12月といえば忘年会シーズンだが、新型コロナウイルスの影響を受け、控える人も多いだろう。そんな中、京都に本店を構える高級焼肉店「焼肉の名門 天壇」赤坂店は、12月限定のフルコース「福綏(ふくすい)」を提供する。
全13品のコースで、「コロナ禍でも安心して利用できるように」と料理は基本的に1人1皿ずつ。カップルなど少人数の利用を想定しており、コース注文は1組につき2人まで。換気・消毒など感染予防対策を行った上でスタッフが目の前で肉を焼き上げる。
シャトーブリアン、トリュフタン、特上ロース…贅沢な一皿が次々と
まず、茹でタンのスープのほか、京野菜を使用した前菜3種とシャンパンが提供され、ペアリングを楽しめる(ノンアルコールへの変更も可能)。
メイン料理は"肉"のオンパレードだ。ローストビーフのトリュフオイル掛け、赤ワイン塩で食べるスモークタン、ユッケのキャビア乗せの「お肉の逸品盛り合わせ」や、自家製ハンバーグとフォアグラの「ロッシーニ風天壇特製ハンバーグ」、100グラムで厚みのある「シャトーブリアンステーキ」といった、年末にふさわしく贅沢な一皿が次々と提供される。
焼肉は、和牛タンのほかトリュフを包んで焼くトリュフタンが味わえる「特製タンの塩焼き」、特製おろしポン酢ダレで食べる「特上ロース」、白米を包んで卵黄ダレで食べる「和牛ミスジの焼きしゃぶ」などがある。
「ミルフィーユロース」「特上ミルフィーユロース」は薄くスライスしたロースを3枚重ねて焼き、出汁を浸して食べるという名物の"お出汁で食べる京都焼肉"だ。肉を重ねることで出汁がしっかりと含まれ、口に入れた瞬間に柔らかい肉と出汁の旨味が広がる。
焼肉は一枚ずつ目の前でスタッフが焼いてくれるため、最も美味しいタイミングで食べることができる。
同店担当者は、
「コースは最初からお肉がどんどん出てくるスタイルです。今まで赤坂店では"お出汁で食べる焼肉"をメインに提供していましたが、今回は新しくポン酢などのほかの味付けでも提供し、さまざまな味わいが楽しんでいただけます」
と話す。
天壇チョレギサラダ、ムルキムチを挟むことでより食欲も進む。ご飯物として、スダチ冷麺か牛茶漬けを選べるのだが、冷麺は酸味がしっかり効いたさっぱりした味わいで、牛茶漬けも出汁と柴漬けでさらさらと食べられる。
デザートの「自家製パンナコッタ 祇園辻利の抹茶風味」は口当たりが柔らかで、風味が濃厚なのにくどすぎず美味しくコースを締めくくる。
コロナ禍で顧客心理の変化「外食頻度が減ったためか、注文品が多くなる傾向」
同社広報担当者は、「『福綏』の意味にある『幸福にして安泰であること』を感じていただけるようなコースとなっています。『写真映え』と『京都』を意識したメニュー構成となっています」と話す。
「元々、赤坂店はこれまで会食や接待などビジネスシーンでの利用が多かったのですが、今年は宴会需要が例年より少なく、カップルやご夫婦など個人の方のコース利用が増えています。個室利用が多い店舗なので、接触者を最小限に努め、お肉もスタッフが最高の状態に焼き上げることでより特別感を味わえるコースを意識しました」
新型コロナの影響で、顧客心理が変化しているという。以前に比べると来店客は減っているものの、「外食の頻度が少なくなっていることが起因しているのか、普段よりも1~2品多く注文されたり、高単価の商品を注文されたりするケースが増えています」と説明する。
「『せっかく外食に来たんだから』と思われるのか、1回の来店でより楽しみたいという需要が以前より高まっているように方が多いです。今回のコースでは、そんなお客様の反応を反映したメニュー構成にしています」
コロナ禍では、換気が強力で安心感があると焼肉店の需要が高まっている。少人数で、短い時間で楽しめる焼肉フルコースは新たな顧客獲得にも繋がりそうだ。『福綏』は赤坂店で12月31日まで、1人前1万5000円(税別)で提供している。