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LiSA、「炎」「紅蓮華」で打ち立てる数々の記録 『レコ大』や『紅白』でもインパクト残した飛躍の2020年

2021年01月08日 12:01  リアルサウンド

リアルサウンド

LiSA

 「2020年、大きく飛躍したアーティストは?」と聞かれたとき、あなたは誰を思い浮かべるだろうか。デビューしたばかりの新人から、キャリアに関わらずアグレッシブに活動するアーティストまで、答えは人それぞれだと思うが、私が一番に思い浮かべたのはLiSAだった。


(関連:LiSA「炎」、勢い止まらぬ『鬼滅の刃』旋風でバイラルチャートも首位奪取 “炭治郎の瞳”を通して聴く者の心揺さぶる歌詞


 LiSAといえば、映画『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』の主題歌「炎」が大ヒット。2019年にリリースされたTVアニメ『鬼滅の刃』のオープニングテーマ「紅蓮華」も引き続き多くの人に聴かれている状況だ。


 まず、「炎」は2020年10月にリリースされるや否や、各種配信サイトのチャートで55冠を達成。また、同日にリリースされたアルバム『LEO-NiNE』と共に「オリコン週間シングルランキング」と「オリコン週間アルバムランキング」(2020年10月26日付)で1位を獲得。令和初の“W1位”に輝いたことでも話題になった。さらに「炎」は、12月29日に発表された「オリコン週間デジタルシングル(単曲)ランキング(2021年1月4日付)」で1位を獲得したことにより、同ランキングで12週連続の首位を獲得。これまでの連続最長記録は米津玄師「Lemon」の10週連続であり、12週連続で1位を獲るのは初の快挙だ。


 一方、「紅蓮華」は、日本レコード協会のストリーミング認定(2020年6月度)でミリオン認定(100万DL突破)を獲得して以降も勢いが止まることなく、「オリコン年間ランキング2020」の「デジタルシングル(単曲)ランキング」で1位を獲得。ちなみに同ランキングの2位は「炎」であり、「紅蓮華」と「炎」が1位と2位を独占した(参照:ORICON MUSIC)。同じアーティストが上位2位を独占しているというだけでもすごいが、「紅蓮華」が2019年リリースであること(=根強いファンは2019年時点で購入している可能性が高いため、新規リスナーの増加が窺える)、「炎」は2020年10月リリースでリリース~集計までに約3カ月しかなかったこと(=短い期間で爆発的にDLされたことが窺える)を踏まえると、よりインパクトのある結果に思える。


 もちろん数字が全てではないが、数字から読み取れることは確かにある。上記データから読み取れるのは、「紅蓮華」はリリースから1年以上経った今でも親しまれていること。また、「紅蓮華」という大きな存在に負けることなく、「炎」がLiSAの新たな代表曲として根付き始めていること。LiSAは、年末年始に『2020 FNS歌謡祭』(フジテレビ系)、『ミュージックステーション ウルトラSUPER LIVE2020』(テレビ朝日系)、 『CDTVライブ!ライブ!年越しスペシャル』(TBS系)……と多数の音楽番組に出演。番組を通じて「紅蓮華」や「炎」を届けることでリスナーの期待に応えた。そんななか、世の中からの期待値の高さを象徴する出来事があった。「炎」が『第62回 輝く!日本レコード大賞』(TBS系)で「日本レコード大賞」を受賞したのだ。『レコ大』では、大賞に輝いたアーティストのみが番組の最後にもう一度受賞曲を披露する。涙ながらに歌われた「炎」からは万感の想いが感じられた。


 そして12月31日には『第71回NHK紅白歌合戦』(NHK総合)に出演。“アニメ「鬼滅の刃」紅白SPメドレー”として、「紅蓮華」と「炎」を2曲続けて披露した。竹林のようなステージセットは『鬼滅の刃』の世界観を彷彿とさせる。


 1年ぶりに『紅白』に帰ってきたLiSA。司会の内村光良が「今年は日本中がこの歌を待ってますからね」「本当に紅白凱旋です」と言っていたように、もしかしたら、前年の段階では“アニソンシーンを牽引するアーティスト”というイメージが強かったかもしれないが、今やアニソンファンに限らず、様々な人が彼女の登場を待ち望んでいる。「紅蓮華」の力強い歌い出し、(歌詞に合わせて)震える左手に至るまで覇気を纏った表現に、前年からの進化を感じた人も多かったのでは。「炎」は、この日のために特別に編集された『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』の映像をバックに歌唱。映画のキーパーソン・煉󠄁獄杏寿郎の「胸を張って生きろ」「心を燃やせ」という台詞を受けてLiSAが歌い始める場面は特に印象的だった。「紅蓮華」は激しいアッパーチューン、「炎」はしっとりとしたバラードと曲調は大きく異なるが、両者の色をしっかり理解したうえで歌い分けるLiSAの歌により、彼女の表現力の幅広さが伝わったことだろう。演奏終了後、SNSでは「感動をありがとう」「鳥肌が止まらない」といった声が溢れた。なお、曲間では衣装の早着替えも。オンラインライブ『ONLiNE LEO-NiNE』で培われたチームの連携が光る。


 飛躍の2020年を経て、2021年のLiSAがどんな活動をしていくのかが楽しみだ。1月13日には早速ニューシングル『dawn』がリリースされるため、まずはこちらを心待ちにしていたい。さらに4月20日にはソロデビュー10周年を迎える。アニバーサリーを彩る新たな発表にも期待したいところだ。(蜂須賀ちなみ)