F1第15戦バーレーンGPのレース後、トップ3ドライバーによるFIAの記者会見が終了した後にレッドブルが開いたクリスチャン・ホーナー代表の会見では、マックス・フェルスタッペンのピットストップ戦略についての質問が集中した。なぜなら、トップ3ドライバーによるFIAの記者会見で、フェルスタッペンが公然とチームが採った戦略を非難したからだ。
まず、なぜ1回目のピットストップでルイス・ハミルトン(メルセデス)より先にピットストップしなかったかについて、ホーナーはこう説明した。
「第1スティントでは、ピットアウトした後にフリーエア(前方にマシンがいない状態)となる隙間がまだできていなかった」
ハミルトンが1回目のピットストップを行ったのは19周目。もし、その前にフェルスタッペンがピットインするなら、18周目より前となるが、18周目の段階でピットストップロスとなる25秒後方あたりには6番手のカルロス・サインツJr.(マクラーレン)がいた。つまり、アンダーカットを行おうとハミルトンより先にピットインすると、逆に渋滞に引っかかる可能性があったというのがホーナーの指摘だった。
レッドブルとしてはオーバーカットも考えていたが、それを成功させるには「今日のメルセデスはタイヤのマネージメントが上手で、我々がオーバーカットを成功させられる隙はなかった」(ホーナー)と言う。
もうひとつの疑問は、赤旗中断後の再スタートでハードタイヤを履くという選択肢だ。というのも、フェルスタッペンは新品のハードタイヤを2セット保有しており、新品のハードタイヤが1セットしかなかったハミルトンと異なるタイヤ戦略を採ることができたからだ。
しかし、それは最初のスタートで2番手のバルテリ・ボッタス(メルセデス)のスタートを見て、リスクが高いと判断したという。
「最初のスタートで我々は3番手から2番手のボッタスをかわすことができたのだが、それは2番グリッドが路面のダーティなサイドだったからだ。赤旗後の再スタートでマックスは2番手からスタートすることなったため、ハードタイヤでスタートすると、より状況が悪化することを心配した」
なお、3位に入り、今シーズン2度目の表彰台を獲得したチームメートのアレクサンダー・アルボンについては、「金曜日のクラッシュから、よくリカバーし、今日は本当に力強いレースを見せてくれた」と評価しつつも、珍しくライバルの走りも次のように讃えていた。
「今日のセルジオは最高の仕事をしていた。ドライバーラインアップがどうなるかは、最終戦までわからないが、彼もまた候補のひとりだ」