「今歌っている曲が嫌いとかじゃなくて、もし今やっているのとは違うような曲を歌うなら、どういうのをやる?」みたいな話もしたんですよ。それで、この曲みたいなディスコやファンク調のEDMも結構好きということだったので、やってみようとなって。

May'n ちょうどお互い時間のあるタイミングだったので「一緒に楽しい音楽作ってみようよ」みたいな話から作り始めたのが、「AWESOME」だったんです。だから私は、世にすぐ出るとは思わず(笑)。

JUVENILE アルバムに入れるなんて言ってなかったもんね。

May'n そう。私がDTMも勉強したくて「教えて」って言ったところから、遊びの延長みたいにベースを作っていった曲だから。

――いいですね。純粋なクリエイトの先にできた曲というか。

May'n そうそう。だから本当に「音楽作るって楽しい!」という気持ちがすごく込められているし、やっぱり元々は遊びのつもりだったので (笑)、今までに歌ったことのない感じの曲を作ってみたくて。「珍しい方向のものを見てみたい」という気持ちのなかの制作で、自分的にも新しくて面白いものになりました。

JUVENILE 僕、すごくやりやすかったです。アイデア自体を出すことは結構得意だと思っているんですけど、だからこそ決められないんですよね。「これもいいし、これもいいし……」となっちゃう。

――「どれを選んでも正解なんじゃないか?」と思ってしまいますよね。

JUVENILE そうなんです。でもMay'nちゃんはアイデアを出したら「こっちがいい」ってどんどん決めてくれるので、すごく楽なんですよね。方向が決まれば、またさらに新しいものを乗せていけばいいから。

May'n 私は選択が早いですね。人生の選択もすぐ決めるし(笑)。たしかに「あ、こっちいいじゃん!」みたいな感じでポンポン決まっていた気がする。

JUVENILE で、鍵盤でメロディ作ってすぐそのままラララみたいに歌って、ベースは2~3時間ぐらいでできたんですよ。元々制作が早い方ではあるんですけど、決めてくれたおかげで普段以上に早く完成しました。
○●心から自分の気持ちで歌えるうえに、バランス感覚も”今”に刺さる歌詞

――歌詞は今回、May'nさんがご一緒される機会の多い藤林聖子さんが手掛けられています。

JUVENILE アルバム全体を通して、実は恋愛から家族愛まで「LOVE」という「裏テーマ」があります。そのなかでMay'nちゃんの曲は、ベタベタした「誰が好き」というよりも、自分への愛。「誰になんと言われようと、私は私でいこうよ」みたいな像がいいよねというのは最初に話しました。でも逆に、それぐらいしか言ってないよね?

May'n うん。実は、もともと自分で歌詞を書きたかったんですけど、曲が上がって歌詞を作る段階で、ちょうどいろんな制作や舞台が重なってしまったので、他の方に書いていただくことになって。それで、「本当に心から自分の気持ちでうたえる歌って、自分以外なら誰が書いてくれるかな?」と考えたときに、絶対的信頼を置いている藤林さんがすぐ頭に浮かんだんですよ。

――出来上がりはいかがでしたか?

May'n 今の時代だからこそ歌えるというのもありますし、メッセージはすごく胸にぐっとくるけど、決して重くなければ説教臭くもない……というのが本当に素晴らしい。May'nっぽさも洋楽っぽさもある、すごくちょうどいいところの歌詞を書いていただけたように感じています。

――JUVENILEさんは歌詞の中に、お気に入りの部分はありますか?

JUVENILE 2番の「占い読み漁り 安心する夜もあるけど ほら次の日あたり 1行だって 思い出せない」ですね。次の日にはもう覚えてないっていうの、めっちゃあるなぁって(笑)。

May'n でもそれが、「占いなんて気にしちゃだめだよ」でもないのがまた素敵なんです。

JUVENILE そうそう。それで安心してもいいし忘れたっていいじゃん、っていうのがすごくよくて……バランス感覚が素晴らしいよね。「頑張ろうぜ!」とか「やろうぜ!」じゃなくて「ま、いいんじゃない?」みたいな「熱くないポジティブ」なところが、令和っぽいなと思います。

●高い歌唱力が実現させた、互いの”理想像”
○●クールさと生っぽさを両立させた、レコーディングの裏側

――それぞれレコーディングでポイントにされたことは?

May'n 今回の私はあくまでも「feat.May'n」だから、声の楽器としてジュブさんに温度感とかテンション感を委ねたいなという想いがあったんです。でもジュブさんはそういうことをあまり気にしていなくて、いつものMay'nの制作のような雰囲気で歌わせていただけたんですよね。「どっちがいい?」って聞いても、「May'nがいいほうでいい」みたいな感じだったよね?

JUVENILE うん。僕、基本アーティストさんには「聴いて、本人的にはどうですか?」って必ず聞くので。

――そもそもそういう作り方が、JUVENILEさんのスタイルだった。

JUVENILE はい。僕はRECの進行を手伝っているだけで、判断するのは基本的にボーカルの方だと考えています。気づいたことの提案はしますけど、直せとは言わずに「どう?」と聞く形なんです。

May'n それがすごく嬉しくて。もちろん新しいタイプの楽曲なので、ロックなMay'nっぽい歌い回しではないものにしたいという想いは前提としてはありましたけど、自分の頭から出てくる「だったらこう歌うかな」というクリエイティブなものをボーカルにも生かせたように感じています。あと私、ハモりがめちゃくちゃ多かったのは意外でした。

――逆にそういう部分には、意外さがあった。

May'n そうなんです。こういうEDM系の楽曲ってロックな曲と違って、生感をそんなに意識しなくても作れるんですよ。でも、生っぽさとEDMのクールな感じを融合させていたのがすごく新鮮で。「こんな録るんだ」とも思ったけど(笑)。

JUVENILE それはね、歌がうまいからだよ。

May'n ほんとですか?

JUVENILE 歌える人は、ハモを録ったほうが絶対いいんだよ。逆にAメロは、歌の他にはドラムとベースでルート感だけ出しているんですけど、それだけで歌が成立するのもボーカリストとしての実力があるから。これもやりたいことのひとつだったんですよ。しかも、だからこそそのあとに増えるハモも生かされて、2番に行ったらまたギュッとシンプルになって歌がよく聴ける……本当に、やりたかったことやれてよかったなぁ、と思いますよ。オケも薄いから、音も令和っぽいものにできたよね。

May'n うん。かなり今っぽい。

――ちなみに少し話は変わってしまうのですが、May'nさんはその他の収録曲は聴かれましたか?

May'n はい。なんだか私、同い年で一緒に焼肉に行く友だちみたいな印象がどんどん強くなっちゃっていたので(笑)、「やっぱこの人の音楽最高じゃん!」って。ジュブさんだと知らずに曲に惚れて選んだ「涙の海を東へ」のときに感じた、「悔しい!」という気持ちに近い感情になったんですよ。

JUVENILE 肉だけじゃなくて、仕事もちゃんとするから(笑)。

May'n 思わずそう感じちゃうぐらい、本当にかっこよかったですね。しかもどの曲もジュブさんとしての軸がありながらもとてもカラフルで。作家さんのアルバムにゲストボーカルが来ている作品に感じなかったぐらいにいろいろな曲が詰まった、不思議なアルバムだなという印象があるんです。その理由が、今日お話をさせていただいて納得しました。

――どんなところで?

May'n 「各ボーカリストに、いろいろ委ねているからこそなのかもな」っていうところです。もしかしたらジュブさんがひとりで「今回こういうアルバムにしたい」と掲げて、それぞれのボーカルがそこにめがけていっていたら、ここまでのカラフルさにはなっていないかもしれない。ジュブさんはコミュ力も高い方なので、いろんな方と各現場でコミュニケーションも詰めていったことでジュブさんのなかでのカラフルさを持ったアルバムになったんだろうなと思って……尊敬しました。
○●制作を通じて感じた面白さ 次回作もすぐにやりたい!

――2021年が始まって、まだ先が完全に見えた状況ではないかもしれませんが、活動の中でやっていきたいことを教えて下さい。

May'n やっぱりアーティストとしては、少しでも早くみなさんと一緒に生のライブを楽しみたいというのがいちばん大きいですね。今年1月から5カ月連続でのライブ開催が決定しているので、確実に皆さんに歌を届けられる機会があるんですけど。

――そのなかで「AWESOME」を歌うとしたら、どういうふうに見せたいですか?

May'n そうですね……この15年で本当にいろんなジャンルの曲を歌わせてもらったので、今回のライブは例えば「ポップな曲」とか「ダンスミュージック」みたいに、回ごとにジャンルを分けたものにしようと考えているんですけど……そもそも、歌っていいの?

JUVENILE もちろん。それはみなさんそう。だから、全員各々ライブをしたときに歌えるような曲を作ったんです。

May'n じゃあ……その中には「AWESOME」が合う月もあるので、そこで披露します。今決めました!

JUVENILE はははっ(笑)。

――許諾が下りましたからね(笑)。JUVENILEさんはいかがですか?

JUVENILE 『INTERWEAVE』はすごく満足のいく大好きなアルバムになりました。ただただ「いいアルバムを作りたい」という気持ちで完成させられたことがよかったなと思っていますし、自分でも「やっぱり曲、作りたいんだな」と感じましたね。それにこの作品を通じてジャケットや作詞の方も含めてたくさんのアーティストさんと関わったら、「これ、面白い!」と思っちゃったんです。だから次回作も、すぐにやりたいですね。

あと、「CDを出すときだけ派手にやって終わり」という今までみたいなやり方じゃなくて、例えばみんながこのCDを出したことを忘れかけたぐらいのタイミングでまたMVを出してみるとか、何回も思い出してもらえるような仕掛けができたら。ただ、それとは別にまた新しいものも作りたいので、そのときはまた……。

May'n うん。またぜひやりたいです!
○●JUVENILEアルバム『INTERWEAVE』

価格:2,800円(税抜)
販売形態:CD、ダウンロード、各種ストリーミング
・内容
1. INTERWEAVE
2. Into U feat. sheidA [JUVENILE & ☆Taku Takahashi]
3. Do Or Do Not feat. おかもとえみ
4. AWESOME feat. May'n
5. After Rain feat. claquepot [JUVENILE & TeddyLoid]
6. プレイボーイ feat. 藤森慎吾
7. パパだから feat. 中尾明慶
8. 可能我有病(SICKEN ME) feat. Teresa
9. 君と僕の記録 feat. 福山潤
10. Flashlight feat. 百合香

○●May'nリリース情報

15周年企画ミニアルバム『15Colors -soul tracks-』収録曲「I'm alright」のPastelによるリミックスバージョンが、各ダウンロード・サブスクリプションサイトにて、1月20日から配信開始

○●May'nライブ情報

May'n 15th Anniversary Monthly Concert「1 to 5 -POP-」開催
日程:1月23日
開演:18:00
配信プラットフォーム:イープラス/ZAIKO
・チケット価格
コンサート視聴券:3,900円(税込)
グッズ付き配信視聴券6,000円(税込)
※送料別、Streaming+のみ販売
メイキング映像視聴権付き視聴券6,500円(税込)
グッズ付き・メイキング映像視聴権付き視聴券8,500円(税込)
※送料別、Streaming+のみ販売
・チケット販売期間
Streaming+
1月15日10:00~1月29日21:00
ZAIKO
1月15日10:00~1月26日21:00(須永兼次)