WEC世界耐久選手権のLMP2コンテンダーであるレーシングチーム・ネーデルランドは、2021年シーズンも引き続きシリーズ参戦することを発表した。また、来月開催されるデイトナ24時間レース(ロレックス24)にもLMP2クラスからエントリーするとし、IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権デビューを果たす予定だ。
搭乗する3名を母国出身ドライバーで揃えるなどオールオランダ体制でWECに参戦しているレーシングチーム・ネーデルランドは昨シーズン、TDSレーシングとパートナーシップを結び29号車オレカ07・ギブソンを走らせてきたが、これをさらに2年間延長した。
新しいシーズンを迎えるにあたりドライバーラインアップは一部変更に。チームオーナー兼ドライバーのフリッツ・バン・イアードと、チームの柱であるギド・バン・デル・ガルデはそのままに、ニック・デ・フリースに代わってヨブ・バン・アウタートがWECのレギュラードライバーとして迎えられている。
また北米スポーツカーシリーズ開幕戦では、2020年の全日本スーパーフォーミュラ選手権を戦い、グラフとともにル・マン24時間レースにも出場した19歳のフランス人シャルル・ミレッシがWECのトリオに加わり、4名体制で“世界3大耐久レース”のひとつに臨むこととなった。
「我々がTDSレーシングとともに成し遂げた結果がそれを物語っている」とチームオーナーのバン・イアードは述べている。
「私たちはさらに2年間契約を延長することを選択した。なぜなら我々はつねに先を見据えなければならないからだ」
「我々は大きな野望を持っており、レーシングチーム・ネーデルランド、ギドとヨブ、そしてTDSは皆、その野望を達成するために今後数年間、一緒に仕事ができることを理解している」
「それは安定性と自信を提供する。2021年にはふたたびWECでレースを行うが、将来的にはIMSAでもレースをしたいと考えているのは周知の事実だ。それは私たちが1月のデイトナ24時間レースに参加する理由のひとつでもある」
ブロンズにカテゴライズされるバン・イアードのステータスは、レーシングチーム・ネーデルランドがWECに新たに設定されるLMP2プロ/アマトロフィーにおいて栄誉を競うことを意味している。
2021年シーズンから新設されるプロ/アマトロフィーは、ブロンズドライバーを擁するチームや選手自身がLMP2クラスに投資するインセンティブとして導入された。これはWECのラインアップ規定がひとりのシルバードライバーを登録することで満たされるため、ブロンズドライバーを起用するラインアップの活躍が困難となっている状況を加味したものだ。
一方、1月30~31日に決勝レースが行われるデイトナ24時間を含むIMSAのLMP2クラスでは、エントリーに1名以上のブロンズが必要となっている。
「来シーズン、ル・マンとデイトナでレースを戦うことができるのは、もちろん素晴らしいことだ」と、2019年のWEC富士でブロンズドライバーとして初めてLMP2クラス優勝を飾ったバン・イアードは語った。
「私はいつもアメリカのレースを愛している。デイトナは我々のWECカレンダーに完璧にフィットする。それは私たちにとって単なるレース以上のものになるだろう。デイトナに参加することは、3月のWECシーズン開始に向けた準備の重要な部分でもある」
「最後に、このチームでデイトナ24時間レースを行うことは、IMSAへの第一歩を踏み出すための素晴らしい方法でもあるんだ」
オランダチームのオーナーは、デ・フリースがTOYOTA GAZOO Racingのテスト兼リザーブドライバーに就いたことが2021年のラインアップでバン・アウタートを採用するというチームの判断に影響したと説明した。
22歳のバン・アウタートは2021年が初のWECフル参戦となるが、レーシングチーム・ネーデルランドでは他のドライバーの代理としてシルバーストンとスパでチームに合流し、両レースで表彰台に登る活躍をみせている。