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極寒のロシアで悲劇 ベッドを抜け出た3歳女児、部屋に戻れず自宅の廊下で凍死

2020年12月18日 05:51  Techinsight Japan

Techinsight Japan

マイナス15度の廊下で息を引き取った3歳女児(画像は『Daily Star 2020年12月11日付「Girl, 3, freezes to death after ‘being left in -15C hall during parent’s drunken party’」(Image: VK)』のスクリーンショット)
このほど極寒のロシアにて、夜中にベッドを抜け出した3歳女児が自宅の廊下で凍死するという痛ましい事故が起こった。暖房の入っていない廊下は当時マイナス15度まで下がっていたと見られ、警察では母親に過失があった可能性も視野に捜査が行われている。『Mirror』『Daily Star』などが伝えた。

ロシア中南部のチェリャビンスク州にあるサトカ(Satka)で12月4日の早朝、3歳のアンジェリーナちゃん(Angelina)が自宅廊下で凍死した。発見したのは母親のスヴェトラーナ・クレショバさん(Svetlana Kuleshova、23)で、アンジェリーナちゃんの倒れていた廊下には暖房設備がなく、夜間はマイナス15度にまで冷え込んでいたと見られている。

前日の3日はアンジェリーナちゃんの妹が1歳の誕生日を迎えて家族みんなで盛大にお祝いをしたが、スヴェトラーナさんはその日の夜をこのように振り返った。

「アンジェリーナをベッドに連れて行き、娘は真夜中に差しかかる前に眠りにつきました。」
「私とパートナーのアレクサンダー(Alexander、23)も、少しテレビを見た後でベッドに向かったんです。」
「朝になって娘の様子を確認しにいくと、ベッドはもぬけの殻でした。そして廊下で倒れているアンジェリーナを発見したのです。」

スヴェトラーナさんは「娘は夢遊病だった」と話しており、悲劇的な事故の原因について以下のように説明した。

「娘は眠りながらうろつくことがありました。」
「廊下に出た娘は、暗闇の中でドアの取っ手を見つけることができなかったのだと思います。そのせいで部屋に戻ってこられなくなったに違いありません。」

スヴェトラーナさんとアレクサンダーさんは「一度眠りについてからは特に物音もしなかった」と語っており、「これはあくまでも事故」と強く主張している。

しかし地元のニュースサイト『Crimea.KP』では、スヴェトラーナさんに対して「娘を締め出した可能性がある」として以下のような疑惑を伝えた。

「3日に行われた次女の誕生日パーティーは、盛り上がって大人の飲み会になっていったのでしょう。そして邪魔になったアンジェリーナちゃんを母親は凍える廊下へと締め出したのです。」

この記事に対してスヴェトラーナさんは「全くのデタラメよ!」と完全否定しており、地元警察のミハイル・クロヒン捜査官(Mikhail Krokhin)も「スヴェトラーナさんの言っていることを信じます。捜査の結果、アンジェリーナちゃんが自ら廊下に出たことが判明しています」と記者団を前にしてスヴェトラーナさんを擁護するように語った。

とはいえ警察はこの事故に対するスヴェトラーナさんの母親としての過失を訴えており、有罪判決が下された場合には2年の実刑が下る可能性があるという。

検察側はスヴェトラーナさんがこれまでに証言した内容の真偽を明らかにするため、心理学者との面談を予定しているとも公表した。

なお1歳になったばかりの次女はスヴェトラーナさんの捜査が終わるまで社会福祉局の保護下におかれ、児童養護施設で過ごすことになっている。

この事故を知った人々からは「夢遊病とわかっていたなら手を打てたのでは?」と母親としての保護責任を問う声があがる一方、「かわいそうな事故。なぜ傷ついた家族をバラバラにするの?」、「部屋に鍵を付けても3歳なら開けてしまったりするよね。うちの夢遊病の息子も鍵を付けたけど意味がなかったわ」、「本当にかわいそう。なぜ母親が糾弾されるの? 非常に不幸な事故だわ」、「次女を母親から引き離す意味があるの?」など同情の声も多く集まっている。

ちなみにこの時期、サトカの町は平均気温がマイナス17度で時にはマイナス25度に達することもあったそうだ。

画像は『Daily Star 2020年12月11日付「Girl, 3, freezes to death after ‘being left in -15C hall during parent’s drunken party’」(Image: VK)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 YUKKE)