IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権のDPiクラスに参戦するアクション・エクスプレス・レーシングは12月18日、2021年シーズン開幕戦のデイトナ24時間レースにおけるドライバーとして、2020年NASCARカップ・シリーズ王者のチェイス・エリオットを起用すると正式発表した。
エリオットはレギュラードライバーのフェリペ・ナッセとピポ・デラーニ、助っ人のマイク・コンウェイとともに、31号車キャデラックDPi-V.Rのステアリングを握る。
既報のとおり、アクション・エクスプレス・レーシングはレギュラー参戦する31号車に加え、デイトナでは2台目となる48号車をエントリーする。この48号車では7度のNASCAR王者ジミー・ジョンソンが、シモン・パジェノー、マイク・ロッケンフェラー、小林可夢偉とともにレースを戦うことになっており、チームとしてはふたり目のNASCAR王者起用ということになった。
「ロレックス24(デイトナ24時間)は非常に大きなイベントであり、モータースポーツ界の誰もが本当に敬意を払っているレースだ」とエリオットは述べている。
「キャリアが終わる前に、誰もが(優勝記念の)時計を手に入れたいと思っているはずだ。僕がこれまで経験したことのない要素を持つレースだ」
「僕はドライバーとしてより手を広げ、多様化していきたいと考えている。今回の経験は、そのうちのひとつだ。アクション・エクスプレスがこの機会を与えてくれたことに感謝している。そして来月のデイトナで多くを学び、走れることを楽しみしているよ」
エリオットのデイトナ24時間出場は、ヘンドリック・モータースポーツのチームオーナーであるリック・ヘンドリックによって明らかにされていた。ヘンドリックはNASCARカップシリーズの最終戦の後、記者団に対してエリオットとジョンソンがデイトナに出場する旨を話していた。両ドライバーとも、NASCARにはキャデラックと同じGMグループであるシボレーのマシンで出場している。
「先日、シミュレーターでチェイスと1日を過ごし、デイトナのロードコースでキャデラックの元となっているダラーラを走らせることができた」とアクション・エクスプレスのチームマネジャーであるゲイリー・ネルソンは述べている。
「我々はチェイスのペースを上げ方や、フィードバック、難なく仕事に適合する姿に驚かされたよ。来月、デイトナでのロア(事前テスト)とロレックス24で、再び彼と仕事ができることを、とても嬉しく思う」
■ロイック・デュバルのフル参戦も正式決定
同じくキャデラックDPi陣営では、JDCミラー・モータースポーツから、ロイック・デュバルがフル参戦することも正式発表されている。噂どおり、デュバルはセバスチャン・ブルデに代わってトリスタン・ヴォティエとコンビを組む。
2020年、IMSAの長距離レースにJDCミラーからスポット参戦したデュバルは、アウディからDTM、そしてアルガルベ・プロ・レーシングからヨーロピアン・ル・マン・シリーズにも出場していた。デイトナ24時間には4度出場したことがあるものの、IMSAへのフルシーズンエントリーは、2021年が初めてとなる。
2013年のル・マン・ウイナーでもあるデュバルは「2020年に長距離レースでラインアップに加わったあと、2021年に再びチーム戻ることができて本当に嬉しい」とコメントしている。
「2020年は、さまざまな理由によりチャレンジングな年となったし、チームとしては確かに浮き沈みがあった。でも、デイトナでは力強くシーズンをスタートできたし、最終戦に向けては勢いをつけることもできた」
「トリスタンとセブとともにチームに戻り、さらに今度はフルシーズンドライバーのひとりになれることは、素晴らしい。それは僕らに一貫性を与えるだろうし、僕らが持っていた勢いを再び強化してくれるだろう」
なお、2021年にNTTインディカー・シリーズへ復帰するブルデは、長距離レースでのみ、マスタング・サンプリングがスポンサードするキャデラックDPi-V.Rのラインアップに加わる予定となっている。