豊かな人生を送るためには、お金を稼ぐこと以上に、現状の収入で快適に暮らすスキルが求められるのかもしれない。世帯年収350万円の岐阜県の50代女性は「食費は1週間で1万円が目安。必需品は一旦検討するものの、割と買えています」と、うまく家計をコントロールしているようだ。
「趣味は、運動代わりに家電店や商業施設へ行くこと。主人に持病があるので医療費がかさみがちですが、少しは貯蓄もしています」
背伸びをせず収入に見合う暮らしを心掛ければ、生活満足度の向上やある程度の貯蓄が可能になることを、女性は証明している。今回は「年収300万円台で満足度の高い生活を送る人」のエピソードを紹介しよう。(文:大渕ともみ)
「月10万円もあれば生活できます。アルバイトでも食べていける」
神奈川県在住の40代既婚男性は「世帯年収は300万円。日頃から簡素に暮らしており、月10万円もあれば生活できます。おすすめのライフスタイルですよ。アルバイトでも食べていけるので」と自信満々だ。
「食費は月3万円ですが、基本的にスーパーで半額になっているものしか購入しないので、食事の内容は結構充実しています。家賃が8万5000円と高いことが唯一の不満ですが、近々、公営住宅に引っ越す予定。引っ越せば、貯金額も月8万円くらいにできると思います」
男性の妻は月3万円の食費から自身の散髪代や衣服代を捻出しており、男性に至っては「小遣いはなし」というから驚きだ。コンビニに行く習慣やお金のかかる趣味もないため、まったく困らないのだという。
「仕事の時間をセーブしているので、夫婦で散歩したり、食事したり、共に過ごす時間がたくさんあっていいです」
男性夫婦のように生活費を極限まで抑えることができれば、がむしゃらに働きお金を稼ぐ必要性はなくなるだろう。お金よりも時間に重きを置いた「賢い生き方」のひとつだと言える。
「上を見ればキリがない」快適で不自由のない生活を送る3つのキーワード
「お金がないなら、ないなりの生活で満足できる。そんな金銭感覚で良かった」と語るのは、大阪府の40代女性。女性の年収は310万円だが
「この年収でも貯蓄して、外食して、年に1回くらいは旅行して。遠方の実家へも年に3回は新幹線で帰省できている」
と現在の生活に不満はなさそうだ。「上を見ればキリがない。知識と知恵と工夫で、快適で不自由のない生活ができている」と自身の暮らしを肯定的に受け止めている。
群馬県の年収350万円の40代女性も「『不満だ』と思えば、募るだけです」とぴしゃり。
「コンビニ食がもったいないなら、自炊すればいい。お金がないなら、タバコをやめればいい。仕事につながる資格がないのも自分の責任。本気で資格を取る気があれば、支援制度を探して、根性で介護士でも看護師でも何でも取れますよ」
確かに「収入が足りない」と嘆いても、お金が降って湧いてくるわけではない。現状の収入でいかに生活満足度を上げるか、収入を増やすための自助努力ができるか。見えていないだけで、豊かな人生は目と鼻の先、あるいはすでに手中にあるのかもしれない。
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