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スーパーGT:グッドスマイル 初音ミク AMGのアタックイベントはアクシデントも無事に終える

2020年12月26日 16:41  AUTOSPORT web

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『メルセデスAMG GT3 タイムアタック チャレンジ』でのグッドスマイル 初音ミク AMGとGOODSMILE RACING & Team UKYO
スーパーGT GT300クラスに参戦するGOODSMILE RACING & Team UKYOは12月26日、富士スピードウェイでチームを支えるファンに向けたイベント『メルセデスAMG GT3 タイムアタック チャレンジ』を開催した。途中まさかのアクシデントに見舞われたものの、なんとか修復。BoP重量とエアリストリクターを外し、1分34秒864というタイムをマークした。

 GT300屈指の強豪のひとつであるGOODSMILE RACING & Team UKYOは、例年12月末に“忘年会”と題し、チームスタッフとファンが交流するイベントを開催してきたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響もあり、2020年は富士スピードウェイで性能調整を外し、グッドスマイル 初音ミク AMGの“本来の実力”をみせるタイムアタックイベント『メルセデスAMG GT3 タイムアタック チャレンジ』を開催した。

 ただもともと、このイベントはファンを招いて行われる予定で、ピット内で観覧可能なチケットもあったが、レーシングミクサポーターズに感染者が出てしまうなど、新型コロナウイルス感染再拡大の影響もあり、ピット内観戦を含めた集客をともなうサービスを中止にしていた。

 そんななか迎えた12月26日。この日は真新しい2021年バージョンのカラーリングに彩られたグッドスマイル 初音ミク AMGがアタックを行い、その様子を配信する予定となっていた。スケジュールとしては、2本のスポーツ走行で慣熟を行い、その後占有走行でアタックを行う予定だった。

 ところが、13時から行われたスポーツ走行1回目でまさかのアクシデントが起きてしまう。この日のスポーツ走行は参加車が非常に多く、13時からのS-4 Aの走行枠もいっぱいのなかで行われたが、谷口信輝がステアリングを握ったグッドスマイル 初音ミク AMGは慎重に他参加車と周回を重ねていたものの、パナソニックコーナー立ち上がりで他車とヒット。リヤの足回りやカウル、インナーフェンダー等を破損してしまった。

 しかしここから、RSファインのスタッフが魅せた。総出で修復にかかり、15時からの占有走行に間に合わせてみせたのだ。ガレージのシャッターが開くと、パドックに入れないため、グランドスタンドから走行の様子を見守ったファンからは大きな拍手が。また破損した左側のサイドステップは2020年バージョンのカラーリングのままで、これはこれでレアな状態での走行となった。

 ふたたびグッドスマイル 初音ミク AMGのステアリングを握った谷口は、当初2020年の性能調整のままで走り、その後BoP重量とエアリストリクターを外し走行。最終的には、1分34秒864までタイムを上げてみせた。

「BoPありのタイムは、先日の最終戦に近いタイムになりました。その後足かせを外してみましたが、直線はそこまで速くなっているわけではなく、7km/hくらいしか上がっていません。でも、排気量があるエンジンなので、コーナーからの立ち上がりが速い。そういう強さは感じましたね」とドライブした谷口。

「最終的に、BoPを外した結果、富士が強い他のGT3カーと近いタイムがマークできました。我々のクルマは一発は出ないけど、アベレージは速い。これで一発が出てしまうとぶっちぎってしまうという意見もあると思います。でも、2020年までのはいくらなんでもリストリクター径は小さすぎじゃないの? と(笑)」と谷口が言うように、富士でのメルセデスAMG GT3のレースでの“苦しさ”が証明されたかたちだ。

 夕焼けのなか、谷口のアタックを見守ったスタンドのファンからはふたたび拍手が送られ、チームは2020年の活動をすべて終えることになった。