2020年の最終戦アブダビGPを終えたF1は、その2日後の12月15日(火)にアブダビGPが開催されたヤス・マリーナ・サーキットでヤングドライバーテストを行う。
例年、2日間行われるヤングドライバーテストだが、今年は新型コロナウイルス感染症拡大の影響で1日のみのテストとなる。セッションは9時から18時までの9時間が予定されている。
1日だけとなったため、チームは最大2台の車両を持ち込み、同時にコースを走行させることができる。
ヤングドライバーテストは、本来であれば、『F1への参戦が2戦以下』のドライバーに限られるが、FIAは今回、『今シーズンのグランプリに参加していない元F1ドライバー』に対してもテストへの参加を許可したため、ルノーは2018年を最後にF1を離れ、2021年にF1に復帰するフェルナンド・アロンソをヤングドライバーテストに起用。
一方、2021年にセバスチャン・ベッテルが移籍してくるレーシングポイントと、ダニエル・リカルドが移籍してくるマクラーレンは、ベッテルとリカルドの起用が認められなかったことと、テストで走らせる育成ドライバーもいなかったことから、ヤングドライバーテストを欠席している。
このテストには日本人ドライバーがふたり参加する。角田裕毅と佐藤万璃音だ。どちらもアルファタウリからテストに参加する。角田はホンダとレッドブルの育成ドライバーとして2020年のFIA-F2で選手権3位を獲得。佐藤はホンダとレッドブルのどちらの育成システムにも属していないが、レッドブル側の意向でテストするチャンスを得た。
テスト前、ホンダの山本雅史マネージングディレクターは、角田の今回のテスト参加について、次のように語っていた。
「ヤングドライバーテストでは、まずプログラムをしっかりとこなすというのが一番の目標ではないでしょうか。F1ではチームの規模がF2とは比べ物にならないほど大勢のスタッフが仕事しているので、そのなかでしっかりと1日仕事することが、彼にとって非常に重要だと思います」
さらに、その角田ととともにアルファタウリからテストに参加する佐藤に対しても、次のようにエールを送っている。
「(佐藤については)フランツ(・トスト/アルファタウリ代表)から立ち話程度に、相談がありました。おそらく、ホンダのパワーユニットを搭載しているということで、気を遣ったのだと思います。日本人がチャンスをもらうということは、ホンダのドライバーではなくても、日本のモータースポーツにとって、とても良いこと。反対する理由がなかったので、『フランツの判断でいいよ』と言いました。おもしろいじゃないですか、(日本人がもうひとり)角田と一緒に乗るというのは」
今回のテストにはアロンソ以外にも、『今シーズンのグランプリに参加していない元F1ドライバー』が複数参加している。ストフェル・バンドーン(メルセデス)、セバスチャン・ブエミ(レッドブル・ホンダ)、ロバート・クビサ(アルファロメオ)だ。そのほか、今年のF2王者のミック・シューマッハー(ハース)、2019年のF2王者のニック・デ・フリース(メルセデス)も参加。近年のヤングドライバーテストのなかでは、最も豪華な顔ぶれとなった。
そのなかで角田と佐藤というふたりの日本人ドライバーがどんな走りを披露するのか、楽しみにしたい。