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米スポーツカーレース専門メディアが『レース・オブ・ザ・イヤー』を選出。スーパーGT最終戦も登場

2020年12月24日 16:11  AUTOSPORT web

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IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権2020年最終戦のセブリング12時間レースを制した55号車マツダRT24-P
オートスポーツwebが提携するアメリカのスポーツカーレース・ニュースサイト『Sportscar365』が、年末企画として2020年の『レース・オブ・ザ・イヤー』を選出・発表している。

 アメリカのみならず、ヨーロッパ、アジアなど全世界のスポーツプロトタイプ/GTカーによるレースを幅広く扱う同サイトは年末に際し、この他にも『ルーキー・オブ・ザ・イヤー』や『チーム・オブ・ザ・イヤー』などを独自に選出しているが、2020年の『レース・オブ・ザ・イヤー』では、スーパーGTの最終戦である富士スピードウェイでの第8戦についても言及されている。

 以下、Sportscar365の当該記事から掲載する。

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■2020レース・オブ・ザ・イヤー:IMSA セブリング12時間レース

 セブリング12時間レースは、IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権のカレンダーにおいて常にハイライトとなるレースであるが、2020年はシーズン最終戦という特別な位置付けのレースともなった。

 セブリング戦は通常、3月中旬に行なわれるが、新型コロナウイルスの影響により、IMSAは第68回目となるこのイベントを、11月の開催へと変更した。

 8カ月もの時間とシーズンフィナーレというステイタスは人々の期待を高めたが、レースはそれに違わぬ内容となった。

 このレースでマツダはジョナサン・ボマリト/ハリー・ティンクネル/ライアン・ハンターレイのトリオにより勝利を飾ったことで、初めて北米でのメジャーな耐久レースでの栄誉を手にした。また、アキュラのDPiマシンを駆るリッキー・テイラーとエリオ・カストロネベスが年間タイトルを獲得することとなった。

 マルチマチックが走らせるマツダRT24-Pは当初ワン・ツー態勢を築いていたが、トップをいく77号車が終盤にタイヤの問題を抱え、そこまでに多くのドラマを生み出していたタイトル決定戦における、最後の波乱となってしまった。

 テイラー/カストロネベス/アレクサンダー・ロッシの7号車アキュラARX-05は、インタークーラーの不具合によって序盤に11周を失ったが、タイトルを争うアクション・エクスプレス・レーシングとウェイン・テイラー・レーシングがライバルとのクラッシュという形でトラブルに見舞われたことで、テイラーとカストロネベスのコンビがタイトルを得た。

 GTLMクラスでは、ニック・タンディ/フレデリック・マコヴィッキ/アール・バンバーが、2020年限りでワークスエントリーから撤退するポルシェにワン・ツー・ビクトリーをもたらした。
■惜しくも選外となった、次点4レースは?
■次点:IGTC/GTWCヨーロッパ スパ24時間レース
 いつもどおり、スパ24時間レースは紆余曲折に満ちた物語をつむぐことになった。

 序盤にレースをリードしたチーム・アッカASPのメルセデスAMG GT3はタイヤバーストに起因するアクシデントにより戦線を離脱。夜明けにはレースをリードしていたオレンジ1・FFFレーシングのランボルギーニ・ウラカンGT3もクラッシュしてしまう。

 その後は2台のアウディR8 LMSとフェラーリ488 GT3が首位を争うが、ローヴェ・レーシングのポルシェ911GT3 Rを駆るニック・タンディが雨のなかで驚異的なスピードを見せ、ここに加わることに。ギヤボックスを傷めながらも最終ラップをなんとかしのいだタンディが、勝利を飾った。

■次点:IMSA プチ・ル・マン
 IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権のモチュール・プチ・ル・マン10時間レースは、アクション・エクスプレス・レーシングのピポ・デラーニとチーム・ペンスキーのリッキー・テイラーが、残り12分というタイミングで接触。これにより、ウェイン・テイラー・レーシングの10号車キャデラックDPi-V.R(レンガー・バン・デル・ザンデ/ライアン・ブリスコー/スコット・ディクソン)がレースを制した。

 ペンスキーのアキュラは、とりわけ6号車がデーン・キャメロンのドライブ時に最速を誇っていたが、非の打ちどころのないレースを展開したウェイン・テイラー・レーシングにはかなわなかった。

■次点:スーパーGT 最終戦富士
 2020シーズン4度目の富士での開催となった最終第8戦の300kmレースは、最後の10秒間だけでも言及する価値がある。

 山下健太とともに完璧なシーズンフィナーレを飾ったかと思われた平川亮だったが、彼のドライブするトヨタGRスープラは最終ラップの最後のコーナーを立ち上がったところで、ガス欠に見舞われてしまった。

 これによりタイトルはホンダの山本尚貴と牧野任祐のものとなり、彼らのピットでは喜びが爆発。一方、トヨタ陣営は失望に包まれた。

 これは、2016年ル・マン24時間レースにおけるトヨタと同レベルの、悲痛な出来事となった。

■次点:NLS ADACルーア・ポカール
 2020年のニュルブルクリンク24時間レースは予選レースがキャンセルとなったことで、その直前の開催となるNLSニュルブルクリンク耐久シリーズ第5戦『ローヴェ6時間・ADACルーア・ポカール』が、最終リハーサルの場となった。

 クリストファー・ミースのドライブするアウディR8 LMS GT3 Evoは、燃料を節約して9周のファイナル・スティント成立を目論むフェラーリ488 GT3のルカ・ルートヴィヒを最終スティントで追い詰めて逆転。アウディにとってほぼ3年ぶりとなるVLNでの勝利をマークした。