トップへ

IMSAとGT500で“三冠”。スポーツカーレースの『マニュファクチャラー・オブ・ザ・イヤー』にホンダ選出/米メディア

2020年12月28日 16:41  AUTOSPORT web

AUTOSPORT web

IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権のDPiクラスを制したアキュラ
オートスポーツwebが提携するアメリカのスポーツカーレース・ニュースサイト『Sportscar365』が、年末のシーズンレビュー企画として2020年の『マニュファクチャラー・オブ・ザ・イヤー』を選出・発表している。

 アメリカのみならず、ヨーロッパ、アジアなど全世界のスポーツプロトタイプ/GTカーによるレースを幅広く扱う同サイトは年末に際し、この他にもスーパーGT最終戦も次点に選出された『レース・オブ・ザ・イヤー』や、『チーム・オブ・ザ・イヤー』などを独自にセレクトしている。

 2020年の『マニュファクチャラー・オブ・ザ・イヤー』では、大賞としてホンダ(/アキュラ)が選ばれた。また、日本メーカーとしては次点にトヨタの名前も挙げられている。以下、Sportscar365の当該記事から掲載する。

************************

■2020マニュファクチャラー・オブ・ザ・イヤー:ホンダ/アキュラ

 日本、そして北米におけるアキュラとしてのオペレーションにおいて、ホンダは2020年、クラス1、GT3、そしてプロトタイプマシンでスポーツカーレースのタイトルを獲得した。

 アメリカでは、IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権のDPiクラスにエントリーするアキュラARX-05でチーム・ペンスキーがDPiのタイトルを、NSX GT3 Evoでマイヤー・シャンク・レーシング(MSR)がGTDのタイトルを獲得し、HPD(ホンダ・パフォーマンス・デベロップメント)は引き続きこの地域での恐るべき勢力を維持した。

 リッキー・テイラーとエリオ・カストロネベスは最高峰プロトタイプクラスとなるDPiでのタイトル獲得となり、一方GTDでタイトルを獲得したマリオ・ファーンバッハーと彼の新たなフルシーズン・パートナーであるマット・マクマリーは、4年間にわたったMSRのアキュラNSX GT3における有終の美を飾った。MSRは2021年、ペンスキーに代わってARX-05をDPiクラスで走らせることが決まっている。

 アメリカにおける3つ目のタイトルは、レーサーズ・エッジ・モータースポーツによってもたらされた。シェルビー・ブラックストックと、ファーンバッハーの以前のIMSAでのチームメイトであるトレント・ハインドマンが、GTワールドチャレンジ・アメリカを制したのだ。

 日本においては、精彩を欠いた2019年シーズンを経て、チーム・クニミツの山本尚貴と牧野任祐がスーパーGT・GT500クラスで戴冠を果たした。

 GT500カテゴリーでは2020年、クラス1レギュレーションの採用によって、ホンダはNSX-GTをフロントエンジン化した。このNSX-GTはシーズン8戦のうち、半分のレースで勝利を挙げた。

 GT3レースに戻ると、ホンダはインターコンチネンタルGTチャレンジ(IGTC)における最初のフルシーズンを、イタリアのJASモータースポーツが1台のマシンで戦った。

 ファーンバッハー/デーン・キャメロン/レンガー・バン・デル・ザンデはインディアナポリス8時間レースで表彰台を獲得し、激戦となったスパ24時間レースでトップ10フィニッシュを果たしたことで、最終戦キャラミ9時間レースでのタイトル争いに望みをつないだ。

 タイトル決戦となったキャラミでは、最初の8時間をコントロール下に置いていたが、終盤の雷雨がバン・デル・ザンデとファーンバッハーのチャンスを残酷にも破壊。しかし、そこまでのNSX GT3 Evoのパフォーマンスは特筆に値するものであった。

■トヨタは、ル・マン3連覇と「GRスープラのデビューが成功」
■次点1:トヨタ

 2020年、トヨタはル・マン24時間レースで3連覇を果たした3番目のLMP1マニュファクチャラーとなった。

 同社はまた、新たなスーパーGTマシンであるGRスープラのロールアウトに成功。開幕戦ではGT500クラスでトップ5を占め、シーズン2勝を挙げた。さらに、新型コロナウイルスのパンデミックが世界の物流を直撃したにも関わらず、新たなスープラGT4マシンをデビューさせることにも成功した。

■次点2:アストンマーティン

 最終シーズンとなったアストンマーティンのLMGTEファクトリーチームは、WEC世界耐久選手権とル・マン24時間で大きな勝利を収めた。

 一方でカスタマー・レーシング、とりわけバンテージが人気を博しているGT4カテゴリーへの取り組みも注目に値する。彼らにとって重要な地域である北米においては、いくつかのチームがアストンマーティンへと鞍替えを行なっている。このトレンドにより、KohRモータースポーツがIMSAミシュラン・パイロット・チャレンジのGSのタイトルを獲得している。

■次点3:BMW

 2020年は、いくつかのGTレースのトロフィーが、BMWのもとへと渡った。

 BMW M6 GT3での主な勝利としては、ローヴェ・レーシングによるニュルブルクリンク24時間レース、ワーケンホルスト・モータースポーツによるIGTCインディアナポリス8時間レース、同じくキャラミ9時間レースが挙げられる。また、両チームによる力強いパフォーマンスのおかげで、NLSニュルブルクリンク耐久シリーズにおけるGT3でのトップメーカーともなった。

 また、LMGTE(GTLM)では、BMW M8が2度目のデイトナ24時間クラス優勝を獲得し、チームRLLをIMSAミシュラン・エンデュランス・カップのタイトルへと導いた。

■次点4:オレカ

 LMP2のマーケットは、ル・マン24時間におけるエントラントの80%が選択したシャシーを製造するオレカによって、引き続き支配されている。オレカ07はWEC、ヨーロピアン・ル・マン・シリーズ、アジアン・ル・マン・シリーズ、そしてIMSAのLMP2クラスを席巻すると同時に、IMSAのDPiクラスを制したアキュラARX-05のベースシャシーともなっている。

 さらに、オレカのLMP1マシンでは、レベリオン・レーシングがWECのサーキット・オブ・ジ・アメリカズ6時間レースで、総合優勝を果たしている。