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『逃げ恥』海野つなみが語る、現実の“曖昧さ” 「2人は子どもがいない夫婦になる選択肢もあった」

2021年01月06日 08:01  リアルサウンド

リアルサウンド

『逃げるは恥だが役に立つ』11巻

 2016年に連続ドラマで放送され、「恋ダンス」が社会現象となるほど人気を集めたドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』(TBS系※以下、『逃げ恥』)。ファン待望の続編となる新春スペシャルドラマが1月2日に放送され、日本中を再び沸かせた。


 サブタイトルに「ガンバレ人類!」とついた本作は、原作漫画のストーリーに沿って、みくり(新垣結衣)と平匡(星野源)がママとパパに。出産、育児に伴う夫婦や会社、社会に対して様々な気づき、違和感を顕在化させ、お正月から日本中を「異論!反論!オブジェクション!!」状態へと誘う。


 さらに、ドラマオリジナルの展開として2020年の混乱も描かれ、変わりゆく社会に懸命に適応していく登場人物たちの姿が多くの人の心を打った。まだまだ混乱の続く2021年だが、明るく生きていこうという前向きな気持ちを貰える作品となったのではないだろうか。


 連続ドラマの最終回同様に『逃げ恥』ロスが叫ばれる中、今回は原作を手掛けた海野つなみ先生にインタビューを実施。スペシャルドラマが制作されるまでの背景、改めて『逃げ恥』に対する想いについて聞いた。(佐藤結衣)


関連:【画像】10巻の表紙はみくりと平匡


■映像化を見据えて描かれた、みくり&平匡の出産


――今回のスペシャルドラマは、原作漫画の10、11巻がベースになっていましたが、コミックのあとがきを改めて見てみると、脚本家の野木亜紀子さんの後押しがあったと書かれていましたね。


海野つなみ(以下、海野):実は、最初の連載が終わったあとに、TBSさんから「いつか続編をやりたいと思っている」というお話をいただいていたんです。もうドラマチームのみなさんのことを信頼していましたし「どうぞどうぞ、お好きにやってください」とお任せの気持ちでいたんですけれど、「原作も続きを描いてみては?」という流れになりまして。ドラマと原作で終わり方も異なっていましたし、辻褄が合わなくなってしまう部分もあるからどうしたもんかと思っていました。そのとき、野木さんと個人的にランチをする機会がありまして。「実はこんなことになってて。もう小説で書いたほうがいいかと考えてるんです」って話したら、「海野先生に小説求めてないですから! やっぱりみんな漫画が読みたいはずですよ」って(笑)。「そうよねー」って描き始めたのが、10巻以降です。


――それはまたバッサリと(笑)。


海野:「辻褄が合っていない部分は、任せてくれたら私がなんとでもするから」と言われて。そこで続編を描く覚悟が決まったんです。


――しびれるセリフですね。では、最初から映像化を視野に入れていたということでしょうか?


海野:そうです。当初はいろいろな計画もあって、最初の妄想シーンがミュージカルなんですよ。『ラ・ラ・ランド』のテンテンテンテテン(「Another day of sun」のイントロの鼻歌)って、ドラムみたいなのを叩く感じで、チャラン・ポ・ランタンが出てきて、源さんが歌って、ガッキーが踊って……っていう演出まで考えて描きました(笑)。


――それはぜひ見たかったです!


海野:ふふふ。なので、最初から長く連載するつもりはなかったんです。じゃあ、どの程度描こうかと考えていたとき、TBSの方から「子どもを抱いたビジュアルはありですか」という声をいただいて。ならば、妊娠してから生まれるまでの1年間を追っていく形にしていくことになりました。そこでいろんな諸問題を描けるし、と。でも、迷うところもあって……。


――どのようなところでしょうか?


海野:みくりちゃんと平匡さんは、子どもがいない夫婦になる選択肢もあるかなと思ったんです。もともと前の連載ではそこまで決めていなかったので。それこそいろんな形があってもいいよなと。


――たしかに、あの2人ならいろいろな可能性を感じます。


海野:一方で結婚後の生活ってなると、本当にそれぞれになってしまうので、逆に出産という大きなイベントをメインテーマにすることで、より多くの人が共通して感じているものを描けるのではないかと思いました。


――原作はコロナ禍直前で完結していますが、今回のスペシャルドラマではその部分がオリジナルで描かれていましたね。


海野:社会の状況を考慮して、スペシャルドラマでいこうということになったとき、「今の状況を入れてほしい」と私からお願いしました。ドラマはリアルタイムで見ている人が多いですし、私自身あと半年連載の予定が長かったら、きっとコロナ禍のエピソードは描いていたと思いまして。


――そうだったんですね。具体的な話の流れは一緒に考えられたのでしょうか?


海野:いえ、もともと最初のドラマ化のときからお任せしていたので。野木さんをはじめ、みなさんを信頼して作品ができあがるのを楽しみにしていました。


■未知の世界への理解が、漫画で少しでも広がってくれたら


――海野先生は結末を確定せずにストーリーを描き、時にはご自身でも驚くような展開になっていくことがあるとお聞きしましたが、今回の続編でもそうした場面はありましたか?


海野:もう少し平匡さんに女性の影というか、結構魅力的だっていう人が多いので、作品の中でもそれを反映しておきたいなと考えていましたが、思っていたよりもそっちに話が転がらなくて……その代わりに同僚の北見くんの非モテっぷりにスポットライトが当たる結果になったのは、自分でも予想外でした。


――男性間のマッチョなコミュニケーションを嫌悪しながらも、一番その「男とはこう」というものにこだわっている部分が「いるいる!」と思いました。


海野:「男の呪い」は続編で描きたかったテーマの一つでしたが、やっぱり結婚するまでの間に、平匡さんの呪いは徐々に解けていったんですよね。そういう意味では、平匡さんよりも現在進行形で男の呪いを背負っているのが北見くんでした。連載当初の百合ちゃんと同じで、最初はそんなに注目を集めるキャラクターとは思っていたかったんですけど、最終的に彼が男の闇部分を背負って沼田会に乗り込むっていう展開になってしまいました。


――北見くんのキャラクターは、どなたかモデルになった方や聞いたエピソードなどはあったのでしょうか?


海野:特定の誰かというモデルはいませんが、いろいろと取材をしたり、ネットでの話を集めていくうちに出来上がっていきました。ハッピーエンドよりもリアルな物語を期待している読者の方には、北見くんの話が一番共感できるという声もありましたね。


――みくりちゃんと百合ちゃんの間の世代である、雨山さんの存在もとても興味深く思いました。


海野:やっぱりみくりちゃんや百合ちゃんのように強くはなれない人も、ちゃんと描いておかないとと思ったんです。ハラスメントのようなことを言われても「ハハハッ」って言うしかない状況にいる人、結婚したいけれど自分をどう持っていけばいいのかわからない人。


――出産までのタイムリミットが近づいている焦りを感じている中で、平匡さんの魅力に気づくも既婚者……という流れは絶妙でした。


海野:平匡さんは、みくりとの出会いを通じて女性としゃべることに抵抗がなくなっていきましたからね。それに独身のときは「今のってもしかして意味深?」「恋愛が始まるかも?」という自意識過剰に陥りがちですが、結婚してからはそういうのを抜きに同僚として接することができるので楽になっている。そこから生まれる余裕が、独身女性からはむしろ魅力的に見えるのかもしれないと思って。


――なるほど。個人的には百合ちゃんの病に心が痛くなりました。仕事に生きがいを持つ幸せを選んだ女性にとって、一番恐れている展開じゃないかと。


海野:以前、私自身が病気を患ったときに「実は私も病気持ちで」「婦人科に定期的に通ってる」……と、普段は言わないけれど、みんな情報をすごく開示して教えてくれたのが印象的で。「この年代になると、そういうのって珍しいことじゃないよ」って、言葉がすごく心強かったんですよね。だから、百合ちゃんの病気を描くことで、読者の方にも「普通によくあることだ」と心構えになったらいいなという思いがありました。


――海野先生は以前から「フィクションで疑似体験することで、現実で慌てることなく受け入れやすくなったら嬉しい」というお話をされていて、すごく印象に残っています。続編では出産や病気など、その場にならないとわからないこと、知ろうと思っていなかったことをザッとではありますが、どこか経験したような気持ちになりました。


海野:私自身も実際に経験していないのですが、描きながらすごく調べたし、いろいろな人を取材したりブログを読んだりして、本当に出産したような気持ちになりました。子どもは産んではいない方も、出産することのない男性にも、漫画を読むことによって、「こんな感じなのか」「ふーん」って少しでも理解が広がってくれたら嬉しいですね。


――今回スペシャルドラマでも描かれた百合ちゃんの同級生・伊吹さんがレズビアンであることをカミングアウトしましたね。沼田さん然り、セクシャルマイノリティと呼ばれる人たちも特別な存在ではなくて、ごく普通にいるんだと思わせてくれる描写でした。


海野:彼女を描くにあたって、実際に私の知り合いの方にレズビアンのカップルを紹介していただいて、いろいろとお話をお聞きしました。最初から同性が好きな子だけじゃなく、男の子にも女の子にも心が揺らぐ、みたいな子が同じクラスや隣の席にいるかもしれないという感覚になったので、その気持ちが崩れないように描きたいなと思いました。だいたい男と女の性自体がグラデーションというか、曖昧なものだなとか、いろいろ考えましたね。昔『Kiss』で、六花チヨ先生が描かれた『IS ~男でも女でもない性~』っていう作品があったんですけど。それは男性と女性の身体的特徴を両方とも持ってて、どっちにも心を揺らぐっていうお話で。実際そういう方を取材された漫画だったんですけど、私自身そうした作品を読んで、現実って曖昧だなっていう考えを持つことができたので、漫画やドラマを通じてもっと柔軟に生きられる世の中になったらいいなと思っています。


■笑える愚痴と笑えない悪口、そのラインから話せる“繋がり”を


――百合ちゃんや平匡さんを見ていて、自己責任の強い人達こそピンチのときに「周りに甘えられない」、「誰を頼ったらいいかわからない」というのも、個人を尊重する時代ならではの新しい呪いのように感じました。それを打破するヒントとして、沼田会や愚痴の採点などユニークなアイデアがありましたね。


海野:沼田会については、スペシャルドラマでは野木さんがオンラインにしていたのは、「なるほどなー」と思いました。どんな形であれ大事なのはこういう“繋がり”だよな、と。


――愚痴の採点は、どこから浮かんだアイデアでしたか?


海野:愚痴って人によってその深刻度がまちまちじゃないですか。大層なこととして話しているけど、実はそんなに重くなかったり、逆に「大丈夫」って言ってるけどすごくしんどい内容だったり。聞いている方はわからないし、受け取ったまま接していると、あとから温度差があることに気づいて「あわわ……」みたいなことがあるので、点数で「どのくらいだよ」って言ってくれたら、コミュニケーションにズレがなくなるんじゃないかなと思ったんですよね。 「今週の愚痴、ベスト・ワンはジャジャジャジャン!」みたいな感じで発表できたら、笑えるかなって。


――ポップに共有できたら、例え嫌なことがあっても「いいネタ掴んだぞ!」って、楽観的な気持ちになれる気がしますね。


海野:楽しくなりますよね。実際、学生時代にそれに近いことがあって。いつもイヤなことを言ってくる人がいたんですけど、最初はダメージを受ける一方だったんですが、気のおけない友だちと「こんなこと言われたよ」って吐き出せるようになったら、「うわ、またイヤなこと言ってきた。これはひどい! 心にメモメモ!」って面白くなってきたんですよ。


――むしろ「レベル5を期待していたのに、今日は4で終わったー」みたいな謎の落胆がありそうですね(笑)。


海野:そうそう! もっと言うかと思ったのにーって。何を期待しているんだってね。そういう意味では、自分の中で勝手に楽しくなるように工夫はできるかもしれない。


――それを共有して笑える“繋がり”がやっぱり大事ですね。北見くんの愚痴は単なる悪口で終わってしまいましたし。悪口で終わるか、ちょっと笑いのネタになるかみたいなのは、すごく難しいなっていつも思います。


海野:そうなんですよね。聞いてる方が愛想笑いしているけど、「この人悪口ばっかりで疲れる」みたいなこともありますからね。それこそ、いじりの文化とかと一緒で、そのいじりによって悩みが解消することもあれば、いつまでも心に残って「嫌だな嫌だな」みたいなのもあるので、本当難しいですよね、コミュニケーションは。


――なので沼田会のように、フラットに「今のはやばい」みたいなのを言い合える空間は、理想だと思いました。


海野:それぞれが遠慮なく「いや、今のはセーフ」「じゃあ、このラインまではOKってことで」って確認し合えたらいいですよね。一方的に誰かの尺度で判断されるんじゃなくて、それぞれが基準をアップデートしていくみたいな。日本ではそういうディベートは慣れていないですし、ジャッジメントだけが残って「切る」「切らない」みたいな感じになりがちですからね。もっと曖昧なコミュニティで繋がれたらいいなと思います。


■複雑な味を楽しめる、女性漫画を描いていきたい


――少女漫画と言えば現実逃避のようなイメージを持つ方が少なくないと思いますが、『逃げ恥』は現実を疑似体験できるリアリティがあります。描く上で意識していることはありますか?


海野:漫画を描いていても「好き」とか「ときめき」とか描いてしまえば、わかりやすくて、読んでいる人にも伝わりやすいかもしれないんですけど。個人的にもっと複雑に描きたいという気持ちがあるんですよね。例えば、甘さもただ「甘い」だけじゃなくて、甘さの奥にある苦味とか酸味とか香りとかがあるんですよね。そこにその人なりのこだわりとか、なんだかわかんないけど他の「甘い」より美味しく感じるとかあるんじゃないかなって。


――そうですね。『逃げ恥』のドラマもムズキュン展開で多くの人を魅了しましたが、その奥にあるコミュニケーションの難しさを考えるきっかけにもなりました。


海野:「キュン」もそうだし、恋愛要素も、笑いも、シンプルに楽しいと感じるその根底にある複雑な面白さがわかる人には伝わったらいいなって思っています。「キュン」と呼ばれるもののなかには、すごく繊細な心の動きがいくつもあるはずなんですよ。今は心の琴線に触れることを全部「キュン」と言っているところがあるかもしれません。


――「キュン」の因数分解をしたくなります。最近、そうした心の動きはありましたか?


海野:私は、かわいい動物を見たときに「キュン」に近い感覚になりましたね。そのときの感情を、別の言葉にするなら「ッ!」って「息が止まる」かなと思います。ちなみに、私の担当編集さんは「動悸がする」って言ってましたね(笑)。


――それはいいですね。トクントクンか、バクバクか、そのあたりでもまた細かく表現ができそうです。


海野:少女漫画は基本的に学生時代のものがメインではありましたけれど、人生はやっぱり学生時代以降が長いので。制服を着なくなった先も、一緒に成長していける漫画があったらいいなと思っています。最近は、男女の恋愛だけじゃない愛情のあり方みたいなものを主題にした作品も多く生まれているので、女性漫画の世界はこれから広がっていくんじゃないでしょうか。


――でも、『逃げ恥』で様々な立場にいるキャラクターについて詳細に描いたことで、「これはどう思いますか?」と専門家のように聞かれることが多くなったと描かれていましたね。


海野:「私、そこらの一般人です。毎回調べまくって描いているだけです」って。だから識者みたいに見られると困っちゃうなっていうのは、正直なところです。


――それだけ調査がしっかりされているという信頼感からだと思いますが。


海野:だから、『逃げ恥』を描くのは本当に大変なんです。「それは少し古い情報ですよ」「これはこの地方だけが適用される法律ですよ」みたいな結果になることも多くて、逆を言えば、それだけ複雑な情報をみんな妊娠がわかってから、調べていくんだと思うと、大変だなって。


――そういう意味では「育児休暇=試行と実践と訓練の期間だ」と描かれていたのは目から鱗が落ちました。たしかに、職場で新しいポジションやミッションに移行したら研修期間のようなものがあるのだから、妊娠・出産にもそうあるべきだと。休暇ではないってことですよね。


海野:休暇ってつけると、のんびり過ごすイメージがありますが、トライ&エラーの期間ですからね。「育休の間に本をたくさん読むぞ」なんて男性がいて、研修期間だと思うと「いやいやいや、本業!」ってなりますよね(笑)。


――『逃げ恥』の、さらなる続編の構想はありますか?


海野:ありがたいことに、みなさんからは「子どもが成長した姿を見たい」みたいな声をたくさんいただき、TBSさんからも「長期シリーズにしましょう」というお話もありましたが、一旦は「無理です~」ってお話しているんです。子育てはもう人によって本当に違いますし、「私はこうです」「こっちの地方ではこうです」というズレが生まれやすい。背負うものが重くなっちゃったので、これ以上は健康と引き換えに描かねばならないなと……。


――ファンとしてはずっと読み続けたいという思いもありますが、そこは海野先生の健康が第一です。


海野:たぶん、もうみなさんの中に「こういう状況だったらみくりちゃんたちはこうしていくんじゃないか」みたいなものが根付いているんじゃないかと思うんです。物語ってそういうものじゃないですか。自分が好きになったキャラクターたちは、連載が終わっても自分の横でいつも一緒に体験をしてくれて、凹んだときには「あの人ならこう言ってくれるだろう」って思える。そういう存在になってくれたら嬉しいなと思います。


――『逃げ恥』に限らず、今後描きたい作品のテーマはありますか?


海野:そうですね。さっきお話ししたことに通じるんですが、恋愛だけではない、いろんな形の愛情を描く作品を描いていきたいですね。同性同士の繋がりでも、人間以外のものでも、愛情って世の中にたくさんあって、恋愛がないと幸せに生きられないわけではないので。いろいろな形の愛情の物語を描けたらいいなと思っています。


――そうですね。愛情と健康が大切ですね。


海野:楽しみを見つけながら、みんなで健康で生きましょうね。私は、とりあえず三谷幸喜さんの大河ドラマを見届けるまでは生きようと決めたので(笑)。あれを見るまでは、あれを食べるまでは、あの人と会うまでは……そうした楽しみを胸にみんな穏やかに生きましょうねって思います。それがないと日々の繰り返しになって辛くなりやすいので。自分が幸せかどうかは、自分が決めるもの。「これがあれば幸せ」を見つけながら、2021年を過ごしていけたらなと思います。


■海野つなみ(うみの・つなみ)
兵庫県出身。1989年、『お月様にお願い』でデビュー。代表作は『Kissの事情』、『デイジー・ラック』、『回転銀河』、『逃げるは恥だが役に立つ』など。2015年、『逃げるは恥だが役に立つ』で第39回講談社漫画賞(少女部門)を受賞。同作は2016年、TBSでドラマ化されて大ヒットした。


(取材・文=佐藤結衣)