「働けるだけありがたい」巷ではそんな声も囁かれるが、就職してもすぐに退職する人もいる。退職理由は「残業が多い」「聞いていた業務内容と違う」「激務だった」などさまざまだ。
三重県の30代の女性は、百貨店のテナントに入っているカフェにアルバイトで入社をした。そこで女性を待っていたのは、求人票とはちがう条件やお局問題など、働くには厳しすぎる現実だった。(文:中島雄太)
「性格のきついお局に遭遇。毎日怒られながら働くことに」
女性が入社したカフェは、県内でも評判の良い百貨店に入るおしゃれなカフェ。意気揚々と初出社をすると、先輩社員から「私、はっきり物言うからね」と自信満々の顔で告げられた。その女性は長年勤務を続けている、いわゆるお局だった。メニューの確認をしたら「何回も聞くな」と怒られた。「どこの職場にもいるから我慢しよう」と女性は考えたが、試練はそれだけではなかった。
女性が勤めていたカフェは、百貨店のテナントとして入っている店舗のため、百貨店側の規則が強かった。カフェの面接に合格しても百貨店の研修に参加し、試験に合格しないとクビにされるということを入社後に知らされたという。
「入社3ヶ月後に試験がおこなわれ、それまでどれだけ頑張っていても、その試験に合格できなければ即退職でした」
さらにその後も災難は続く。初日に一通り説明を受けた後、経験者だからとホールを一人で任された。
「基本的にはすべての業務をひとりでやらされました。そのため片付けも追いつかず、片付いていないのにお客様が入ってきてしまう始末。限界でした」
女性は結局、2週間で退職。現在は別のアルバイトをしている。以前の職場の前を通る機会があった際、中を見てみると、お局も含む、知り合いの従業員すべていなくなっていたそうだ。
「国関係の仕事だから詳細は伝えられない」といわれ入社してみると……
神奈川県に住む50代の女性は、コールセンターで働くことを決めた。
「入社前は『国関係の仕事だから詳細は伝えられない』と言われていました。でも国関係なら安心だろうと思いました」
と語る。しかし入社日に女性に渡されたマニュアルは、数100ページにも渡る膨大なもので、具体的な説明もされなかったという。
「問い合わせがあったときには、この資料の中から該当するものを探さなければいけません。研修は一日だけありましたが、マニュアルについての説明はありませんでした」
女性は電話がなるたびに必死でマニュアルをめくり、対応を進めていた。
「マニュアルから該当箇所を探すのに時間がかかり、入電者を待たせてしまうことも多くありました。先輩社員に聞いても、人により言うことがちがいました。結局入電者を待たせることになり、怒られてばかりでした」
女性はこのままでは精神的に病んでしまうと感じ、3日で退職。しかし後悔はなく、「辞めてよかったです。実際に精神的に病んでしまう人もいるとのことなので、それを避けられただけ良かったと思います」と語った。
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