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音楽ストリーミングが好調、サブスクが前年比120% 若年層を中心に普及、ダウンロード販売を大きく上回る

2020年12月02日 18:20  キャリコネニュース

キャリコネニュース

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日本レコード協会は12月2日、2020年第3四半期(7~9月)の音楽配信売上実績を発表した。

統計は、同協会に加盟する会員社の実績を取りまとめたもの。20年第3四半期の音楽配信売上は、前年同期比109%の197億7400万円だった。

ダウンロードは低調 音楽は「定額で聞き放題」の時代に


ダウンロードの合計は45億4300万円。内訳は「シングルトラック」が同76%の26億4600万円、「アルバム」が同94%の18億6200万円、「音楽ビデオ」が同73%の3500万円といずれも前年を割っていた。

一方、サブスクリプションの合計は133億8900万円。内訳は「音楽」が同121%の128億7300万円、「音楽ビデオ」が同143%の5億1600万円といずれも前年の売上を上回った。

同協会の広報担当者は、キャリコネニュースの取材に「ストリーミングは6年ほど前から伸びている市場で、今年もその傾向が続いています」と答える。

「海外ではもうストリーミングの文化が根付いていて、店頭に並べるパッケージを作らないことも増えてきています」

と業界の動向を説明し、日本ではやや遅れながらも「ストリーミングの利用者は若年層を中心に増えてきています」と語る。昨年も前年比110%で伸びており、ここ数年は毎年100~120%ほどの伸び率を継続しているという。

新型コロナでパッケージ販売に暗雲「ライブ中止でDVDが出せなくなることも」

日本で急速にストリーミングの売上が伸びている理由について、同協会の広報担当者は「スマホの普及が大きいです」と説明する。

「iPodやウォークマンでなく、スマホで音楽を聞くユーザーが増えたことが、ストリーミングが伸びている背景にあります。国内で利用できるサービスが増えているのも大きいです。『Spotify』もそうですし、『YouTube Music』もこれに当たります。国内で利用できるサービスは現在20~30くらいあります」

こうしたサービスが売り出すのは「月額980円で聞き放題」など。「ユーザーにとっては、いろんな曲が聞きやすくなったと言えます」とストリーミングのメリットを挙げる。

一方、これまで台頭していた「iTunesi」「レコチョク」が提供するダウンロードの売上は右肩下がりに。ダウンロードの機会は失われつつあるが、国内では他国に比べてパッケージ(店頭)の売上をある程度維持しているため、業界全体の年間支出額はそこまで変わらない特徴があるという。

また、現在も国内外を脅かしている新型コロナウイルスの感染拡大については「デジタルの売上にはそこまで影響がみられない」と回答する。他方で「影響が出るとしたら、パッケージ販売の方」とした上で、

「緊急事態宣言に伴う販売店の臨時休業や、レコード会社の社員自体が出社できない状態が続いたことで、4~5月発売予定だったCD、ライブDVDをすべて後ろ倒しにしたレコード会社もありました」

と厳しい状況を明かす。また、ライブDVDを発売予定だったアーティストのライブそのものが開催中止になり、DVDを出せなくなるといったこともあったようだ。同協会は「来年1~2月ごろに改めて2020年のパッケージ販売実績を取りまとめ、発表する予定」としている。