2020年全日本スーパーフォーミュラ選手権の第7戦富士の厳しい寒さのなかでレースクイーンのみなさんは一体どのような対策をしていたのでしょうか。サーキットで抜群の人気を誇り、KONDO RACINGを盛り上げるraffinee Ladyの林紗久羅さん、今井みどりさん、原あゆみさん、松田蘭さんにその秘密を教えてもらいました。残念ながら、コスチュームのなかの様子は写真でお見せできないので、会話からご想像ください。
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さて、レースウィークの週末を通して気持ちのいい冬晴れになったものの、冷たい空気が突き刺すような寒さに包まれていた富士スピードウェイ。ドライバーたちもマシンから降りた直後にすぐダウンジャケットを羽織って暖をとったり、関係者やサーキットに詰めかけたファンも真冬の格好に身を包んでいました。
ただ、そんななかでもひと際“薄着”で笑顔を見せていたのがレースクイーンのみなさんです。冬用のコスチュームを着用ということで、コートを羽織っている姿を見かけましたが、みなさん胸元もお腹も足もいつもと変わらずに見せています。
正直、信じられませんが、一体どんな寒さ対策をしているのか。その秘密を直接聞いてみることに。その前に、「念のため」と前置きしたうえで聞いてみました。
「寒くないですか?」
「寒いです(苦笑)」(全員)
「そうですよね(笑)」
いつもと変わらない姿を見せている彼女たちも、ちゃんと寒さを感じているんだと安心できました。日中でも気温がひと桁、日が沈むと氷点下まで下がるほどの富士スピードウェイなのだから、当然といえば当然の答えなのですが、見るからに寒そうな格好を前にしたら聞かずにはいられません。
間近で見てもコートを羽織っているとはいえ、変わらず薄着に見えますし、これはコスチュームのなかに秘密が隠されているのに違いない。
「コスチュームのなかはどのような寒さ対策をしているのですか?」
「基本的には布があって見えないところにはとにかくホッカイロをたくさん貼っています」(今井さん)
「今日はお腹と腰に一枚ずつ、足もストッキングの上に靴下、そこに足裏ホッカイロを貼って、ブーツを履いていて、胸元と背中にも貼って全身で合計6枚ですかね」と、言われて疑問が湧きました。
胸元? 背中? コスチュームの内側は直接肌(または下着)になるのでは? ホッカイロとはいえ、低温火傷のリスクもあるだろうし、何か、ホッカイロを入れておくポケットのようなものでも付いているのか……。
これは聞かねばと思い、同じ女性とはいえ、コスチュームのなかを見せてもらうのはなんだか、悪いことをしているようで変にドキドキしましたが、言いましたよ。
「(衣装のなかを)見せてもらっても…?」
「……いいですよ(苦笑)」
「じゃあ、お邪魔します!」
これが、開けてびっくり! なんと衣装のなかにアンダーウェアを着ていて、その上にホッカイロが貼られていました。しかも、なんとそのアンダーウェアは誰もが冬は手放せないであろうヒートテックだと言うからさらに驚きです。
「ヒートテックをアンダー(胸下)のところで切ったものを着ています。どこまでやっていいのかはチームによって違いはあると思いますが、見えなければ大丈夫だと思います」(林さん)
「自分がすごい寒がりだったから、なんとかして着込めないかなと思って考えた」とのことでしたが、普通はそんなアイデア出てきませんよ。ただし、お腹はそもそも生地(コスチューム)がないので、そこは「気合いで乗り越えるしかない」とのこと(笑)。
「気合いでどうにかなるもの⁉︎」とまたまたツッコミそうになりましたが、それをやってのけるのがプロの仕事というものですね。
一方で、それだけ対策をしていても苦労は絶えないようで、外に出ると寒さが勝ってホッカイロの暖かさは感じられず、気休め程度になり、肌を擦ってみてもその前に感覚がなくなってしまったり……。寒さで体が震えてきても笑顔のまま、奥歯を噛みしめて耐えているといいます。逆に、ホッカイロの貼りすぎで思わぬ苦労を強いられたこともあるとか。
「昔、コートなしの正規のコスチュームでグリッドボードを持つことがあったのですが、そのときは全身に14枚ホッカイロを貼ったことがあります」と林さん。
「足もですが、腕も極限まで貼ったら肘が曲がらなくて(苦笑)。でも外せないので、無理やり(肘を)曲げてグリッドボードを持ちましたね。きれいに写真を撮ってもらいたくて頑張りました」
いつもキラキラとした姿を見せている彼女たちですが、その裏には多くの苦労を抱えているのですね。それでも笑顔を見せていられるのはやはりファンの応援があってこそ。
「この仕事をしていなかったらこんな極限の寒さは感じないです。それでも絶えられるの最終的な理由は気持ちですね」
いつもきれいに写真を撮ってくれて、ホッカイロやブランケットなどを差し入れしてくれるファンの気持ちに答えたいという意識がレースクイーンのみなさんのプロフェッショナルな仕事を生み出しているようです。
ちなみに今年ならではのマスクの悩みや、時期によってまだまだ“レースクイーンならでは”の悩みや裏ワザが存在しているらしいので、これは季節ごとの調査をしてみたいですね。
2020年シーズンは新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、なかなかレースクイーンのみなさんに会える機会も少なく、どこか寂しげな雰囲気もありましたが、2021年はきっとまた彼女たちがサーキットを華やかにしてくれることでしょう。