そもそも「eVTOL」とは電動(electric)かつ垂直離着陸(VTOL:Vertical Take-Off and Landing)の機能を持つ小型の航空機の名称だ。世間で言われている小型のドローンと、一般的な航空機の中間にあたる機体と言われており、ドローンよりも大きな荷物が複数個運べることや、ヘリコプターよりも短い距離を静かで安全に飛ばせることなどが特徴という。そして、eVTOLに接合して荷物を空輸できるのが貨物ポッド「PUPA」(ピューパ、Pod Unit for Parcel Air-transportation)。PUPAは英語で「サナギ」を意味し、陸路と空路の輸送をつなぐ存在としての意味が込められているという。
航空、陸上両方の輸送に適応YHDが開発する「PUPA8801」は、PUPAの一機種で、シリーズ中最大の搭載可能重量(約400キログラム)を持つ機体だ。課題として、航空/陸上輸送間の切り替えを合理化するために、航空輸送と陸上輸送それぞれの要求を同時に満たす空力形状が求められていた。具体的には、航空輸送では物流eVTOLとしての高い空力特性を、陸上輸送では標準パレットなどの既存の陸送ユニットと共存する直方体に近い形状が必要となる。