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オートバイにはねられたゾウの赤ちゃん、救急隊員が命を救う(タイ)<動画あり>

2020年12月24日 21:31  Techinsight Japan

Techinsight Japan

赤ちゃんゾウに心肺蘇生法を行う救急隊員(画像は『CBS News 2020年12月21日付Facebook「Baby elephant saved after it received CPR」』のスクリーンショット)
このほどタイで、人も動物も関係なくただ“救う”という本能のもとに野生のゾウの命を救った救急隊員がいた。路上でオートバイにはねられて身動きしないゾウの赤ちゃんに、地元の救急隊員が心肺蘇生を行ったところ無事蘇生に成功したという。『New York Post』『CBS News』などが伝えている。

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タイのチャンタブリー県で今月20日の夜、道路を横断中のゾウの家族にオートバイが衝突するという事故が起きた。当時、非番だった救急隊員のマナ・スリヴェイトさんが急遽呼ばれ、現場に向かった。オートバイの運転手は軽い怪我で済んだようだが、道路にゾウの赤ちゃんが身動きもせずに横たわっていた。

ゾウは僅かにうめき声をあげ、このままでは命を落とす危険があることは目に見えていた。マナさんはすぐにゾウの元へ駆け寄り、心肺蘇生を試みようとした。マナさんは救急隊員として26年間勤務してきたベテランではあったものの、ゾウに心肺蘇生を行ったことはなかった。

それでもマナさんは一生懸命ゾウに心肺蘇生法を施した。そんなマナさんの思いが通じたのか、10分後にゾウは口を開けて呼吸し始めたという。そして身体を起こそうとしたゾウに、周りで見守っていた人たちがその身体を支えるとゾウは自分の脚で再び立ち上がったのだ。マナさんは嬉しさのあまり涙が出そうになったそうで、当時のことをこのように振り返っている。

「命を救うということは私の本能でもあるのです。ですがあの時、赤ちゃんゾウを呼ぶ母ゾウや仲間の声がずっと聞こえてきて、心配でたまりませんでした。」

「とにかくインターネットで見た動画をもとにゾウの心臓がどこにあるのか推測しました。(心肺蘇生法を行ってから)ゾウの赤ちゃんが動き出した時は、もう泣きそうになりました。」

ゾウはマナさんによって命を取り留めた後、治療のため別の施設に運ばれたが、すぐに事故現場に連れ戻すとそこでは母ゾウが待っており、親子仲良く森の中へと消えていったという。

ちなみにマナさんはこれまで数々の事故現場に出動し救助活動にあたってきたが、心肺蘇生を施して命が助かったケースはこの赤ちゃんゾウが初めてだったそうだ。



画像は『CBS News 2020年12月21日付Facebook「Baby elephant saved after it received CPR」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 MasumiMaher)