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夫婦喧嘩で家を飛び出した男性、450kmをさ迷い歩く「イタリア版フォレスト・ガンプ」と呼ばれる

2020年12月11日 12:52  Techinsight Japan

Techinsight Japan

男性が歩いた道のりと映画『フォレスト・ガンプ/一期一会』で主人公を演じたトム・ハンクス(画像は『UNILAD 2020年12月8日付「Man Walks 450km To Cool Off After Arguing With Wife」(Google Maps/Paramount)』のスクリーンショット)
夜間外出禁止令が発令中のイタリアで、妻との喧嘩の末に家を飛び出したまま行方不明になっていた男性が深夜にあてもなく歩いているところを警察に保護された。男性は「頭を冷やすため」に自宅から450kmもの距離を歩いてきたと話しており、インターネット上で「イタリア版フォレスト・ガンプ」と呼ばれて話題になっている。『The Independent』『UNILAD』などが伝えた。

新型コロナウイルスの感染防止策として夜10時から朝5時までの外出を禁止しているイタリアで、12月1日の深夜2時過ぎにハイウェイをあてもなく歩く男性を警察が発見し保護した。

この身元不詳の男性(48)は、警察の取り調べに対し「妻と喧嘩して家を飛び出た」「自宅からここまで歩き続けてきた」と話したが、警察官は彼の話を疑わしく思いながら聞いていた。

なぜなら彼の自宅はスイスとの国境にほぼ近いイタリア北西部のコモで、男性が発見されたアドリア海沿いの小さな街ファーノからは450kmも離れていたのである。日本で言えば東京都から京都までの距離に相当し、歩くにはかなりの長距離だ。それをこの男性は徒歩のみでここまでやってきたというのだ。

そこで警察が法務機関のデータベースで男性の身元を調べると、11月29日に妻によって「夫が夫婦喧嘩の末に家を飛び出し、1週間ほど行方不明になっている」と捜索願が出されていることが判明した。

警察官の質問に対し、毎日平均して60kmほど歩いていたという男性は、保護されるまでの1週間をこのように振り返っている。

「ここまでは徒歩だけでやってきました。食事や水などは道中で出会った人々が分け与えてくれたんです。」
「私は少し疲れているだけで、大丈夫です。」
「確かに少し遠くまで来てしまいましたね。」

近くのホテルで一夜を明かした男性は、翌日になって妻と共に無事コモの自宅へと帰っていったそうだ。ちなみに夫を引き取りにやってきた妻が安心したのもつかの間、男性に科せられた夜間外出禁止令の罰金400ユーロ(約5万円)及び1泊分のホテル宿泊費が請求され、交通費に加えて予想外の出費が待っていたという。

この男性の珍道中をイタリアの地元メディアが取り上げると瞬く間に拡散され、1994年公開の映画『フォレスト・ガンプ/一期一会』より「イタリア版フォレスト・ガンプだ!」とSNSを中心に大きな話題となった。

同映画のなかでトム・ハンクス演じるフォレスト・ガンプは、ふらりと自宅を飛び出しそのまま徒歩でアメリカ大陸を横断している。

このイタリア版フォレスト・ガンプに対し、人々からは「素晴らしい偉業だ! 警察は罰金どころか賞与を与えた方がいい」「夫婦喧嘩でカッとなった頭を妻への暴力で晴らすのではなく、歩いて覚ますなんてとても良い方法だわ」「もし警察に止められていなかったら、この人はどこまで歩いていったんだろうね」など外出禁止令違反にもかかわらず肯定的なコメントが寄せられている。

画像は『UNILAD 2020年12月8日付「Man Walks 450km To Cool Off After Arguing With Wife」(Google Maps/Paramount)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 YUKKE)