ハースF1チームのチーム代表を務めるギュンター・シュタイナーは、F1トラックのマーシャルとイアン・ロバーツ博士率いるF1メディカルスタッフたちが、ロマン・グロージャンの恐ろしい事故に迅速に介入したことを称賛した。
グロージャンはF1第15戦バーレーンGP決勝のオープニングラップにおいて、バーレーン・インターナショナル・サーキットののターン3でアルファタウリ・ホンダのダニール・クビアトに接触した後、バリアにまっすぐに突っ込んだ。このバリアによりマシンのサバイバルセルと、シャシーのリヤエンドが切断されてしまった。
大きな爆発が続いて起きたが、グロージャンは奇跡的にも炎上するマシンから抜け出すことができ、マーシャルとメディカルスタッフの手当を受けた。
「彼(グロージャン)は動揺していたが、このような事故の後で必要となる検査をすべて受ける予定だ」とシュタイナーは事故について語った。
「彼には意識があり、元気にしている。しかし私は直接彼と連絡を取っていない。病院にいる人々とだけだ。彼は大丈夫そうだ」
「非常に早い対応をしてくれたレスキュー隊に感謝したい。誰が担当してくれたのか分からなかったのだが、マーシャルとFIAの人々は素晴らしい仕事をしてくれた。事故は恐ろしいことだ。恐ろしいことが起きてしまった」
「あそこで起きていることを見て、あの裂けているバリアを目にするのは、信じ難いことだ」
「我々は不幸中の幸いだったのだと思う。私はレース上での幸運より、そうした幸運を選ぶ。彼は元気にやっているようだ。何も起きないことを願っているが、彼はそうしたことを乗り越えたと思う」
グロージャンは当初、サーキットのメディカルセンターへ搬送されたが、その後ヘリコプターでバーレーン国防軍(BDF)病院へ移送され、さらなる治療を受けている。レース後の月曜日には、シュタイナーも入院中のグロージャンを訪れている。
7度のF1世界チャンピオンであるルイス・ハミルトン(メルセデス)は、劇的な事態の変化を受けて、ソーシャルメディアにメッセージを投稿。ハミルトンは、事故後にグロージャンが“無事”でいることに感謝しているという。
「僕たちが負っているリスクは冗談ではない。僕たちがこのスポーツと、好きでたまらないことに命をかけていることを忘れている人々もいるようだが」とハミルトン。
「これは僕たち全員への警鐘だ。ロマンが安全にマシンから離れることができるよう、僕たちが大幅な進歩を遂げられるようにしてくれたFIAに感謝している」
またメディカルドライバーのアラン・バン・デル・メルべは事故現場への迅速な到着によってドライバー・オブ・ザ・デイに投票されたが、現場に到着した際、炎の度合いに驚いたと認めている。
「あれほどの炎は目にしたことがない」とバン・デル・メルべは語った。
「この12年、あれほどの衝撃を受けて大きな炎が上がっているのを見たことがない。少しの間、状況を検分した。もちろん数秒のことだが、長い時間に感じたよ」
「そうしてロマンが実際にマシンから自分で出てこようとしたんだ。あのようの事故の後でまったく信じられないことだよ」