昨今、多くの企業が「社員の定着率向上」に取り組んでいる。少子高齢化社会において人材の確保が困難な状況でもあるため、色々と工夫をする会社もあるが、一方で就職した会社をすぐに辞めたという声も多い。
エンジニアをしていた20代の男性は、「給与が新卒時より低かった。労働環境が悪く、三密環境であった」との理由から1週間で退職した。退職を伝えた際には「当日に退職しろ」と迫られたが、その場で決断し、現在は別の会社で働いている。今回は仕事をすぐに辞めた人のリアルな声に迫っていく。(文:中島雄太)
「「21時までの勤務のはずが、22時まで施術があった」
30代女性は整骨院に受付事務スタッフとして転職を決めたが、「入社すると、施術補助や患者を家まで送り迎えする、など業務内容が著しく違っていた」という。さらに長時間労働の職場にも不満を漏らす。
「21時までの勤務のはずが、22時まで施術があった。その後ミーティングがあり、23時近くまで職場に残る日々で体力的に無理だと思った」
女性は入社後わずか1週間で退職を決めた。現在は、別の会社に転職を決め、ゆとりを持って働いている。女性は当時を振り返りながら、「時給勤務だからお金はもらえるが、その額以上に体力的な消耗が大きかった。長く働いたら体を壊していたと思う」と本音を綴った。
早期退職をした20代女性は、「配属初日から2時間残業をさせられた。しかも9時間働いて休憩が10分しかなかった」と悔しさを滲ませる。さらに休憩時間は60分でのカウントだったため、「毎日50分は無賃労働だった」と語る。その会社は毎月固定の見込み残業代が支払われていたため、「いくら残業しても給料が増えないことも不満だった」と述べた。
「女性だけの職場に男性は自分だけ。まるで腫れ物扱い」元保育園の調理師30代男性
バスの運転手をしていた30代男性は、不規則な勤務体系について不満を綴っている。
「いつ休日になるか分からず、いつ仕事になるかも前日にならないとわからないため、予定が組めなかった」
ほかにも薄給激務、上司のパワハラ、洗車用具や社員旅行は自腹、社会保険未加入、無資格なのに整備や点検等の重労働があったため、会社への不安や不満が大きく募り、3か月で退職した。現在は別の会社で働いているため「心身ともに解放され、健康を取り戻した」と安堵の表情を覗かせる。
別の30代男性は、保育園の給食調理師として働いていたが、「職場は保育士も厨房関係もすべて女性で、男性はわたし一人で腫れ物扱い。相談もしにくく、浮いてしまった」と振り返る。
さらには「経験あるんだからわかるでしょ」という雰囲気を感じていた男性は、精神的に落ち込み、わずか1か月で退職に至った。「言っても無駄だと思ったので退職代行を使って退職しました」と悔しさを滲ませる。退職の際には「1ヶ月で辞めるなんて」という声もあったと言うが、「自分を守れるのは自分だけだと感じ、自分を守ることを最優先にした」と語り、その結果、現在では調理師として活躍できる場所を見つけている。
※キャリコネニュースでは引き続き【募集】仕事を即行で辞めた人や「職場の忘年会ありますか?」に関するアンケートを募集しています。