トップへ

TCRデンマーク:ヤン・マグヌッセン起用のLMレーシングが体制拡大。女性ドライバーのフロスト加入

2020年12月18日 14:21  AUTOSPORT web

AUTOSPORT web

TCRデンマーク・シリーズに参戦するLM Racing加入をアナウンスしたルイーズ・フロスト
変則的な幕開けとなった2020年のTCRデンマーク・シリーズに参戦したLMレーシングは、2年目のシーズンに向けすでに残留を表明していた元F1ドライバーのヤン・マグヌッセンに加え、2年目のニコライ・シルベストとの契約延長を発表。それに留まらず体制を拡大して3台目を加え、そのシートには女性ドライバーのルイーズ・フロストを起用するとアナウンスした。

 TCR初年度シーズンは2台のフォルクスワーゲン・ゴルフGTI TCRを投入したLMレーシングだが、来たる新シーズンに向けて体制強化を図り、2020年最終戦を前にクプラ・レーシングとカスタマー契約を締結し、来季2021年は新型『クプラ・レオン・コンペティションTCR』の導入を発表していた。

 そのLMレーシングは12月14日にさらなるチーム強化の策を打ち出し、26歳のフロストをラインアップに加えることを決めた。

「我々は兼ねてから、レギュラー陣に加えて育成枠となるJr.ドライバーを起用し、チームを拡充するという野心を抱いてきた。この厳しい世界情勢を鑑みて検討に検討を重ねてきたが、ルイーズ・フロストはその条件に完璧にマッチする人材だった」と語るのは、チームマネージャーのラース・モルゲンセン。

「ただしこの合意は、現状フルシーズンのエントリーを確約するものではなく、彼女がドライビング契約を完遂するための資金確保を支援する項目も含まれる。直近の経済的な環境は、誰にとっても決して簡単な局面だとは言えないからね」と続けるモルゲンセン。

 チームは直近にもマグヌッセンのペアをシルベストで継続するべく契約延長を発表していたが、このレギュラー2名は新型クプラをドライブする公算で、フロストは2020年のシリーズを戦った、チームが所有するゴルフGTI TCRのステアリングを握る予定だ。

■全7戦からなる2021年シーズンカレンダーが発表

「こうしてフルシーズンに必要な資金を調達することを目標に、チームとのコラボレーションを開始するこができた。現状はモータースポーツにとって厳しい時期が続いているけど、私はとにかく楽観的なの」と、チーム加入に向け意欲を示したフロスト。

「すでに年間予算の半分は確保する目処が立っているけど、残りのバジェットに関しては今後の数カ月が重要かつ決定的な期間になるでしょうね」

 そのフロストは、2020年にキア・デンマーク・レーシングに所属してデンマーク耐久選手権に参戦し、総合2位を獲得。2019年には一足早くTCR規定を採用していたSTCCスカンジナビアン・ツーリングカー選手権にもスポット参戦した経験を持つ。

「TCRのコンセプトはグローバルな展開が見込める点で、本当に良い“スターティング・ポイント”になる。そのデンマーク・シリーズは、この難しい2020年に多くの有力選手を集めて素晴らしいスタートを切ったと思う。そしてさらに強力になる2021年に、私自身もレーシングドライバーとして成長の機会を掴むつもりよ」

 一方、フロストの3日前に契約更新を決めた23歳のシルベストは、前輪駆動初経験だったにも関わらず、初年度のツーリングカー選手権で開幕戦での初優勝と6度の表彰台を獲得。エースを務めた“耐久王”マグヌッセンをひとつ上回り、ランキング3位の戦績を残した。

「2年連続でLMレーシングがチームに大規模投資を選択したことを非常にうれしく思う」と語ったシルベスト。

「僕と同じようにチームも高い野心を持っていて、新しいクプラのレースカーで勝ち続けるための準備をしている。早くも次のシーズンが待ちきれない気分だよ」

 そのデンマーク・シリーズ2年目のカレンダーは、初年度のリストから敢えなくこぼれる結果となったコペンハーゲンの伝統的市街地イベント『ヒストリック・グランプリ』が第3戦に組み込まれることが決定。都合4戦に終わった2020年の不足分を取り戻すべく、全7戦の暫定カレンダーが組まれている。

■TCRデンマーク・シリーズ2021年暫定カレンダー
RoundDateCircuitRd.15月8~9日ユランリングRd.26月5~6日リング・ユールスランドRd.38月6~8日コペンハーゲンGPRd.48月20~22日ユランリングRd.59月17~19日オーフスRd.610月2~3日ユランリングRd.710月15~17日パドボル・パーク