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不倫バレせずに「円満離婚」のはずだった…半年後、元妻から慰謝料請求された男性の憂うつ

2020年12月10日 10:11  弁護士ドットコム

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「円満に離婚できたはずなのに、離婚後に元妻から慰謝料請求されました。支払わなければならないのでしょうか」。弁護士ドットコムにこのような相談が寄せられています。


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相談者は元妻と「性格の不一致」を理由に半年前に離婚しました。しかし、本当は結婚していたころに約2年間、別の女性と不倫関係にあったといいます。元妻は離婚時には相談者の不倫に気づいておらず、慰謝料を請求されることはなかったそうです。



ところが、離婚後に不倫の証拠をつかんだ元妻から慰謝料請求されました。相談者は元妻に慰謝料を支払わなければならないのでしょうか。濵門俊也弁護士に聞きました。



●離婚後でも不倫の慰謝料は請求できる

ーー離婚後でも、不倫の慰謝料請求はできますか。



はい、できます。たしかに、離婚時は円満に別れられたのに、その後になってから急に慰謝料を請求されたとなれば、戸惑っても無理はないでしょう。しかし、婚姻中の不貞行為は、「不法行為」にあたり、その配偶者には慰謝料を請求する権利があります。



協議離婚で円満に別れた後に不法行為が発覚した場合でも、慰謝料請求の裁判を起こすことができます。



ただし、慰謝料には「消滅時効」があり、一定の期間が経つと請求が難しくなります。



ーー時効が成立するのは、いつでしょうか。



不倫や不貞行為に対する慰謝料の消滅時効期間は「不倫や不貞行為の事実及びその相手方を知った時から3年間」が原則です。不倫や不貞行為が離婚の原因となった場合は「離婚した時から3年間」が消滅時効期間です。



今回のケースでは、半年前に離婚し、最近になって不倫が発覚しています。消滅時効の3年が経過していない限り、元妻には慰謝料を請求する権利があります。



●慰謝料請求が認められても、金額は少なくなる可能性も

ーー消滅時効にかかっていなければ、裁判でかならず慰謝料請求が認められるのでしょうか。



かならずしも、そうではありません。



そもそも離婚の慰謝料は、配偶者の不倫や暴力などの「不法行為」によって、離婚を余儀なくされた場合に、その精神的苦痛をやわらげるためのお金です。



精神的苦痛といっても、さまざまな捉え方ができますが、「不倫や暴力など、離婚原因となった配偶者の行為から受けた苦痛」、「配偶者の不法行為が原因で離婚せざるを得なくなったことによる苦痛」と捉えられています。



不貞行為を原因とする慰謝料請求が認められるためには、相手の不貞行為によって婚姻関係が破綻し、離婚に至ったという事実も重要なポイントになります。   



相談者の場合、元妻が感じている苦痛は「過去に不倫をされていたことを知ったこと」であり、今現在の苦痛ではありません。



また、協議離婚時には不倫は発覚していなかったわけで、不倫は離婚の直接の原因ではなく、性格の不一致など、別の原因だったのではないでしょうか。 そのため、不貞行為を原因とする慰謝料が認められる可能性は低いと考えられます。



仮に慰謝料請求が認められるとしても、不貞行為が原因で離婚に至る典型的なケースよりは、かなり金額が低くなるでしょう。



(弁護士ドットコムライフ)




【取材協力弁護士】
濵門 俊也(はまかど・としや)弁護士
当職は、当たり前のことを当たり前のように処理できる基本に忠実な力、すなわち「基本力(きほんちから)」こそ、法曹に求められる最も重要な力だと考えている。依頼者の「義」にお応えしたい。

事務所名:東京新生法律事務所
事務所URL:http://www.hamakado-law.jp/