宣伝会議は12月2日、2020年の「ワースト不祥事ランキング」を発表した。調査は11月にネット上で実施し、20~69歳の男女1000人から回答を得た。
今年最もイメージダウンした出来事を聞いたところ、1位は「河井克行、案里両議員を逮捕 参院選買収疑いで」(29.5%)だった。回答者からは「言い訳ばかりで、国会議員の座にしがみつき、みぐるしい」(56歳女性)といった厳しい意見が集中した。
『テラハ』出演の木村花さんの死 フジテレビの対応を疑問視する人も
2位は「『ドコモ口座』からの不正引き出し問題」(24.9%)。「会見の説明が足りていなかった」(29歳男性)や「もともとセキュリティへの意識が低く、会見も開き直っていた印象」(26歳女性)と後始末のまずさが心象の悪化を招いていた。
3位の「『テラスハウス』出演 木村花さんの死 放送倫理を審議」(23.5%)を選んだ回答者からも、
「該当番組がすぐには打ち切りにならず配信が続行され、放送局自体も非常に曖昧な対応で不快感があった」(37歳男性)
「第三者調査結果含めてフジテレビの釈明が不十分」(59歳男性)
報道があった後の対応の拙速さや、説明の不十分さを指摘する声がみられた。
4位は「法を司る人失格」(20歳男性)という声もあった「黒川弘務東京高検検事長(当時)が記者と賭け麻雀、発覚」(22.5%)。5位は「ゆうちょ銀で相次ぐ不正送金(ドコモ口座、SBI証券、mijicaなどを巡り)」(22.3%)だった。
「結局ここでも利権や中抜きが絡むのかとうんざりした」
次いで6位に選ばれたのは「持続化給付金、電通への再委託問題」(12.4%)。「結局ここでも利権や中抜きが絡むのかとうんざりした」(28歳男性)という声が、国民の大部分が受けた印象を代弁しているのではないだろうか。
7位以降は「アース ミュージック&エコロジー(ストライプインターナショナル)元社長がセクハラ疑惑で辞任」(6.5%)、「東京証券取引所 システムトラブルで宮原社長(当時)らが会見」(4.6%)、「沖縄タイムス コロナ給付金不正受給問題」(4.4%)などと続く。
続く10位に入ったのは「コロワイドによる一連の大戸屋HD買収劇」(3.5%)だった。回答者からは
「スムーズな買収じゃなかったのに強行したことにあまり納得できない」(20歳女性)
「TOB後の取締役解任で仲が悪い印象が増した」(37歳女性)
などと買収のやり方に疑問を持つ人が相次いだ。
宣伝会議では毎年、同様の調査を実施。2019年のトップ3は「かんぽ生命・ゆうちょ銀行で不適切販売が発覚」(48.7%)、「レオパレス21の建築基準法違反」(38.5%)、「吉本興業で相次ぐタレントの不祥事と事務所の対応」(37.3%)。18年のトップ3は「日大アメフット部 悪質タックル問題」(58.1%)、「『はれのひ』成人式の日に突然の営業中止」(48.2%)、「レスリング・伊調馨選手、栄和人氏をパワハラ告発」(22.6%)だった。