平均世帯年収の552万円に近い「年収400~600万円世帯」は、現在の生活についてどう感じているのだろうか。青森県の50代男性(サービス系/世帯年収450万円)は「地方都市だから暮らしていけている」と明かしており、兵庫県の個人事業主の40代女性も、
「世帯年収600万円の夫婦。地方ですが、そこそこ都会の持ち家マンションに住んでいます。たまに外食をする程度で、生活は普通です。でもマイカーを持つとなれば、今の場所では駐車場代が高いため、郊外に移らないと厳しいでしょう」
という声を寄せている。女性いわく「子どもがいたら外食の余裕はなくなるし、マンションのグレードも落とすことになります」とのことだ。では、首都圏に住む子持ちの年収400~600万円世帯の生活状況はどうなのか。(文:鹿賀大資)
「神奈川の都心部なので家賃が高く、あまり貯蓄もできていない」
神奈川県の40代既婚男性は、メーカー勤務で世帯年収550万円。子どもが1人いる。賃貸住宅に暮らしており、マイカーを所有。生活状況について「各種保険の加入や車の維持費なども含め、最低限のことは賄えている」と明かす。さらには実家が遠距離にあるため、年2回の帰省時には飛行機を利用する暮らしぶりだが、
「神奈川の都心部なので家賃が高く、あまり貯蓄もできていない。これからの子どもの学費や自分たちの老後のことを考えると心配」
とも書いている。子持ちであるために貯蓄が難しいのならば、首都圏に住む同年収帯の独身者の生活感はどうだろうか。
「今は月6万円ずつ貯金していますが、社宅を出たらそれも無理でしょう」
「都内に1人暮らしです」と語るのは、サービス系企業に勤務する年収450万円の30代独身女性。「家賃1万5000円の社宅なので生活ができています」という。収入についても「ボーナスが年収の4分の1を占めているため、月収は高くないです」と切り出す。
「基本給が新卒新入社員と同水準で、まったく安定感がありません。資格手当も支給されていますが、数万円ですから……。しかも会社はここ数年、新入社員や若手を引き留めるために、定期昇給以外に月給を2~3万円ほど上げています。ちなみに私たち中堅社員の定期昇給は数千円ですよ。業務量も責任もあるのに、新卒と基本給が同じって『同一労働同一賃金とは何ですか?』と言いたいです」
また昨今の残業規制のあおりも受けており、残業時間の短縮によって「ここ2年で年収50万円減」と付け加える。それにもかかわらず、仕事を自宅に持ち帰ることが多くなり、引かれる税金も変わらない状況にあるという。女性は
「もう不満しかありません。今は月6万円ずつ貯金していますが、社宅を出たらそれも無理でしょう」
とコメントしている。
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