isutaでは今週も、SUGARさんが贈る週間占いを配信。
2020年下半期の運勢も配信しているので、こちらもぜひチェックしてくださいね♡
2020年下半期の運勢 今週のおひつじ座の運勢illustration by ニシイズミユカ
名前の付かない関係性を
今週のおひつじ座は、リズミカルな偶然を愉しんでいくような星回り。
「女人咳きわれ咳つれてゆかりなし」(下村槐太)という句で詠まれているのは、電車なのか、待合室なのか、閉じられた公共の空間でたまたま同席していた女性が咳をして、たまたま「われ」も続けざまに咳をした情景。そんな偶然それ自体に、作者はそこはかとない嬉しさを感じたのでしょう。
けれどその直後には、たまたま続けざまに咳をしたことくらいしか、その「女人」との縁はなかったことを認識して、「ゆかりなし」などとわざわざ言ってみせているのです。思わず「当たり前だろ!」とツッコんでしまいたくなる間合いとテンポですが、作者もそれは念頭においていたのではないでしょうか。
ピタゴラスイッチではないですが、ある意味でそれに近い形で偶然の奏でる音楽の調べを愉しんでいるように感じられます。あなたもまた、そんな風に不意にみずからにおとずれた偶然やたまたまに大いに精神が触発され、新たな楽しみや交流が始まっていくかもしれません。
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イージーライダー
今週のおうし座は、「うまくいく」ための配置や距離や関係を調整していこうとするような星回り。
親子二代の競馬の騎手である福永祐一は、馬と騎手との関係について「騎手には馬の力を120%にすることなどできない」と話しています。馬に騎手が乗った時点で、騎手は馬に対してマイナスにしか作用しない。だから、騎手にできることは、そのマイナスをできるかぎり少なくすることなのだと。
騎手が軽量であることが大切なのは言うまでもなく、馬の姿勢に対する騎手の姿勢や乗馬フォーム、馬の運動にあわせた体重移動をその都度その都度調整していくことで、馬が本来もっているポテンシャルが発揮されるパーセンテージを40を50に、できれば60を70へと、少しでも下げないようにしていくことでしょう。
一連の流れに参与している複数の存在者同士による「うまくいく」関わりとは、まさにこのようなものなのかもしれません。あなたもまた、仕事の道具や環境であれ身近な人間関係であれ、どれだけ自身の負担を少なくすることができるか追求していくといいでしょう。
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目の引っ越し
今週のふたご座は、ささやかな五感の不思議に打たれていくような星回り。
「目薬に冬めく灯り校正室」(小沢信男)はいわゆる生活俳句であり、労働俳句。俳人の細川源二は「はたらく人間の常に追い求める美を生活の中からつかみ出し文字に創り上げることで、生活にうるおいを加えるために生活俳句は存在すると言っても過言ではない」と話しています。
校正室にこもって夜通し作業に明け暮れるさなか、目薬をさして「灯り」の方を見ると、これまでとなんだか違って見えた。その時、その感覚の変化にふと冬の訪れを実感したという掲句は、まさにその典型と言ってもいいでしょう。
もちろん、灯りそのものは一年を通して変わらないはずですが、それを見ているこちらの眼の乾き具合に「冬めく」気配を感じ取ったのかも知れません。それだけ、目薬による目の潤いが新鮮だったのでしょう。今週のあなたもまた、自身の物事への感じ方や捉え方が以前と比べ変化している実感が強く湧いてきやすいタイミングと言えます。
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いのちの歌
今週のかに座は、死者の思いなしとしての言葉を生きていくような星回り。
19世紀ドイツの悲劇詩人で劇作家のヘッベルには、ある種の鎮魂歌、レクイエムと言える詩が存在します。ただし、その詩が呼びかけているところのものは、死者ではなく、むしろ生者であり、死者たちのために生者の魂に訴えかけていくのです。
死者たちのために永遠の安静を祈っているのでも、神に呼びかけている訳でもないという意味では、この詩は厳密にはレクイエムでさえでなく、ただ死者の声を自身に宿らせ、それをその他大勢の生きている者どもへ伝えてくれているのだと言えます。
もっと死者の声を聞け、お前たち生者は、生きている者同士の集合においてだけでなく、死者との共同体をも生きているのだぞ、と。今週のあなたにおいても、すっかり忘れていた誰かの思いがふっと思い出されたり、宿ってきたりといったことが起きていきやすいかもしれません。
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自己愛を神に差し出す
今週のしし座は、路地の尽き果てた先でいのちの洗濯をしていくような星回り。
古代には「買う」という語と「贖う(あがなう)」という語が同音同意に用いられ、買うことが祓いの一つでもあり、市場は日ごろの罪や穢れを祓い清める場という役割をも担っていたそう。「路地は冬偽ルイ・ヴィトンひかり合ふ」(村越敦)もまた、クリスマスをピークとして、偽りの仮面を被った人々が行き交う街の情景を、それぞれの重い罪穢れをあがおうとする厳粛な祓い清めの儀式のごとく活写しています。
この冬、自分が死なないでいることとは、偽ルイ・ヴィトンに潔く大枚をはたくことだ。この世の果てまで路地は続く。宵越しの金は持つな。それでこそ祓いだ。
坂・樹・河・橋・門・改札―。そこで路地は尽きる。お前は振り返ることなく通りすぎる。かつてのお前自身の罪穢れを。そうして、お前は新たな自分になっていく。今週のしし座もまた、そんないのちの洗濯のための儀式におのずと参加していくことになるでしょう。
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偶然に打たれて初めて必然となる
今週のおとめ座は、機会を拡大していくことにフォーカスしていくような星回り。
人は人生で何か困難にぶつかった時、しばしば占いをしてきました。例えば日本でも非常に古くから行われてきた夕占(ゆうけ)では、夕方に辻(十字路)などに立って、通りすがりの人々が話す言葉の内容を元に占っていました。
多くの人で行き交う夕暮れ時の橋や四つ辻というのは、ある種独特の風情がありますが、黄昏れという言葉が「誰そ彼(たそがれ=あれは誰だろう?)」に由来するように、昼の太陽のもとではくっきりと明確だった人々の輪郭が、夕闇の中ではすーっと曖昧に溶けていってしまい、それが意識のトランスを促し、古来より占いをするなら夕暮れ時とされてきたのです。
一度は溶けあった相手も、行き違い、異なる道を行く時もある一方で、一度は袂を分けた相手も、再びめぐり合い、互いに歩み寄ることになる時だってあるもの。今週のおとめ座は、まさにそんな人生の“たそがれ”時を迎えていこうとしているのかもしれません。
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月とビジョン
今週のてんびん座は、遠くに在りて思うべきものを見上げていくような星回り。
「月」は日本において、古来から死んだ魂が還っていくあの世とされてきました。「月光は月へ還りぬ凍てながら」(矢口晃)は、そんな魂だけでなく、月から投げかけられた月光もまた地球に届きっぱなしなのではなく、月へと還っていくと言うのです。
植物の繁茂や潮の満ち引き、人間の月経やさまざまな生命の繁殖をひと通り見届けたら、暗く寒々しい宇宙空間を通過して、もときた場所に戻っていく。あるいは、もしかしたら知らず知らずのうちに私たちの魂の一部は、そうした月との往還を果たしているのかもしれません。例えば、満月の晩あたりに。
けれども、その全貌を知るのはおそらく私たちが死んだ魂となって丸ごと月へと還る時でしょう。知らないはずなのに、道を知ってるのはなぜだろう、とか。そんなことをきっかけにして。あなたにおいても、普段なら特別意識することのない、みずからの魂がもっている遠い射程についての実感が自然と湧いてきやすいはず。
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ヒルコと猛獣の話
今週のさそり座は、これまで使ってこなかった力や封印してきたエネルギーを、いかに取り戻すことができるかが問われ始めていくような星回り。
『古事記』には、イザナキとイザナミが婚姻の儀式の際「(妻である)イザナミの方から先に声をかけたのは不吉である」として不具の子をもうけることになり、ヒルコと名付けられ葦の箱に入れられて流されたという有名なエピソードがあります。ヒルコという名は「昼の子」とも「蛭の子」ともとれますが、前者だとすれば日本神話は男性の太陽神を捨てて女性の太陽神を称揚し、月の神(ツクヨミ)と嵐の神(スサノオ)をその左右に配置した訳です。
ヒルコは邪悪な霊に違いない、日本全体に新しい方向付けをもたらすかもしれない偉大な神々であるなどと言われますが、おそらくどちらもヒルコの側面を表していて、最強の者として中心に立ち、絶妙なバランスを保つためのいかなる策略もはねつける男性の太陽神を、日本人はずっと扱いかねてきたのではないでしょうか。
その意味で、日本神話というのは初めから、ヒルコの帰ってくる居場所をどのようにして見つけていくかという構造上のジレンマを抱えていたのだと言えます。今週のあなたにおいても、特に女性においては、強い男性性をいかに取り戻していけるかが大きなテーマとなっていくでしょう。
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心を込めた交流を
今週のいて座は、身の内にいつまでも残る他者の残像を、そっと見つめていくような星回り。
「面影と酒が残っていて寒し」(池田澄子)は、酒好きの、けれど、作者にとってかけがえのない存在だった誰かの酩酊した面影が、火種が消えた酒席に酒の匂いとともにいつまでも残っている。そんな情景が浮かんでくる一句です。
作者にとってこの「面影」は人生の折々において、そっと思い浮かんではその間に流れた歳月の重みを感じ直していく“羅針盤”のようなものなのかもしれません。すこし離れたかなという頃合いで振り返っては、その度にまだ近くに感じることを確認し、やるせないような、どこかホッとするような、矛盾した感情に駆られる存在。
逆に言えば、そうした矛盾した感情をどのように受け止められるかで、みずからの人としての成長もはかられるのかもしれません。今週のあなたもまた、自分にとってそんな羅針盤となるような他者の存在を思い浮かべてみるといいでしょう。
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自然体で生きる
今週のやぎ座は、「自分の人生の主人となる」ということを見直していくべし。
「卓越した才能」「他の人にはない個性」など、滅多にあるものではありません。人間はみな大差のない存在であって、人に抜きん出る必要など本来ないもの。よく言われる「自己実現」というのは、高い社会的地位を得たり、人気が出て成功すること。それは「有名になる」「お金持ちになる」ことに囚われ、社会が用意した価値観に左右されているだけです。
もちろん、そうした価値観から外れたところにだって努力の積み重ねは求められます。けれど、ごく平凡に、無名のまま努力をしていくことは、つまらないことでも、虚しいことでもありません。
逆に無名であっても、平凡であっても、いろんな苦しみ、哀しみ、そして見苦しい自分というものに耐えたり、のた打ち回って、それでいながら煩悩を隠さずに生きることの方が、よほど「自分の人生の主人となる」ことに近いように思います。あなたもまた、どちらの方向へ向けておのれを律していくべきか、改めて問い返しみるといいでしょう。
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むき出しの自分を晒す
今週のみずがめ座は、自分のなかにある激情を思い知らされていくような星回り。
「この枯れに胸の火放ちなば燃えむ」の作者・稲垣きくのは、元女優で引退後に茶道教授をしながら俳句を詠んでいった人。19歳で結婚し、20代前半で離婚した後は独身でしたが、おそらく表沙汰には出来ない秘めた恋があったのではないでしょうか。「この枯れ」とは眼前に広がる実景であると同時に、一歩間違えれば大惨事を招くような危うい事情や関係性のことを含ませているように思われます。
そこに胸の内にたぎる恋情の炎を放ってしまえば、きっと一切が燃えさかる凄まじい光景が広がるだろう、と。状況の冷えと内面の熱の対比が見事に利いた句ともなっている訳ですが、実際には自分の思いをそのまま遂げるような行動は押さえつけられており、それを句にすることでギリギリ踏みとどまっていたのかも知れません。
あるいは、こうした気軽に表に出せないという状況こそが、内なる恋の炎をここまで激しいものに育てたのだという流れも不自然な話ではないはずです。あなたもまた、自分のなかにまさかこんな激情が潜んでいたのかと驚き、逆襲される瞬間が出てきたとしてもおかしくないでしょう。
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夢うつつこそ我が人生
今週のうお座は、世間がどうであれ、自分にとっては大切なものの在り様を見定めていくような星回り。
美少女戦士セーラームーンをご存知でしょうか。普通の高校生である月野うさぎが正義の戦士セーラームーンに変身するとき、光に包まれて一瞬だけ裸になるシーンがありますが、今週のうお座の星回りを見ていると、そのシーンを思い出します。
子どもの頃は、脆さと恍惚とが危ういバランスで同居しているような、あるいは、真実が一瞬そこに現れているような、そんな気持ちになったものですが、大人になってみるといかにそうしたバランスを両立させ続けていくことが難しいことなのかを実感させられるようになりました。
大抵の人はみずからの脆さや傷つきやすさを覆い隠し、なかったことにしようとしていく訳ですが、その点セーラームーンはまったく違う。脆さや傷つきやすさを認識し、開示していく中で感じ得た恍惚を通して、新しい自分の顔を表出していこうとしているのです。そうした2つの種類の変身があることをよく理解しつつ、後者の変身を選択していくことを意識して過ごしてみるといいでしょう。
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