ダイヤモンド・ヒューマンリソースは「就職先人気企業ランキング調査」の結果を発表した。調査は6~11月に実施し、2022年3月卒業(修了)予定の大学生・大学院生から3282人から回答を得た。
文系男子が就職したい企業1位は「伊藤忠商事」だった。同社は業績好調で、時価総額でも総合商社1位に。総合商社はほかに「三菱商事」(3位)、「双日」(6位)、「三井物産」(9位)がトップ10にランクインし、総合商社人気が継続した。
世界中で新型コロナウイルスが猛威を振るい、資源・エネルギー価格の下落や投資先の業績悪化に見舞われるなど、厳しい事業環境の中にある。幅広い事業領域で活躍する商社パーソンへの憧れは引き続き色濃く出たようだ。
理系男子はIT・情報系の大手企業に人気が集中
トップ5には「東京海上日動火災保険」(2位)、「損害保険ジャパン」(4位)、「三井住友海上火災保険」(5位)とメガ損保3社がランクイン。損害保険業界はコロナ禍においても通期の業績見通しは底堅く、躍進が目立った。対面営業の自粛により単年度業績への影響はあるものの、生命保険業界も「日本生命保険」(8位)、「第一生命保険」(10位)と人気を集めた。
理系男子が就職したい企業1位は「NTTデータ」だった。ほか、「野村総合研究所」(8位)、「Sky」(10位)とIT・情報系の大手企業がトップ10に3社ランクイン。
NTTデータは31期連続で増収、野村総合研究所も売上高、営業利益が過去最高を達成。コロナ禍の影響でビジネス環境が大きく変わる中、DX(デジタルトランスフォーメーション)に対する企業の関心は高まっている。
デジタル投資の拡大を背景に業績が好調な上、学生の知的好奇心に応えるインターンシッププログラムを提供していることも人気を集めた要因とみられる。
2社の出版社がトップ10入り 人気アニメの影響か?
文系女子が就職したい企業1位は、文系男子と同じく「伊藤忠商事」だった。総合商社は「三菱商事」(8位)がトップ10にランクインした。
また、3位に「集英社」、4位に「講談社」と出版社が上位に入っている。これらの2社はともにコンテンツのグローバル展開やデジタル化に成功しており業績は好調。特に集英社は、『鬼滅の刃』などブームとなった人気アニメも影響したと考えられる。
コロナ禍による外出自粛や巣ごもりで日常生活での接点が増えている影響からか、「日本放送協会」(NHK)が17位にランクインするなど、主要テレビ局も順位を上げた。
一方、今まで文系女子の人気が高かった「オリエンタルランド」「JTB」「日本航空(JAL)」「全日本空輸(ANA)」などエンターテイメント、旅行、運輸業界はコロナ禍の影響を大きく受けて順位を下げた。
理系女子の1位は「明治グループ」だった。また、「味の素」(2位)、「森永乳業」(5位)、「森永製菓」(6位)、「日清製粉グループ」(7位)と食品関連メーカーがトップ10に5社ランクインした。
女子学生に身近な製品を開発している「資生堂」(3位)、「富士フイルム」(9位)、「花王」(10位)と化学・化粧品メーカー3社がトップ10に入った。