スターダムに上り詰めたセレブが“代償”として失うもの―おそらくその代表的なものの1つに“プライバシー”が挙げられるだろう。このほどイギリス出身の女優ミリー・ボビー・ブラウンが、クリスマスショッピングに出かけた際に起きたある女の子とのやりとりをInstagramストーリーで回想、その子の無礼な態度について「私も一人の人間」「リスペクトを持って接してほしい」と涙ながらに訴えた。
Netflixのドラマシリーズ『ストレンジャー・シングス 未知の世界』のイレブン役でブレイクし、映画『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』にも出演したイギリス出身の女優ミリー・ボビー・ブラウン(16)。繊細な演技で見る者を魅了するミリーは、近年はモデルとして「CALVIN KLEIN」「MONCLER」など大手ファッションブランドや『Harper’s BAZZAR』『ELLE』といった有名雑誌の表紙を務めるなど活躍の幅を広げている。
“ジェネレーションZ”(Z世代)の間で圧倒的な支持を誇るミリーは、若干16歳ながら4000万人近いフォロワーを抱えるインフルエンサーで、14歳だった2018年には『TIME』の「最も影響力のある100人」に最年少で選ばれ注目を集めた。そんな紛れもない“A級セレブ”の肩書きをほしいままにするミリーだが、現在も依然として自身の名声やファンとの距離感には戸惑いを隠せない様子。現地時間11月30日、ミリーは“セレブ”であるがゆえに起こってしまった悲しい“事件”の顛末をInstagramストーリーで涙ながらに打ち明けた。
それはミリーがクリスマスギフトを買おうと、母親とショッピングに出かけた時のこと。ある女の子が近づいてきて「動画を撮影してもいい?」と尋ねてきたという。その子は自分は入らずに「ミリー1人を撮影したい」と言ったそうで、ミリーはその申し出を断った。しかし支払いをしていると、その女の子が再び許可なくミリーを撮影し始めたため腹が立ったミリーは、
「私も一人の人間なのよ。」
と撮影を止めるよう懇願。するとその女の子はこともあろうに、
「ってことは、人間は撮影しちゃいけないってこと?」
と揚げ足を取ってきたという。「そういう意味で言ったんじゃない」とわざわざ説明しなければならなかったミリーは、この一連のやりとりにひどく心が傷ついてしまったようで、
「境界線を無理やり越えようとする人を見ると、腹立たしい気持ちになるわ。みんな、もう少しリスペクトしてくれればいいのに。」
と涙ながらに訴えるのだった。ミリーは自分には人々の撮影依頼に応じる義務はないこと、撮影に応じたくなければその気持ちは尊重されるべきであること、さらにはそんな自分をわざわざ正当化する必要もないはず―と自身の見解を涙声で明かした。そしてファンに向けて、
「誰であっても、どんな職業であったとしても、相手にはもっと敬意を持って接するべきだわ。それがマナーってものだから。」
と述べ、配慮に欠けた行動は慎むべきであることを訴えた。
いくら世間から“A級セレブ”と崇められても、ミリーはまだ若干16歳。今回のような無礼なファンに不快な気持ちにさせられ、取り乱してしまうのも無理もない話であろう。カメラの前に立って演技をするのが仕事だからといって、プライベートで突然一般人からカメラを向けられるのが好きなセレブなどいないはず。ジャスティン・ビーバーやエド・シーランはかつて、写真を撮られまくることを「まるで動物園にいる動物のような気分」と形容していたが、誰もがスマートフォンで気軽に写真や動画を撮影・共有できてしまう時代だからこそ、人々はマナーやリスペクト、プライバシーの尊重といったキーワードを忘れるべきではないだろう。今回のミリー・ボビー・ブラウンによる訴えが、個々の判断や常識に委ねられている曖昧な“境界線”について、人々がいま一度立ち止まり、考え直す機会に繋がっていることを願わずにはいられない。
画像2枚目は『mills 2020年7月16日付Instagram「happy 4 year anniversary @strangerthingstv」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 c.emma)