トップへ

砂漠がランウェイに 「サンローラン」2021SSは着心地と自信を叶えるスタイルを提案

2020年12月16日 15:02  Fashionsnap.com

Fashionsnap.com

「サンローラン」2021年春夏コレクション Image by: SAINT LAURENT
「サンローラン(SAINT LAURENT)」が12月15日、アンソニー・ヴァカレロ(Anthony Vaccarello)による2021年春夏ウィメンズコレクションをオンラインで発表した。収録されたランウェイショーの舞台は砂漠。

 サンローランは、新型コロナウイルス感染拡大を受けて、9月に開催されたパリファッションウィークへの参加を見送り、独自のカレンダーのもとコレクションを発表することを決めた。オンラインでの発表となった2021年春夏コレクションは、広大な砂漠がランウェイに。これまで参加してきたパリのファッションウィークはタイムテーブルや招待客などの制限があったが、それらを取り払うからこそ実現できた、白昼夢のようなロケーションだ。

 2020年秋冬シーズンに目立ったラテックス素材のパンツをはじめ、肩を強調するテーラードジャケット、肌を大胆に露出するドレスなど、身体のシルエットを引き立て、妖艶でストイックなイメージのコレクションを発表してきたアンソニー・ヴァカレロだが、今季は安らぎを求める人々に寄り添い、よりコンフォータブルでしなやかなコレクションとなった。

 2021年春夏コレクションでは、今日のように混沌とした時代だった1960年代のアーカイヴに着想し、柔らかなシェイプのジャージー素材にフォーカス。テーラードジャケットやシルクブラウスに合わせるのは、身体に沿うバイカーショーツ。花柄のシフォン素材にマラブーフリンジをあしらったチュニックやミニドレスは、リラックスした時間を過ごすためのホームウェアとして提案した。チュニックとトラウザー、大ぶりなポケットを備えたジャケット、テーラリングに裏打ちされたロングジャケットは、新しい「ル・スモーキング(Le Smoking)」のスタイルだ。なお、一部ジュエリーは、フランス人アーティスト 故クロード・ラランヌ(Claude Lalanne)がデザインしたもので、モノトーンで落ち着いたカラーのコレクションに華やかさをもたらした。

 アンソニーは今季のコレクションについて「物事の本質にフォーカスしたかったのです。でも暗いものや重さを表現したかったわけではありません。コレクションの舞台となった砂漠は、私にとって静けさや解放感、スローリズムを象徴する場所。素材は柔らかい素材を選び、ミニマルでありながら穏やかなコレクションに仕上がりました」とコメント。混乱の時代に生きながらも、自分自身のために着飾ることへの希望や情熱、心地よさと自信への憧れを、身体を締め付けずにボディラインを美しくみせることで表現した。

全ルックを見る SAINT LAURENT 2021年春夏コレクション