2020年F1第17戦アブダビGPで、今シーズン初めてのポールポジションを獲得したマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)。しかし、予選Q1からQ3までの6回のアタックは、常に順調だったわけではない。
まず最初のハプニングはQ1の1回目のアタックで起きた。新品のソフトタイヤでアタックを開始したフェルスタッペンは、6コーナーを立ち上がって7コーナーへ向けてステアリングを右へ切ろうとした瞬間、ステアリングを握っていた右手が一瞬離れてしまう。
「右手が太ももに引っかかってしまったんだ」
そのため、1回目のアタックはチームメイトのアレクサンダー・アルボンより遅い1分36秒807と、全体で10番手前後のタイムに終わってしまう。
フェルスタッペンによれば、このようなことは「今まで経験したことがない珍しいハプニングで不運だった」と言う。
ただし幸いだったのは、ピットインをせず、もう1度アタックできる燃料を搭載していたことだった。
ERSを充電するため、1周のチャージラップをはさんで行った2回目のアタックで1分35秒993をマークしたフェルスタッペンは、2番手でQ2へ進出した。
Q2で右手が太ももに引っかかることはなかったが、今度はセットアップに問題があったようで、1セット目のミディアムタイヤでのアタックは、「セクター3で(リヤ)タイヤが完全に終わっていた」ため、1分36秒236という不本意なものとなった。
そこで、フェルスタッペンとレッドブル・ホンダは2セット目のミディアムタイヤを投入することを決断。さらにレギュレーションで許されている範囲で「セッティングを少し変更して」、再びコースイン。
「若干良くなった」フェルスタッペンは、1分35秒541をマークして3番手でQ3へ進出した。
「Q3はそんなに悪くなかった」と言うフェルスタッペンは、ハプニングに見舞われることなくQ3で2回のアタックをやり遂げ、ポールポジションを獲得した。
「このサーキットは本当にたくさん(21)のコーナーがあるからミスをしやすいんだ。ちょっとシンガポールに似ているかもしれない。だからミスをしないように気をつけた。すべての区間をうまくまとめることができて、いいアタックだったと思う」と、フェルスタッペンは今シーズン初となるポールポジションラップを振り返っていた。